- Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087814101
感想・レビュー・書評
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太平洋横断を試みて、消息を立った熱気球冒険家神田道夫。1度目のチャレンジでは同行者として、一緒に気球に乗った石川直樹さんによる記録。
一緒にチャレンジした1回目の大西洋横断は、自らの体験を入れて、細かく書かれている。それまでの部分は、主に実際に一緒に行動して感じたことがメインとなる。
富士山越え、ヒマラヤ越えなど、熱気球冒険にのめり込んでいく感じは、伝わってくるが、大西洋横断2回目に対して、筆者が感じた生命維持を前提とした冒険ではない感じはも伝わってきた。
最終章、1回目の横断で海で乗り捨てざるを得なかったゴンドラとの対面を見ると、2回目もこれで行っていたならと思わずにはいられない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
最後の冒険家
石川直樹 著
熱気球による太平洋横断の途上で消息を絶った神田道夫との4年半。第6回開高健ノンフィクション賞受賞作。
「BOOKデータベース」より
[目次]
第1章 出会い
第2章 気球とはなにか
第3章 富士山からエベレストへ
第4章 滞空時間世界記録とナンガパルバット越え
第5章 熱気球太平洋横断
第6章 単独行
第7章 ひとつの冒険の終わりに
第8章 悪石島漂着
「BOOKデータベース」より
20年ほど前、著者・石川直樹氏のトークを聴いたことがある。その時はホクレア号の話だった。講演会というよりも少人数のじべたに座って聴くアットホームなものであった。その後も彼の著作を時々読んで、熱気球のことがニュースになった時も気になったものの、著作を読むに至らなかった。
この本には、神田氏の生き様が淡々と書かれている。著者も様々な体験をしていることから、その筆致は聞き書きや想像ではなく、自身の経験と重ね合わせた現実感によって冒険の世界に惹き込まれた。個人の半生記であるとともに、これから冒険に挑む人への訓戒と励ましも含めた一冊である。 -
神田道夫さんのすごさがよくわかる。
挑戦していくことの儚さというか。石川直樹さんが呼びかける最後の一文が大変切ない。 -
冒険か・・・
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☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆
http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA88026691 -
現実世界でも冒険はできる。
→https://ameblo.jp/sunnyday-tomorrow/entry-12092193033.html -
神田さんの話。
一応、熱気球のライセンスを持っている身として、ここに書かれているフライトがどれくらいアドベンチャラスかはわかる。それだけに、ドキドキする。
最後のフライトを手伝った人たちは、直接の面識はないけど狭い気球業界なのでもちろん名前はよく存じ上げている人ばかり。
上空でバスケットから何かに飛び移るって・・・無理ぽ。。。
筆者の石川さんはうまく文章にまとめていると思う。 -
気球なんてノンビリ空を飛ぶイメージしかなかったが、このようなエクストリームな世界があったとは。しかもアマチュアリズムそのものの世界。
神田氏のまさに「最後の冒険家」と言える常人離れぶりの記録であるが、元同乗者の筆によるところが良い。
「地理的な冒険が消滅した現代の冒険とは、この世の誰もが経験している生きることそのものだとぼくは思っている。日常における少しの飛躍、小さな挑戦、新しい一歩、そのすべては冒険なのだ。」
「世の中の多くの人が、自分の中から湧き上がる何かを抑えて、したたかに、そして死んだように生きざるをえないなかで、冒険家は、生きるべくして死ぬ道を選ぶ。」 -
最近気になっている人物、石川直樹さんの初作品。
正直言って、大半の人が理解には苦しむ無茶な?冒険の話だとは思うけど、気球というのめり込みたい対象があるというのは羨ましくもある。
どうしても神田さんの家族側に感情移入してしまいたくなるが、挑戦したくてしたのならこちらが悲しんでいようといまいと本人は本望だったのだと思うしかないし、それはそれでいいことなんではないかと思った。
1度目の漂着で出会った船員や、ヒマラヤ越えの時のパキスタン人など、旅で思わず出会った人々の優しさがたまらない。それな一生の宝となる。 -
石川直樹「最後の冒険家」遭難した冒険家 神田道夫の熱気球による単独太平洋横断を記録した本。
冒険家とは 単に 冒険をすることでなく、誰も成功したことない未知を 開拓するということ。神田の言葉「絶対に成功すると わかっていたら、それは冒険じゃない。でも 成功する確信がなければ 出発はしない」
植村直己と神田道夫 「全然ふつうの人」
植村直己の時代で 地理的な冒険(地図の空白を埋めるための冒険)は 終わっている。しかし 神田道夫の冒険は 自作気球という点で 未知の開拓であり 植村直己時代の冒険といえる