草迷宮・草空間

著者 :
  • 集英社 (1985年3月1日発売)
4.34
  • (68)
  • (14)
  • (26)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 236
感想 : 25
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・マンガ (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087821017

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 漫画がまだアニメでも平面でもなく、アートだった頃。内田善美さんの漫画はどれも繊細にして、奥深いものでした。ほんとうに美しい絵、そして命の儚さや不思議、魂の根源といった不可思議で不条理なもの。その探求の旅をする一冊です。この本自身が魂の旅そのものですが、読後の何年も何年も続く余韻と、ときおりふっと思い出す味わいは自分自身への長旅でもあります。

  • 今年は私的に出版・再版されて嬉しかった本が何冊もあったので、一番強く再出版を望む漫画を。この美しい絵と言葉と、日本人形の『ねこ』が言う、何かわかんないとこまであったかくなるお話を、埋もれさせておくのはホントに勿体ない。草迷宮から草空間への話のつながりがとてもよいです。笑えて、泣けて、深い問いをいくつも潜ませた漫画。ぜひもっと多くの人が読めるように。

  • 少女漫画と呼ぶにしては、難解で哲学的ですよね。近頃の少女漫画のイメージとはだいぶ離れています。この人の漫画はどれも文学的で面白い。その深い内容と、美しい絵のマッチが見事な漫画だと思います。キャラクターも優れているし、絶版になる前に購入してくれていた母に感謝です。

  • 小学六年生の「チャレンジ」に、夏休みに読む編集者おすすめのまんがとして紹介されていた本作。
    同時に紹介されていたのは、うろ覚えですが
    「絶対安全剃刀」「綿の国星」「秋日子かく語りき」
    こ、これが小六におすすめするまんが・・・・!
    編集者・・・なんというセンス。

    大学生の草が拾って来た市松人形は、話すことが出来る。
    ねこと一緒に暮らしていたらしい。
    ねこ と呼ばれるようになった人形の少女と、草の日常。

    驚くべき事件もおこらず、たんたんと語られるこのお話に、小学六年生がついていけるであろうか。否。
    哲学的な話でした。
    ちょっとどころか大分難しくて、年上のいとこに貸し出して「これってどういうこと?」と感想を求めていました。

    わからん!と何度か読み返してほっぽっときましたが
    (「秋日子かく語りき」「綿の国星」も購入し同様)
    わからないながらに
    「いのち」は、自分が生きてると思うことによって生まれるのかなあとか
    「そうじゃないのよ」と他人から言われることで、自分の信じていることは簡単に消えちゃうのかなあとか
    あわあわと 考えていました。
    あの頃、この物語に出会えたことは本当によかったなあ と
    今になって思い出しました 

    • aoiさん
      小学6年におすすめ!?
      誰かに薦めたくなるのは分かりますが、小6には難解すぎますよね(+o+)
      高野文子さんの『絶対安全剃刀』も大好きですが...
      小学6年におすすめ!?
      誰かに薦めたくなるのは分かりますが、小6には難解すぎますよね(+o+)
      高野文子さんの『絶対安全剃刀』も大好きですが、同様です。
      大島弓子さんのは未読なので何とも言えませんが…。
      2013/09/26
    • tomosukeさん
      うっすらとした記憶なのですが、「ちょっと背伸びした・・・」みたいなコメントが添えられておすすめされていたように記憶しています。難解ですよね(...
      うっすらとした記憶なのですが、「ちょっと背伸びした・・・」みたいなコメントが添えられておすすめされていたように記憶しています。難解ですよね(笑)
      哲学的なまんがばかりだったかもしれません。
      ただ、あのころ「大切なことを言っているような気がする、でも理解できない、解らない!」という命題のようなまんがに出会えていたのは良かったかな〜と今になって思っています。解らなくても、考え続けることが出来る懐の深い読み物に出会えたことが。
      なんて、話を大きくしすぎましたね。
      2013/10/04
  • 草(そう)くんの拾った日本人形(市松人形)は、生きていた。
    無垢で、無邪気で、気難しくもあり、なかなかやっかいだ。
    まあ、いろいろありながら、少しずつ心を通わせていく。
    いつまでも、ふたりいっしょにいて欲しいものです。

    繊細で、美しく、しみじみと、やさしい。そして、思索的。
    絶品。
    ここまでくると、マンガというより文学作品、いや、アート。
    マンガのひとつの到達点かもね。マンガを読む人は、必ず読みましょう。

    とはいうものの、どうやら(当然のように)絶版です。
    ウワサによると作者は行方不明とか。好きな漫画家なんだけどなあ。

    『星の時計のLiddell』(全3冊だったかな・集英社)もすごい。文学度ではこちらの方が上。草くんと、ねこも、ちょっぴりゲスト出演していたと思う。やはり、絶版のようです。こんなのを書いてしまったから、作者はもう漫画界にいないのかもしれませんね。やるべきことはすべてやった、と。
    でも今回は、『草迷宮・草空間』の方が好みなので、こちらを選びました。

    ウチにあるけど、読んだのはかなり昔なので、内容は確実ではないかも。

  • 2008/10/19読了→記事編集。
    タイトルは「そうめいきゅう・そうくうかん」で、
    泉鏡花の『草迷宮』とは関係なし。
    草(そう)という名の内省的な男子大学生が
    奇妙な拾い物をしたことから、日常がファンタジー世界と化す、
    そんな物語。
    ほんわかした作品ですけど、
    作者ご自身があとがきに記しておられるとおり、
    よく考えたら結構怖いお話なのですな。
    一番「?」なのは、
    かなりの異常事態を主人公が割とすんなり受け入れてしまうこと
    ……かも。

  • 知る人ぞ知る内田善美の作品。
    ちょっとローゼンメイデンの先駆みたいな感じ(笑)
    鏡花はくさ迷宮で、こっちはそう迷宮。内容は関係なし。

  • クライマックスのシーンで、改めて作者の画力の高さに圧倒されます。

  • 2009/10/20再読

  • 再販を切に願います。

全25件中 1 - 10件を表示

内田善美の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×