愛に似たもの

著者 :
  • 集英社
3.32
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本棚登録 : 361
感想 : 55
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087748796

感想・レビュー・書評

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  • 短編集だからと思って読み始めたもののあっという間に読了。
    どの話も後味が悪い。でもだからこそリアル。
    帯の「今度こそ幸せになれると思った」が刺さる。
    主人公達はみんなただ幸せになりたいだけなのに。そして自分も。
    どこで間違ったんだろう、そう思う瞬間は幾度となく訪れるけど、間違ったんじゃなくて人より回り道してるだけ、必要な経験なんだって思えるようにしたい。

  • 読了日不明

  • 恋愛の短編集で、どの話も30代後半くらいの女性が主人公。この年代の女性の、結婚にまつわる満たされない女心を上手に細かく描いている。男性読者には多分理解できないだろうと思う女心。主人公たちは結婚直前に裏切られたり、結婚したけれど満たされていなかったり、同じ境遇の友達と張り合っていたり、年下の男に強く惹かれていたり。確かにどれも「愛」ではなく、「愛に似たもの」。それぞれの主人公が平凡でどこにでもいそうだから、友達の話を聞いているように読みやすいかったが、心には残らなかった。

  • 【あらすじ】
    母親のようにはなりたくない。美貌と若さを利用して、すべてを手に入れてやる(『真珠の雫』)。親友の真似をして人生の選択をしてきた。ある日を境にふたりの立場が逆転。その快感が(『ロールモデル』)。過去の失敗は二度と繰り返さない。たとえ自分を偽っても、今度こそ結婚までこぎつけなければ(『教訓』)。など、幸せを求める不器用な女たちを描きだす8編の短篇作品集。

    【感想】

  • 水商売で成功するために利用した父違いの姉の本性。
    30代独身が、年下の男に無償の愛を注いだ結果。

    人生の見本にしていた友人に頼られる優越感と、
    いつの間にか元の関係に戻っていた静かな怒り。

    給料の少ない夫、子無し、姑の世話から
    逃れるために元カレに会ったものの、ネズミ講まがいの勧誘に愕然とする瞬間。

    元カレたちで学んだ経験が、逆効果だった恋愛。

    病気の仕事相手との約束、その夫との不倫、
    時を経て、生まれた子供が言ったこと。

    スナックのママと同じ男での失敗。
    地元と家族に昔の自分も捨てたが、
    病気で伏せる母を前に、本当の幸せを見失っていたと気づくとき。

    目の前の生活を、周りの人を、大切に。。。

  • 大体が恋愛がらみの短編集なんですが、怖い怖い。
    大体バットエンド。

    人生の中で「もし」を考え出したらキリがないけれど、それを考えてしまうのが人間なんだなぁ。しかもそれが「違う人と結婚していたら」と思い出しちゃったら不幸のはじまりな気がする。

  • 8編の悲劇的恋愛を描いた短編集。いわゆるイヤミスとは違う感覚だが、様々なタイプの悲恋がずらりと並んでいる。人間の持っている欲望。それもささやかな幸福感だとか、嫉妬だとか、独占欲だとか誰でも心の奥に持っていそうな感情が引きずり出されて彼女たちが望まぬ方向へ連れていかれてしまう。思いがけず、「愛」だと思っていた罠にスッポリはまってしまい、身動きがとれなくなった8人の女性が悲しい。今より、ちょっとだけ幸せが欲しかっただけなのに。「愛」では無く「愛に似たもの」な事に気付かなかったのが不幸の始まりだったのだろう。

  • 再読。柴田錬三郎賞受賞
    タイトル通り、愛に「似たもの」の短編集。
    面白かった!!
    救いようのない話でも、さらっと安心して読める。

  • 読み終わって、タイトルに納得。

  • こういう作品を書かせると上手いと思う

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