- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087744880
感想・レビュー・書評
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筆者と私は同学年です。80年代後半の狂乱と軽薄に満ちた当時の時代の空気、匂いが昨日のことのように感じられ、懐かしい気持ちになりました。まさに青春真っ最中の迷いや戸惑いが手に取るようにわかり、共感を覚えました。
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80年代の東京の写真学校。諏訪から出てきた主人公の学生生活。実はカメラやレンズの知識はそれぼどなく、本当は、友人ともカメラやレンズのことよりも、写真そのものや、写真集や、写真家の話をしたいと思っていた主人公。写真を撮るということは、撮る前に、何かを選び取ることなのだ。組写真は数枚の写真に順番をつけ、タイトルをつけて短いフォトストーリーにすることで、写真集の基本。撮った中からどの写真を使ってどれを捨てるか、どんな順番に並べて行くか。意図的に一つのイメージをつくるのだ。。
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写真の勉強のために諏訪から東京に出てきた、大学生の作者。いい被写体だと思ってやくざを撮ってどやされたり、たまたま撮った写真が授業で大きく評価されるなど、その生活は悲喜こもごも。
後輩との恋愛模様などの学生時代ならではの感情の動きが描かれており、ほほえましくなります。 -
写真を専攻している自分と重ねて読んだ。その狙いは「暗室」とも同じだったが、感情が近くすぐに引き込まれたのはこちらの方。
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写真部に在籍している者としてはとても刺激になったと同時に、純粋にいい話でした。
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装丁に惹かれて購入。
写真よりも
文章にいつもいつも、惹かれてしまう
フシギな写真家。
何度読んでも、つい手にとってしまう。 -
「 良書です 」
某 遊べる本屋の POPより -
5.3読了。
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“僕”はどうしたかったのだろう。何をしてただろう。
著者は、カメラを買って専門学校へ通う。明確な目的があったわけじゃない。
ぼくはと言えば、だらしなく外堀公園を歩いて、だらしなくなんとなく、学生。
つまり失われた時のこと。あの頃とは、切なくはかない、灰色の空。
ぼくも、きっと同じように感じていたのかもしれない。東京。
写真家とは思えない文章のうまさに、ついのめり込んでしまう一冊。 -
ほんとに、写真家の人が、自分のことを書いてるっぽい。多分。
でも、ちゃんと自分を客観視して書けてるから、違和感なく小説として読んだよ