星々の生まれるところ

  • 集英社
3.54
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本棚登録 : 62
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087734492

作品紹介・あらすじ

この星の明日をアメリカの不滅の大詩人ホイットマンの詩にのせて美しくも哀しくうたいあげわれわれの未来を描いて戦慄する。

感想・レビュー・書評

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  • 前情報もなくなんとなく購入な作品。
    いや、読むのに時間かかった。

    話は3つ。
    共通するのはホイットマンの詩と舞台のNY。

    [機械の中]
    少し頭のおかしい少年が工場で働きつつ、
    死んだ兄の婚約者であった義姉のために色々する話。
    子供が工場で契約書とかもなく働いたりする感じから、時代は少し昔な感じがした。

    アルジャーノンでも思ったのだけども、
    こういったこの話を読むのがなかなかにしんどい。

    [少年十字軍]
    警察の一般市民からの電話相談番をやってる女性の話。
    前の話と工場の火事が繋がりありそうなので、
    もしかすると時代は同じなのかも?

    [美しさのような]
    こちらはSF。
    人間や爬虫類のようなナディア人と呼ばれる種族や、
    人工的に作られた種が登場する話。

    結局何がしたかったのかとか読み取れなかった。。。

  • M・カニンガムのポスト9・11小説は、W・ホイットマンの詩を軸にそれぞれ過去・現在・未来のニューヨークが描かれた三話の連作短篇である。第一話はゴシック小説、第二話は警察スリラー、第三話はSFとまったく異なる趣ながら、主要登場人物(ルーカス-ルーク、キャサリン-キャット-カタリーン、サイモン)や白い鉢・馬のモティーフなどでゆるやかに繋がる。
    一つの作品としてのまとまりが若干弱く、どこか宙ぶらりんな読後感も残る。しかしホイットマンの扱いはもちろん、第一話の豊かな詩情や第二話の緊迫感溢れる展開はさすがの一言。作家の最良作ではないにしろ、その腕前は健在である。

  • 三つの中編。
    ホイットマンの『草の葉』を軸に時代を異にして生と死をテーマにミステリアスに書かれている。
    『機械の中』19世紀の貧しい工場と機械の中に何かが、、
    『少年十字軍』電話相談員のキャットと爆破予告する少年、
    『美しさのような』人造人間とトカゲのようなナディア人、
    それぞれ、サイモン、キャサリン(キャット、カタリーナ)、ルークと同じ名前の主人公と陶器の杯が象徴的に出てくる。存在自体を問う不思議な読み心地の作品。

  • 2009/3の課題図書

  • 深い。
    つかみどころがない、、、というか言葉にしようとすると、感じたことがつるっと逃げるような感じ。

    3つのストーリー全部、最後は主人公が今までの居場所をなくして、
    ほんの少しの希望にすがって新しい居場所を求め始める。
    2章の最後でキャットが考えたように、それって多分一度死ぬことなのだ。
    けれど私には明るい未来があるようには思えない。

    作中引用されたホイットマンの詩の一節
    「死ぬことは誰が考えたのとも違って、もっと幸運なことなのだ」
    が、共通テーマだとしたら、本人たちは思うほど不幸ではないということなのだろうか。

    もしかしたら、私が未来に明るい展望を持っていたら
    このラストは違って見えるのかもしれないとも思う。

    (09.03.12)

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    図書館。
    ネット上の読書会「励まし合って読書会」3月の課題図書。
    そういうきっかけでもないと読まないだろうなあ。(09.02.28)

  • 映画「めぐりあう時間たち」の原作者。「めぐりあう〜」が、ヴァージニア・ウルフをモチーフとしていたように、ここではホイットマンの「草の葉」という詩をモチーフとして、三つの時間が三つの物語として描かれる。産業革命、現代(911)、そして未来。この物語たちは「物語的な」ハッピーエンドを有しない。とりわけ二つ目の話には深い衝撃を受けた。死後の美しい世界へ行くために愛のため人を殺める少年たちにはどんな星々が映っているのか。
    混迷する先行きの見えない世界を生きる我々。死と現世は永遠にのがれられない人間の宿命―ホイットマンの詩を通してそこに愛と哀を美しく描き出す。

  • ☆読めなかった☆後日リベンジ

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