- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087718171
作品紹介・あらすじ
「すべての老いた娘たちにすすめたい!
親友と一緒に話し、笑い、涙しているような本でした」
ーー原田ひ香(小説家/『三千円の使いかた』)
父が急逝し、突然お墓を用意する必要に迫られた著者。そこにコロナ禍の到来、さらには、当たらないだろうと思いつつ応募した市営墓地購入の抽選で、まさかの当選。
お墓、買うの? 誰が? ……私が!? はたして骨壺の運命やいかに!?
脱線上等、北国の迷える日々を綴る、笑いありしんみりありのゆるゆるエッセイ。
【著者プロフィール】
北大路公子(きたおおじ・きみこ)
北海道札幌市生まれ。2005年『枕もとに靴 ああ無情の泥酔日記』でデビュー。各紙誌でエッセイや書評を執筆。
エッセイに『生きていてもいいかしら日記』『苦手図鑑』『石の裏にも三年 キミコのダンゴ虫的日常』『晴れても雪でも キミコのダンゴ虫的日常』『ロスねこ日記』『いやよいやよも旅のうち』、小説に『ハッピーライフ』など著書多数。
感想・レビュー・書評
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突然亡くなってしまった父親のお墓をどうするか。その奮闘記のはずが、コロナのせいで計画が大幅に狂ってしまい、ほとんど先へ進めない状態に。
それでもとにかく笑いが止まらない、抱腹絶倒エッセイ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
最近、周囲でお墓の話題がホットなんですよ…。
まだまだ先のことと思っていたけども、親とそれ以前、更には自分のことも早く考えて話し合っておいた方がいい絶対に、でも一体何から考えれば?? となっていた時に見かけて読まずにはいられなかった。
お父さんを亡くし、さあお墓どうしようというところから始まるエッセイで、もちろんお墓を中心に書かれるーーはずだったのだけど、コロナ禍で色々と予定が変わってしまうのがリアルタイムで書かれていて、期せずしてコロナ禍の生活日記として良いものになっている。
お墓の話もちゃんとあるけどね!
軽妙な文章にところどころ吹き出した。
お墓についてはあまり参考にはならないけれど、仲の良い友人とお喋りをしている気分で読めて楽しかった。 -
長い雪国の冬籠りには、北大路公子さんが欠かせないというのは私の中の常識になっている。ちょうどのタイミングで新刊が出たので飛びつくようにして読む。
2年前のエッセイ『ロスねこ日記』の時に急逝されたお父さんのお墓をどうするかがテーマの連載で、まずはお墓を知るために仁徳天皇陵へいく(?)という謎企画の最中、コロナ禍が始まって、いつも通りの引き込もり生活になってしまった。
なんだ相変わらずじゃ・・・と思ったらとんでもない。
何もしたくないと言いつつ、雪かきに励み、カニを食べ、ウニを食べ・・・あれ?相変わらずだった?いや、ファミリーのエピソードも安定のレベルで笑える。丹下さんのイラストも、キミコ先生の本質を炙り出すかのような脱力感にますます磨きがかかり、もうこの絵の人のまま、札幌の某所に存在しているとしか思えない。
今回は亡くなられたお父さんの面影があちこちに出てくる。人は忘れられた時に2度目の死を迎えるというが、まだまだお父さんの存在感は健在。時に助けとなり?時に迷惑全開で現れるのである。
肝心のお墓はどうなったか。それも意外な結末が待っている。
ロスねこだったその後にも変化が起きている。(予想通り) -
期待通りのクスっと笑える快調エッセイ。
コロナの影響で、調査の旅に出れなかったのはイレギュラーだけど、巣ごもりで充分に楽しめました。
なかなか問題毎を解決できないこと、お墓そのものがいるか?と思っていること、家の倒壊を恐れていること(笑)など、共通することが多く、うんうんと頷くばかり。
新たなテーマで次回のエッセイをお待ちしてますー -
