中村俊輔 スコットランドからの喝采 THE ZEN OF NAKA The Journey Of a Japanese Genius
- 集英社 (2009年3月26日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087814132
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
外人は日本人とは違ってきちんと選手を評価するのは偉い。
(人種差別はするけどねー)
タックルができない、FKだけとか守れないというのけど
ゲームビジョン、タッチ、パスなど
俊輔が何をできるか、そのできることが他の選手とどう
違いをみせているか、ダービーやマンチェスター戦という
ふさわしい場面で結果をだすことが仕事、ビジネス、ミッション
としていかに苦難で精神力が必要か?をきちんと評価している。
ゴール隅上に決めるFKを「切手を貼る位置」というのが
おしゃれだね。 -
俊輔がどれだけセルティックサポーターの心を掴んでいたかが分かる一冊。俊輔ファンなら読んでみると良い。
-
たしかにセルティックはフットボール界の4大リーグには所属していない。それでもグローバルなファン層を持つビッグクラブの一つであることは間違いない。
世界中に散らばるアイルランド人やスコットランド人にとってセルティックはアイデンティティの象徴であり、心のふるさとであり、感動を共有できる存在なのだ。
「中村俊輔 スコットランドからの喝采」という本の最初の章は、まさにそれを実感させる。
その章は、2006年11月21日、チャンピオンズリーグ、マンU戦で、中村俊輔がフリーキックを決めた瞬間を目撃したセルティックサポーターたちの声をレポートしている。
俳優ジェイムズ・マカボイはトロントのパブでその瞬間を体験していた。ザ・シンプルマインスのジム・カーはシチリア島で、レーシングドライバー、ダリオ・フランキッティはナッシュビルで、ザ・フラテリスのメンバーたちはロンドンで……、…オンタリオで、リオで、ヨハネスバーグで、埼玉で…その瞬間を体感したファンたちは、まるでたった今起こったことのように興奮してその瞬間を体験した思い出を語ってる。
ザ・ヘラルド紙のスポーツ記者である著者が中村俊輔に興味を抱いたのも、まさにこのゲームの時だった。
彼は、マンU戦の劇的な勝利の後も、ヒーローとして酔いしれることなく、いつもと変わらずジムでメニューをこなしている中村俊輔の姿に興味をもち、記事にした。その記事は、翌日大きな反響を呼んだそうだ。
この本は、「THE ZEN OF NAKA The Journey of a Japanese Genius」というタイトルで昨年8月ごろに英国で発売された「中村俊輔伝記本」の翻訳版だ。
中村俊輔サイドのオフシャル本でないことが幸いして、セルティックにおける中村俊輔がとても客観的に描かれている。
日本のスター選手の伝記本に比べると、選手個人のエピソードより、彼の文化的価値、経済的影響、スコットランドを含めた欧州サッカークラブチームと選手の位置づけなど包括的な視点で描かれていて興味深い。
一人の日本人選手が加入したことで、チームだけでなく、その国の文化や経済状況まで変わっていったことが、著者のジャーナリスト魂を刺激したのだろう。
ジャーナリスト目線の「伝記本」、日本ではなかなかお目にかかれない。中村俊輔という選手がグローバルに認められる「大人の男」に成長したからこそこの本は生まれたのだろう。
著者は最後にこのように書いている。
世界有数のサッカー都市であるグラスゴーが、ある選手を特別な存在、応援するに足る存在だと一旦認めたら、もう逃げ道はない。中村の「セルティック流」のプレーをする才能はファンの心をつかんだ。そしてファンたちも彼の心をつかんだ。こうして歴史は作られたのである。
今の中村俊輔にとって、もっともうれしい賛辞ではなだろうか。 -
イギリスの記者が俊輔について書いた本。
俊輔は天才か?「ナカムラ」ブランドの威力など、読めば読むほど俊輔スゴイなと思った。
日本とスコットランドのサッカー事情の違いも分かって良かった。
マンU戦での2本のFKがどれほどスゴイ事かも分かります。
イマイチ分かってない人は読んでみてはどうでしょう? -
帰ってこなかったな。。。
-
サッカー日本代表中村 俊輔についての話しである。最近スコットランドにあるセルティックというサッカーチームへと移籍し大活躍している選手のひとりである。彼の持ち味は、ファンタスティックなプレーで観客をも魅了するプレーができると言うことだ。左足から放たれる鋭いカーブがかっかったフリーキックも有名だがそのほかにもパスセンスやシュートあらゆる局面で繰り広げられる彼のパホーマンスは日本一とも言われている。
-
スポーツニュースを見ていると、中村俊輔くんが日本に帰ってくるかも、という流れ…。そうすると、この本が賞味期限切れになっちゃう!と急きょ繰り上げ読書です(笑)。
装丁がセルティックのチームカラー、さえた緑をベースにしていてとてもさわやか。でも、原題が"The Zen of Naka"って…おまけに冒頭で孔子なんか引いてるし(苦笑)。やっぱり東洋人のイメージってそこなのー?
切り口は大まかに分けて、中村くんのセルティックでのパフォーマンスと、イタリア時代を含めた、彼をめぐる人々の2つ。特に2006年、ヨーロッパチャンピオンズリーグでマンチェスター・ユナイテッドを破ったときの中村くんのFKは、セルティック・サポーターの間では伝説化しているらしく(たしかに見事だった)、世界各地に散らばったセルティック・サポーターからインタビューを取っている(笑)。
彼を随時取材する、日本の「チーム」も取り上げられており、彼らの多彩な経歴とフットボールジャンキー度は、中村くんとは別の意味でなかなかすげーです(笑)。彼をめぐるビジネスも描かれ、商品としての側面も知ることができます。
ライティングのスタイルが英語のスポーツライティングそのままなので、日本語に置き換えただけではちょっと不自然かな、という気もしました(このへんを調整するのはとても難しいと思いますが)。用語も慎重に選び、チーム名を人物名と区別するためにゴシックで表示するなど、読者フレンドリーに考えてくださっていますが、ゴシックはいらなかったような…この本を読もうというチャレンジャーは、そこをクリアする努力はすると思うので(笑)。
著者さんはスコットランド有数のフットボール記者。故郷グラスゴーの愛するチームにやってきた日本人フットボーラーに興味津々の様子が伝わってきます。フットボールの本場にやってきた日本人スターを珍しがりこそすれ、キワモノ扱いせずにきちんと描いており(ちょっとほめすぎ感もあるけど、それは中村くんの実力だ)、このクリーンさは日本人として嬉しいな、と思ったのでこの☆の数です。
-----[2009.4.5 未読リストアップ時のコメント]-----
集英社の新刊案内を見ていて、「おっ、中村俊輔!」とは気づいていたんですが…表紙の画像データを見てびっくり!いい写真じゃないですか!日本が今のところ唯一自慢できる「海外組」フットボーラー、中村俊輔くんのルポです。著者のグレイグ氏がどういうかたかはっきりとは存じ上げないのですが、海外のスポーツライターから見た「シュンスケ・ナッカムーラー」がどういった感じなのか、興味があります。それと、ノンフィクション禁断症状が重症で(笑)。