プリズムの夏

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 136
感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087746273

作品紹介・あらすじ

ぼくらは映画館で知り合った!どこまでも透明な、ひと夏の青春。第15回小説すばる新人賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 今井が彼女の日記を読んで、「不幸自慢する奴が多い」というようなことを言っていたのを読んで、私のブログも最近そんな感じなのを反省。
    うつ病を自称してる人はたくさんいるけど、本当に辛い思いをしているうつ病患者に失礼だ、とも。
    自分の愚痴を不特定多数の人に見てもらうのは大分ストレス解消にはなるけど、読んでる人は気分悪いだろうなぁ…
    でもやめられそうにない;

  • 爽やかな表紙だったので読んでみたらば陰鬱な感じ。
    いろんな問題詰め込んでるのにどれも深くは掘り下げていかないので
    日常生活で恋愛の比重が重い人は大変ねぇ、というどうでもいい感想を持つお話。

  • 映画館で受付をしている老けて見えるが二十二歳の無愛想な松下菜那が気になる、男子高校生の植野と今井が、日記と映画感想のホームページを管理する大学院生でうつ病のアンアンは彼女ではないかと考える様や、アンアンの日記が、どこか妙に冷静に語られていて不思議だった。恋もうつ病も何だかあっさりと落ち着いていた。

  • 高三の夏の出来事。

    大学受験を控えて、バイトに勉強に明け暮れる日。
    恋は少し前に終わってしまい、なんとなく後悔と未練だけが残っている日々で、同級生の今井と行った映画館で出会ったのは、松下さんだった。

    松下さんは美人で年上なのにどこかぎこちなくて、未完成な危うさを持っている人だった。
    ちょうど偶然今井がネットで見つけた日記の内容と、現実の松下さんの存在が、奇妙に重なっていく様子。

    自傷癖があって、かつての恋人に依存し他の男と寝るさまは、松下さんとは遠い世界だったはずなのに、徐々にそれが同一人物だと確信するまで。

    植野くんは、まだ若いんだなあ、としみじみした。
    素性も知らない女性が気になって不安定さを心から心配するバカみたいな生真面目さは無知ゆえの純粋な優しさだね。

    どちらかというとたいして期待していなかったけど
    優しさを感じられる話だった)^o^(

  • 図書館でふと手にしました。

    全体を通して表紙の通り爽やかな青い印象の本です。

    登場人物たちの置かれた環境は複雑ですが適度な表現を保っているため重くありません。

    登場人物たちの適度な距離感も好きです。

    夏の表現もリアルで爽やかです。

    暑い夏の日におすすめ。

  • 第十五回小説すばる新人賞受賞作。

    水戸市にある高校に通うぼく(植野)と今井。
    彼らの話題はもっぱら、水戸映劇という名の映画館で働く松下奈那についてだった。
    彼女はそっけなく無愛想だが、誰もが認めるくらい美人だった。
    彼ら二人は、彼女に近づこうと必死だが、彼女には恋人がいることを知ってしまう。

    そんなある日、二人は、ネット上で「やめていく日記」を見つける。日記の内容から、作者のアンアンはうつ病で、だんだんと追い詰められている様子が伝わる。


    そして二人に、ある仮説が浮かんだ。アンアンは松下さんではないかと。

    登場人物が、友情や恋、家族や将来に悩む姿が描かれている物語。

  • 高校生のときに初めて読んだときは重いし現実味が無くてイマイチかなって思ったけど、24歳になって改めて読み返すと割りと良かった。

  • 第15回すばる新人賞を取ったものだが、うーん?いまいちだった。うつ病を患った彼女をブログで見つけるのはかなり無理があるのではないだろうか。今井くんの琴にかける情熱もどこか上滑りしていて響いてこなかった。二人は彼女を助けようとしたのか、それとも自分たちが納得したかったのか…。微妙な部分が一夏の感覚を平凡にしているなあと感じてしまった。

  • 2012年7月12日

    装画/木村桂子
    装幀/多田和博

  • 読みやすいです。
    主人公は爽やかで青春なんだけど、女性が重くて暗い感じ。
    少し先が読める感があったので☆☆

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著者プロフィール

1972年栃木県生まれ。茨城大学大学院人文科学研究科修了。映画館の映写室でアルバイトをしながら小説を執筆し、2002年『プリズムの夏』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。07年には『空をつかむまで』で坪田譲治文学賞を受賞。他の著書に『ブックのいた街』、『はとの神様』、『ナツイロ』、『シグナル』、『潮風に流れる歌』などがある。

「2018年 『サニー・シックスティーン・ルール』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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