プロット・アゲンスト・アメリカ もしもアメリカが…

  • 集英社
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本棚登録 : 245
感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (536ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087734867

作品紹介・あらすじ

もしも第二次大戦時に元飛行士で反ユダヤ主義者リンドバーグが大統領になっていたら…。7歳の少年の目線で差別にさらされる恐怖と家族・民族・国家を描く、ロス最高傑作とも評される歴史改変小説。

感想・レビュー・書評

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  • 資料のリンドバーグの演説「戦争扇動者は誰か?」で客観視できる。ナチを盾に戦争回避するにはユダヤ人排除と扇動する人は民族差別を平和行為とし反対者を戦争主義者とする捻じ曲がりだ。気づくまでが自分との闘いだった。

    ブッシュを思い出すと訳者あとがきにあった。私は日本の政治家が頭に浮かんだ。他国の宗派に多額の金銭を運び入れ、日本はこの30年貧困まっしぐらになっていた。国の党首は我が国の党首ではなかったのだから。気づいた時は手遅れだと言わんばかりに。

  • 2004年発表
    原題:The Plot Against America

  • 3.94/213
    『もしも第二次大戦時に元飛行士で反ユダヤ主義者リンドバーグが大統領になっていたら・・・。
    7歳の少年の目線で差別にさらされる恐怖と家族・民族・国家を描く、ロス最高傑作とも評される歴史改変小説。』(「集英社」サイトより▽)
    https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=978-4-08-773486-7&mode=1

    『 作者の言葉
    ジョージ・オーウェルの『一九八四年』は、世界をまったく見覚えのない場にしてしまうような壮大な破滅的激変を前提にしているが、私の想像力はごく身近な、現実に起きていたとしても不思議はない出来事に向かった――もしも1940年の大統領選挙で、ヒトラーの友人で反ユダヤ主義者のリンドバーグが、ローズヴェルトを破って大統領になっていたら……。自分の家族の視点から、現実の歴史に極力寄り添いつつ、時代の空気を私はできる限りリアルに表現したいと思った。』(「集英社」サイトより▽)
    https://www.bungei.shueisha.co.jp/contents/plot/index.html

    原書名:『The Plot Against America』
    著者:フィリップ・ロス (Philip Roth)
    訳者:柴田 元幸
    出版社 ‏: ‎集英社
    単行本 : ‎536ページ

  • 2020/10/7購入
    2020/10/16読了

  • 【パラレルな「あの時以降」】世界史の決定的に重要なタイミングで,ルーズヴェルトの3選ではなく,ユダヤ人に対する偏見を抱いていたリンドバーグがアメリカ大統領に当選していたら......。卓越した想像力に基づいて描かれた歴史改変小説です。著者は,アメリカ文芸界の大御所とも言えるフィリップ・ロス。訳者は,現代アメリカ文学の翻訳に関しては第一人者と言える柴田元幸。原題は,『The Plot against America』。

    ひたひたと足元に迫るかのように描かれる憎悪や偏見の描写に、空恐ろしい気持ちにさせられること間違いなし。見事だなと思うのは,リンドバーグは背景として控える存在として描かれており,それに背中を押される形で悪しき世界が現場レベルで展開していくという構成になっている点。いつの時代に読んでも得るところの大きい小説だと思います。

    〜不測の事態の恐ろしさこそ,災いを叙事詩に変えることで歴史学が隠してしまうものなのだ。〜

    読みやすい翻訳も☆5つ

  • 文学

  • 今年の5月に亡くなったフィリップ・ロスの「ありえたかもしれないアメリカの歴史」を描いた小説である。
    大きな政治的な動きを、市井の家族の生活が少しずつ変わっていく過程からとらえているが、実際に歴史の流れというのはそんなふうにわたしたちを取り巻きながら推移していくのだろうということを実感させられる。

  • 単純に良くできた歴史解説書を読むように読みました。このようなフィクションによりもう一方の歴史というフィクションがどのように描かれ、成り立っていったのを理解する。

  • リンドバーグねぇ、「翼よあれがパリの灯だ」と子どもが誘拐されて殺されたのは知ってたけどナチシンパやったのは知らんかった。で、そのナチシンパがアメリカ合衆国大統領になってたら、という歴史改変モノ。正直少年の成長物語って苦手なんだけど、その部分込みでもナチスドイツとはまた違う、真綿で首を絞めるような反ユダヤ策に追い詰められる感じが上手いなぁ。惜しむらくは最後がとってつけたようなドタバタなのがもったいないかなぁ。ストーリー展開が無理矢理なのは我慢できるにしても言葉足らず過ぎて。いや、主人公の目から見えてる話で書いてるからにしても。

  • 1940年。もしもアメリカが自由と民主主義の国ではなく、ヒトラーのドイツと同じく、ファシストの国になろうとしていたら。そして、もしもそのとき、自分がキリスト教徒の子供ではなく、ユダヤ人の子供だったら。7歳の子供の目から見える全世界、安らかだった社会から徐々に追い詰められていく様子は、読んでいる自分まで不安になった。

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著者プロフィール

フィリップ・ロス(Philip Roth)
1933年3月19日、米国ニュージャージー州ニューアーク市に誕生。1959年、短編5作と中編1作を収めた “Goodbye, Columbus”で全米図書賞を受賞。1969年、4作目の小説 “Portnoy’s Complaint”(『ポートノイの不満』)を発表すると、批評的にも商業的にも成功を収める。著書は全31点。ピューリッツァー賞、マン・ブッカー国際賞などを受賞。全米批評家協会賞と全米図書賞は2度ずつ獲得している。2012年に執筆活動を引退し、2018年5月22日に85歳で死去。
注:本書では中編小説“Goodbye, Columbus”のみの日本語訳を収録

「2021年 『グッバイ、コロンバス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

フィリップ・ロスの作品

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