ハチミツとクローバー 4 (クイーンズコミックス)

著者 :
  • 集英社 (2003年2月19日発売)
3.68
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784088651118

感想・レビュー・書評

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  • 竹本くんがカオルに言われてぐるぐる考えていた
    「帰って来て欲しい? 欲しくない?」という言葉を
    はぐちゃんにぶつけたら、
    「欲しくない。やりたい事全部やってみれるまで
    がんばるのがいいと思う」
    という答えが返ってくる。
    同じ才溢れるクリエイターとしての強い答えではっとさせられる。

    はぐちゃんの話をしながら花盆を作るあゆと真山の
    鈍感、いいじゃんカンは、というやり取りが可愛い。
    花器やカーテンまで自分たちで作るのは、
    大変そうだけれど確かに楽しそうでもある。
    バイト代が現物支給なら真山希望、と言えないあゆがまた可愛い。

    教授伝いに、森田さんがはぐちゃんのことを
    「あんなデカいもの作るヤツなんて自分以外で初めて見た」
    と言って気にかけていたと聞くのはなんだかしんみりする。
    それを聞いてキャンバスに向かうはぐちゃん。
    事情を知らなくても、その背中を見て森田さんを思い出す竹本くん。
    恋愛だけでなく才能の壁も立ちはだかっている感じでやるせない。

    先生と真山が中々良いコンビで好き。
    寒いギャグで引いている理花さんに冷たい目で見られて
    マイナスイオンで生き返ると言っている辺りまで含めて
    ダメなおじさんである。笑
    2人で成長していく選択肢が取れない、真山の若さ。
    前世人間だった犬と前世も犬だった犬という話は、あゆと同じ様にインパクトが残ってしまって、
    自分もよその犬を見るとつい思い出してしまう。
    理花さんの旦那さんが事故で亡くなったことを知らず
    軽い気持ちで言ってしまって、でもそんなの哀しいから
    「ウソ」と言う真山だけれど、
    理花は哀しいよりもポジティブに捉えている感じなのがなんだか良い。

    同じ桜を見てたのにはぐちゃんの目で見ると
    桜ってこう見えるのね
    というあゆの台詞が印象的。

    真山マスターの先生が「ムリして来なくて大丈夫こっちは楽しくやってるから」と言って
    焦らせて真山を来させるのは笑ってしまうが
    あゆの消せない恋心は見ていて切ない。

    浴衣を着ている時補正や和装ブラがロマンチックじゃないというあゆに、
    アキコおばさんが脱ぐ予定があるの⁉︎ごめんなさい気が利かなくて!と言ってくるところが砕けていて大好きだ。流石歴戦の勇者。

    似合っているか不安でなんどもはぐちゃんに確認してしまうあゆが可愛くて抱きしめたくなる。

    浴衣姿を見て第一声で「すごい可愛い」と言ってくれる竹本くんは実はかなり優等生だと思うし、
    なんだかんだで真山も「似合うな」と言えてしまうところが
    気遣いのできる男だ。
    だからこそあゆが切ない立場に追い込まれるとも言える。
    そのたった一言が聞きたくて一生懸命準備をして
    もしかしたら少しでも自分のことを好きになってくれないだろうかと夢見てしまう。

    シソが折れたから千切るようにお母さんに言われて
    あゆは可哀想で千切れなかった。
    そのせいで数日後重みに耐えられなくなった。
    区切りをつけるしかなかった、なのに迷ってしまう
    自分に重ねるあゆ。
    迷っている気持ちをシソに重ねてくる羽海野先生のセンスよ。
    花火のことを小さな夏を燃やしているという表現も好きだ。

    長谷川先輩のエピソードが何気に好きで、
    就職が決まらなくて落ち込んだけれど
    実家をつぐと決めて切り替えるのが凄い。
    自分の夢を捨てるのではなくて、製麺所を継ぎつつも
    お店も出して、器を手作りにすることで
    ”四代目の手作りの器でいただく”という
    セールスポイントを増やして全国に通販可というのは
    本当に頑張っていると思う。

