しくじらない飲み方 酒に逃げずに生きるには

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 89
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087880335

作品紹介・あらすじ

あなたの飲み方、大丈夫? 最も身近な死に至る病「アルコール依存症」の知識をアップデートし、もうお酒でしくじらない自分になる。

感想・レビュー・書評

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  • 断酒をつづけるモチベーションを保つべく、関連書籍を時々読んでいる。本書は、最近読んだうちのベスト。

    「断酒したいので、背中を押してくれるような本はないかな」と思っている人にはイチオシだ。

    アルコール依存症の治療で有名な「大森榎本クリニック」で精神保健福祉部長を務める著者が、豊富な経験をふまえて綴った本。

    アルコール依存症の最前線が手際よく概観できるし、仰天エピソードの連打で読み物としても面白い(「面白い」と言ったら不謹慎かもしれないが)。

    業界のホットな話題「ストロングゼロ問題」についての記述も、随所にある。たとえば――。

    《ここ数年で患者さんが飲むお酒の種類が変わってきた印象があります。患者さんの家に訪問に行くと、ストロング系のお酒がとにかく多い》106ページ

    昔と大きく違うのは、「仕事にも就かず、昼間からカップ酒を片手に泥酔して暴れたり、路上で眠りこけている人」だけの問題ではなくなっている点。

    昔ながらの「アル中イメージ」が刷り込まれているから、仕事ができているうちは「俺はアル中ではない」と思えてしまう。そのこと自体が危険なのだと、著者は言う。

    プレアルコホリック(アルコール依存症予備軍)の増加、女性や若年層のアルコール問題の深刻化、高齢者の飲酒問題など、いまや「普通の人」が主役になりつつあるのだ、と……。

    《全国に1000万人以上いるとされている多量飲酒者、いわゆるプレアルコホリックのメインとなる層は、どんなに酒を飲んでいても朝になればきちんとネクタイを締めて出社するサラリーマン、「ネクタイアル中」と呼ばれる人たちです》181ページ

    とくに、高齢者のアルコール問題の深刻さにぞっとさせられる。たとえば、次のような一節がある。

    《以前、アルコール依存症と知りながら「酒を飲ませておいたほうが静かだから」という理由で好きなだけ飲ませて、失禁した状態でも放置していた家族がいました。これは合法的な殺人行為だと怖くなったことを覚えています。高齢者虐待のケースとして介入した時点では、本人は低栄養と脱水でやせ細り、命の危険を感じる状態でした。その隣で、家族は普通に日常を過ごしていたのです》23~24ページ

    また、次のようなデータもちりばめられている。

    《毎日20g以上の純アルコールを摂取してきた中年男性は、老後の物忘れの進行が最大で6年早まるという研究結果が、2014年、米国神経学会の学会誌『ニューロロジー』に発表されました》34ページ

    「20g以上の純アルコール」といってもピンとこないだろうが、これはストロングゼロ500ml缶(純アルコール量36g)を1本飲めば超えてしまう量だ。

    また、「男性学」の研究者・田中俊之(大正大学准教授)と著者の対談による第6章「『男らしさ』と飲酒文化の深い関係」は読み応えがあり、独立した価値を持つ。

    吾妻ひでおの『失踪日記2 アル中病棟』のワンカットを用いたカバーデザインもいい。

  • 新しい話があるわけではないが、減酒から入るのもあるんだとか、割と最近のメインストリームがバランスよく入っていて、よかった。

  • 高齢男性への虐待(アルコール依存症を放置して死に至らせる)、怖い。
    男性学の田中さんと、男尊女卑社会における、アルコールの役割について、対談してらっしゃる。

    面前DVを経験して育った子供は、脳の舌状回が萎縮する。p78

    100人新しいAAメンバーが来ても、1年後に残るのは3人くらいです。p170

  • 酒飲みは知っておくべき知識

  • 読みやすかった。

    男性学ってのが気になる。確かに男らしくで調子に乗ってしまうことがあるなあ。

    今の自分は、コネクションを切り出してる。お茶でも続くコネクションを…

  • 【P81】アルコール問題の進行 5段階
    1.初飲
    2.常飲(機会飲酒→習慣飲酒)
    3.問題飲酒(記憶・経済的・身体的・人間関係の損失)
    4.飲酒パターンの変化(離脱症状・薬物探索行動)
    5.連続飲酒

  • ふむ

  • 飲み方を変えてみようかな。

  • 断酒だけでなく、減酒でも取り組めるとの希望もあり。減らし方の参考も。

  • あまり新味はなかった。
    とりあえず、アルコール依存症にならない
    ように気をつけよう。

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著者プロフィール

精神保健福祉士・社会福祉士。大船榎本クリニック精神保健福祉部長。1979年生まれ。大学卒業後、アジア最大規模と言われる依存症回復施設の榎本クリニックでソーシャルワーカーとして、アルコール依存症をはじめギャンブル・薬物・性犯罪・DV・窃盗症などさまざまな依存症問題に携わる。専門は加害者臨床で、現在までに2500人以上の性犯罪者の治療に関わる。主な著書に『男が痴漢になる理由』『万引き依存症』(ともにイースト・プレス)、『盗撮をやめられない男たち』(扶桑社)、『「小児性愛」という病——それは、愛ではない』(ブックマン社)、『しくじらない飲み方 酒に逃げずに生きるには』(集英社)、『セックス依存症』(幻冬舎新書)、監修に漫画『セックス依存症になりました。』(津島隆太・作、集英社)などがある。

「2023年 『男尊女卑依存症社会』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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