ウーマン アローン

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 96
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087813203

作品紹介・あらすじ

女ひとり、ユーコン河にカヌーを浮かべる。百年前を生きた「男」に恋をしてしまったのだ。漠としていても、心の芯がうずく「夢」探し。アラスカの大自然は、夢追い人にかけがいのない贈り物を用意してくれた。第二回開高健ノンフィクション賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 廣川まさきという女性は、作家としてはちょっと不器用な人だと思う。他のレビュアーさんも書かれていたが、カヌーの旅同様に勢いで書いちゃった感が文章から伺えるのだ。
    失礼ながらカヌーの旅と平行して、フランク安田の足跡やエピソードを少しずつ盛り込んでゆけば、ノンフィクション作品としてもっと面白くなったのでは?と思った。

    しかし不器用であるが故に、彼女が旅で経験した辛さや嬉しさがストレートに伝わってくる場面もある。
    孤独な旅の途中で人と出会った時の安堵感、急流に飲み込まれそうになった時の焦燥感など、読み進めるうちに自分も一緒にユーコン川に浮遊している気持ちになってしまった。

    なんて往々にして読者は好き勝手に感想を述べるものだが、彼女がたった一人でユーコン川を1500kmも旅をした事は紛れも無く真実であり、たたえるべき偉業である。

    しばらくはユーコンの水面に写る景色が頭から離れそうに無い。

  • へたくそな文章で正直もうちょっと何とかならんかと思ったが、これがこのひとのやり方なんだろう。カヌーのこぎ方も知らないのに、ユーコン1500kmを下っちゃう。本の書き方なんか知らないのに、本を書いちゃう。無鉄砲とか、乱暴とかいうのとはちょっと次元が違う。このひたむきな迫力みたいなものは、たぶん練習や鍛錬からは生まれないんだろうなと思う。面白かった。

  • たまたま、この本の前に読み終わった本が新田次郎の『アラスカ物語』だったので、非常に驚いた。
    何となく女性のひとり旅がテーマの本が読みたいと思って、内容を知らずに手に取っただけの本だったので、その偶然には驚かされた。
    フランク安田の作ったビーバー村を訪ねて長大なユーコン河を女性ひとりでカヌーを漕いで渡るという、そのドラマチックな旅自体は興味深く感心させられたが、いつか牧場を経営するのが夢という著者の書く文章は正直言って拙く、なかなかストーリーに集中できなかった。
    普段はあまり意識しないが、プロの作家さんの書く文章ってやっぱりすごいんだと改めて感じた。
    2015/11

  • 【満月Wイベ本】"Are you gonna kill me? Or hug me? 殺さないで、抱いてください" 女性1人、初めてのカヌーでユーコン川1500キロを漕いで漕いで漕ぎまくって、アラスカ物語安田恭輔の住んだビーバー村へ向かう。ユーコン川は彼女の命を奪うのか、あるいは愛情を注いでくれるのか。熊や蜂、自然の厳しさにさらされる一方、人の優しさに触れる。1ヶ月以上に渡る旅、ビーバー村へ辿り着いたのはゴールではなく、彼女の新たなスタート地点なのかもしれない。

  • 女性である作者が単独、アラスカの厳しい自然をカヌーで旅する。
    目指すは、フランク安田こと、安田恭輔が眠るビーバー村。
    人との出会い、厳しい自然に向き合う姿がたくましい。

  • 第2回開高健ノンフィクション賞受賞作。最近この賞の受賞作の中で読みたい本をさらったので最近ノンフィクション割合が高くなってます。

    本作は、女性一人カヌーでユーコン川を下り、カナダからアラスカの目的地まで行く紀行(冒険)エッセイ。読みやすいし、出会った人々との交流も背伸びせずに描かれていて好感がもてました。当地のことを知れるという付加価値あるし、読んで十分満足いく作品です。

  • タイトルにあるように、一人旅での思いが詰まっている。
    しかし、やはりというか、一人旅は人との触れ合い旅なのだろう。クリス マッカンドレスを知った後に本書を読んでも、残念ながらインパクトが薄かった。文章から少しだけ著者の気持ちが理解出来たが、もっと伝えたいことがあるんでしょうね。
    アラスカ物語を読むべし。

  • この行動力はすごいなぁと。
    よく大きな怪我や事故も無く冒険を達成できたなぁ。
    きっと、自然に抱かれたい、自然に生かしてもらうという、真っすぐで熱い心が、北の自然に通じたのかな、そしてそんな彼女だから、素敵な方たちにめぐりあえたのかなと思いました。

  • カナダの牧場で働いていた著者は新田次郎のアラスカ物語をしり
    フランク安田のつくった村までユーコン川を下ってたどりつくということを思いつく。
    グリズリーがいる大地を銃を持たず ギターをもってカヌーで下っていく。
    カヌーも初心者のままいきなり本番である。
    運がよかったと言えばそれまでだが、なかなか芯の強い女性である。
    また飾らないストレートな性格と推察される。
    こういう人だから外国に出ていくのであろう。 このような生き方を許容できる国に日本は早くならないといけないであろう。
    地に足をつけて歩くとはどういうことか ということを カヌー紀行であるものの、考えさせられる本。

  • 村山由佳「楽園のしっぽ」に書かれていた作品。

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