<凡>
作者名前の読み「きたおうじ」でいいよなぁ。結構有名な苗字だと思うのに僕のPCはまともに漢字変換できない。北王子 だの 来た王子 だの。我がPCよ,おめーバカか!あ,PCが悪いのではなくて漢字変換ソフト が悪いのか。すまんこってす,スコスコ。
という事で(どういうことだ!w)読メで 僕のお気に入りの さるお方による同著者の本書とは別の本の感想で「北大路公子はエッセイの天才である 云々」と書かれているのに感化されて本書にたどりついた。
本書,僕がファンである群ようこさんのエッセイ程には突っ込みどころが無い。それだけ差しさわりの無い事と 世間で普通に起きている事を中心に説明的に書いてるのだ。まあ雑誌連載稿の単行本化なので時事一般に内容が偏っていくのは仕方ないのだろうけど。味気ない。文章の軽快さで読ませているのかな。
例えばシーナ兄いや群さんには色々な面白い経験談があって,それらが或る意味お話のベースとなってエッセイが出来ている。だから フームふむそういうことか,と読者は納得し興味を抱いて面白く読めるのだ。 が,きたおうじきみこ の場合はそういう経験はおそらく無いか乏しいのだろ
う。
これは,言い換えると文章表現の面白さだけで読ませる必要があると云う事なのだな。「ほんとうか?」とか「道端に撒くか」とか,「父の骨壺を神棚から落とすだけならいいが(良くないが)」とか,いわゆるすっとぼけネタの繰り返しになっている。いやそれが悪いなどとは僕は毛頭思っていない・・・と思うw。いやはや面白いよぉ~。
紙を細断する機械:シュレッダーのお話し。電動シュレッダーを酷使して壊れてしまったのでアナログ式を買うのだと作者は言う。はてシュレッダーにデジタルとアナログの二種類があるのだろうか、と僕は考えたが 分からないので先を読む。すると作者が アナログ式 と唱えて買ったのは手動手巻き式のシュレッダー だった。おい、おまえさん60歳にもなって、アナログの意味を間違えているだろう、と激しく突っ込んでやろうとしたら、手巻きアナログ式もすぐに壊れてしまったので哀れに思って 突っ込むのをやめてやった^o^ バカめ。
著者は僕より4つほど若くて現在60歳らしい。うーむ微妙な年齢だ。老女というには多分ずっと元気はつらつとされているのだろう。さりとて「妙齢」ではない様な気がする。もっとも 妙齢 という言葉の意味するところは非常にあいまいだと思っているが。まあ若くは無いが老いてはいない女性エッセイスト ってとこか。そういえばお顔の分かる資料が無かった。こういう方は頑(かたく)なに自貌をさらすことを拒否しているのだろうなあ。理由は推して知るべし。
なお、のっけに書いた 名前が漢字変換出来ない件は、どうやら入力が間違っていたのが原因らしい。きたおうじ ではなく きたおおじ なのであった -
コロナ禍の影響がこんなところにも!
コロナがなかったらどんな一冊になっていたのかも気になるところ。
相変わらずに軽妙な語り口で、ついご近所の出来事のような気がしてしまう。 -
ある行旅死亡人の物語を読んだあとだったので故人を語るにギャップがありました。自宅1階の自分の会社を何も片付けず亡くなった父への文句も出るが、それがあることで父の気配を感じつつ、母と猫と、古い住居と札幌の雪とコロナと共存していく様子が面白おかしく綴られた日記でした。「生きている人は元気で生きようね」が何度か日記に登場し、常に故人と対比、お父さんの存在を忘れていない日々だと分かります。
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父の急逝から1年半。骨壷は神棚の上に置かれたまま。いよいよお墓を買うべきか悩むキミコさんのもとに、コロナ禍が到来し…。つれづれ北海道日記。『小説すばる』連載を加筆し単行本化。
ケメコ先生がお墓を買えますように…。 -
タイトルに惹かれて手に取りました。
我が家も本当どうする!
公子さんちのお墓問題に、深刻何だけどカラッとした内容にクスッと笑えました。