- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087717389
作品紹介・あらすじ
伊吹の双子の姉・朱里は20歳の誕生日を向かえた日、なんの前触れもなく自殺した。朱里の遺品の中から大衆演劇「鉢木座」の半券が見つかり、それが死ぬ前の最後の足取りであることを知った伊吹は、少しでも真相に迫るべく一座の公演に行った。公演後、座長に詰め寄る伊吹の姿を見た若座長の慈丹は、その容姿を見初め、入団を強く進めた。伊吹は何か手がかりが掴めるのではと入団を決意し、以降、訓練と舞台に追われながらも、「女形」としての人気も得始めていた。そんなある日、ひょんなことから両親と鉢木座との繋がりが露見することに。それは鉢木座の過去に秘められた禁断の事実だった……。血脈に刻まれた因縁、人間の最果てと再生を描いた問題作。
【著者略歴】
遠田潤子(とおだ・じゅんこ)
1966年、大阪府生まれ。関西大学文学部独逸文学科卒業。2009年「月桃夜」で第21回日本ファンタジーノベル大賞を受賞。著書に『アンチェルの蝶』(第15回大藪春彦賞候補)『冬雷』『蓮の数式』『ドライブインまほろば』(第22回大藪春彦賞候補)『廃墟の白墨』『銀花の蔵』(第163回直木賞候補)『雨の中の涙のように』などがある。
感想・レビュー・書評
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内容が途中からぼんやりわかりそうかなー?と思ってたんですがそれを差し置いてもよかったです。全体に切ない感じがあってちょっと引き込まれてしまいました。
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親に愛された記憶もないまま双子の姉弟はお互い支えあい生きてきた。二十歳の誕生日、姉の朱里が自殺した。幼い頃、父に「汚い」と罵られてから自分を汚いと思い、他人に触れることができない伊吹は自殺した姉に導かれるように大衆演劇の女形の道を歩むことになる。少し倒錯的な雰囲気の作品。そこまでの決意で子供を産んだのなら愛してあげなさいよ!と母親に腹が立つ!
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とても難しいテーマだと思う、私には到底想像も出来ない、だから感想も書けない、そのくらい難しい。
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一気読み。
でも、なんとなく、最後、しっくり、こない。
最後のお母さんのセリフいらない気がする。
子どもに罪は無い。
全然憧れない世界でした。
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禁断、禁忌、この言葉が脳内を駆け巡る。
真相が明らかになるに連れ絶望と怒りとやるせなさ、様々な感情が押し寄せ打ちのめされる。
子を愛せない親がいる。
物語に登場する双子の姉弟も父母、双方から愛情を受けず互いを唯一無二の存在だと信じ寄り添って生きて来た。
けれども突然の姉の自死。
死の真相を探る為、大衆演劇の世界に身を投じた伊吹を待ち構えていたのは驚愕の事実。
『親の因果が子に報い』
親の罪を子に背負わせるなんてそんな馬鹿げた話はない。
猛火の炎の色を意味する紅蓮が鮮やかな血の色と重なり、妖艶で淫靡な遠田劇場に魅入られた。 -
いつもの遠田潤子じゃなくて驚きました(*_*)
何故両親に愛されないんだろう…
何故父親は子供達を汚いと拒絶するんだろう…
主人公が辛いのは毎回の事なんで読み進めましたが。
今作は最後まで、理由を知っても両親を許せなかったから少しイラッとしながらの読了です。
大衆演劇と言う大きな家族に囲まれて伊吹が幸せになってほしいなぁ(/ _ ; )-
私も本作には★3つでレビューを残しています。重い双子の出自に暗くなりましたがエールを送りながら読みました。私も本作には★3つでレビューを残しています。重い双子の出自に暗くなりましたがエールを送りながら読みました。2023/02/24
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しずくさんおはようございます♪
暗い話覚悟で読んでるからそこはいいんですけどね
応援しながらラストの救いをひたすら求めてます。
何故かハマる...しずくさんおはようございます♪
暗い話覚悟で読んでるからそこはいいんですけどね
応援しながらラストの救いをひたすら求めてます。
何故かハマる遠田潤子ですよ笑2023/02/24
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双子の姉弟・牧原朱里、伊吹は、両親に愛されず育った。"お互いを守る"と誓った二人だが、二十歳の誕生日に、姉・朱里は、自殺してしまう。
伊吹は、朱里の遺品から大衆演劇「鉢木座」の 半券を見つけ、朱里の死の真相を探る為、大阪の劇場へ向かう。
真相は分からずじまいだったが、鉢木座の若座長・鉢木慈丹からスカウトされ、劇団に入団する。
伊吹は、稽古と雑用に追われ、やがて、女形として人気を得るようになる。
舞台、稽古の明け暮れだったが、朱里と伊吹が背負った、禁忌の秘密が明らかになる。
こんな運命を背負った人生もあるのだろうな。
慈丹の愛により、辛い運命を乗り越え、伊吹が又、舞台に立つ勇気を得て、良かった。