うきよの恋花 好色五人女別伝

著者 :
  • 集英社
4.24
  • (6)
  • (9)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 62
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087718119

作品紹介・あらすじ

この恋は、地獄につながっている――。

女はなぜ、男のために火付けをし、火あぶりになったのか(「八百屋お七」)。
女はなぜ、道ならぬ恋におぼれ、自ら鉋(かんな)で胸を突いたのか(「樽屋おせん」)。
女はなぜ、ふしだらな下男と駆け落ちし、心を喪ったのか(「お夏清十郎」)。

江戸時代の人々の注目の的になった恋の事件の裏には、
悲しい“まこと"と、優しい“ほら"があった――

心中、駆け落ち、不義密通。
江戸のスキャンダルをまとめた井原西鶴の代表作『好色五人女』を大胆に新解釈した、胸に刺さる悲恋時代小説。

【著者略歴】
周防 柳(すおう・やなぎ)
1964年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。2013年『八月の青い蝶』(「翅と虫ピン」改題)で第26回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2015年、同書で広島本大賞「小説部門」大賞を受賞。著書に『逢坂の六人』『虹』『余命二億円』『蘇我の娘の古事記』『高天原-―厩戸皇子の神話』『とまり木』『身もこがれつつ――小倉山の百人一首』などがある。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 前の作品の「高天原」もとても面白かったです。
    今回は井原西鶴の「好色五人女」をオマージュした作品です。
    「真実は小説より奇なり」と言いますが、本当はこんな裏話があったりして?本当はこんな話だったんだよ。
    なんて、噂好きな巷の人々の声が聞こえてきそうな、物語です。
    そして、恋に身を焦がす女性がいきいきと、描かれているところが好きです。
    綺麗事ばかりじゃなくて、嫉妬だったり、思い違いだったり…。悲しいけれど、何故か優しさを感じます。
    これは、じっくり読んで頂きたい、大人の小説です。
    この作品を読んで、周防柳さんがますます好きになりました

  • これは面白い‼︎
    元ネタもキチンと読んでみたい。

  • 面白かった!良質のエンタメ小説。井原西鶴の「好色五人女」を下敷きに、その元となる実話を書いているが、最後の章で、それも西鶴による創作であることがわかる。
    西鶴の人物像にもカジュアルに触れられた。
    ポップな現代文で読みやすく、しかし「正しい日本語」で書かれていて、気持ちよく読める。教養のあるひとはこういう小説を書けるんだなぁ。物語も一つ一つ、リアルな人間の心の機微を描かれていて、しかし語り口は重すぎず、お茶のお供のエンタメとして丁度よい感じ。
    作者に興味がわいた。

  • おもしろかった!
    この著者が女性なのも納得。女心、うまく描写されてました

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

1964年生まれ。作家。早稲田大学第一文学部卒業。編集者・ライターを経て、『八月の青い蝶』で第26回小説すばる新人賞、第5回広島本大賞を受賞。『身もこがれつつ』で第28回中山義秀文学賞を受賞。日本史を扱った他の小説に『高天原』『蘇我の娘の古事記』『逢坂の六人』『うきよの恋花』などがある。

「2023年 『小説で読みとく古代史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

周防柳の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×