    事務所のわんちゃん、リーダーが大好きだ。
    美和子さんとの会話が特に好き。
    描き文字で書かれるリーダーの台詞がいちいち可愛い。

    会社な分裂するかもという匂わせからさらっと原田デザインの話しに移行する展開が美しい。
    生きていた頃の原田さんを知らない真山のなんとも言えない空気感の表現も秀逸だ。
    野宮さんが笑顔でゴリ押せるようになっているのはちょっと怖い。笑
    理花さんが絶滅危惧種扱いなのも面白い。日本狼と一緒なのはすごくしっくりくる。

    お祭りのエピソードが可愛くて切なくて。
    花本先生が言っている
    「お前が山田が大事で可愛くてああやってぬいぐるみとかとってやりたいのもわかるが
    これからずっと毎年 一生全部の祭りで一緒にいてやれないんだったら
    やっぱりお前には何も口出しするる権利はないんだよ」
    が本当に正しくて哀しくなる。

    山田さんのカレーの感想がしみます、わきあがります、想像をこえてますなのが何度読んでも笑える。
    真山が忘れていったコートをつい着てしまうの姿、胸がきゅっとなる。
    野宮さん、真山のコートだと気づいていたのに
    「もう着てんじゃん」と言った割に結局指摘しちゃうの本当に意地悪だ。
    長野まで連れて行くのも悪い意味で大人だなと思う。
    ただ、寝てしまうあゆもあゆではある。

    リカさんを看病していて、真山を原田さんだと勘違いするシーンは読んでいるだけで胸が潰れる思いだ。
    リカさんは当然のことながら、真山もどうしようもなくなるだろう。
    これは恋に落ちても仕方ないと思う。

  • (2022-03-22L)

  • 山田さんが切ないー

  • 「森田さんに帰って来て欲しい?欲しくない?」
    竹本がはぐへぶつけた問いの答えが好き。
    「帰って来て欲しくない やりたい事 全部やってみれるまでがんばるのがいいと思う」
    相手を尊重してるからこその力強い言葉だよね。

    羽海野先生はあくまで人は孤独であるって部分を大切にしてるように感じる(3月のライオンでも)。自他の境界をしっかり引いてるというか。自分の意志を決めて歩いていくのは自分次第だと。でもだからこそ、相手の意志を尊重できたり、相手のやさしさを尊ぶことができるのかなと思った。

    「ずっと一緒にいたいのなら彼女の事 かついで歩ける位の人間にならないとダメなんだって」
    真山の気負い。理花はこんなこと望んではいないだろうなと思ってしまう。
    山田のシソと夏祭りの話も切ない。真山も同じなのかもね。自分の心を折るのは相手ではなく、自分の重さだったりするよね。

  • 忙しい日々を送る真山、しかし、理花への想いは強くなるばかり…。そんな真山の想いを感じながらも、依然、彼を諦めきれない山田。3人の関係は…!? 大ヒットシリーズ第4巻。(Amazon紹介より)

  • なんか全体に話落ち着いてて今巻いいなと思ったら、森田がいなくてはぐが創作に集中してるからか笑。ホイップちゃんにキスしたり真山のコートを着てにんまりする山田さんにはさすがに心痛みますね…

    僕は理花さんファンなので、理花さんたっぷり出てきてくれて嬉しい。男性には誰しもあると思うんですよ、こういう好きすぎてどうしようもないけれど全く手が届かなかった経験って。真山の言動は本当に良くわかる。そう考えると、羽海野チカさんはすごいなー

  • 好きは、好きだけではなくて
    大切という意味も、負けたくないという気持ちも
    含まれていて

    いくつもの風船みたいに揺れているから

    紐を手繰り寄せて
    隣の紐を握ったら
    もうそれは 違う感情になってしまう

    遠い
    こんなに近かったのに
    今はもう遠い

    叶わない
    それは前も思った
    でも それでも
    嫌なんだ だったらもう
    動き出すしかないじゃないか

    近づこうとする手と
    遠ざかろうとする足が

    交差して
    ちぐはぐなような
    すれ違い

    それはもう
    幸せと悲しみの間で揺れている

    握った手
    ならもう離さないで

    想いが伝わるまで

    自分の気持ちだよ
    伝えるための言葉だよ
    動くための体だよ

    生まれてきた意味とか
    そういう大げさなことなんかじゃなくて

    人を好きになるって そういうこと

    全部全部 ありがとう
    抱きしめて 持っていくよ

    苦しくても
    そうしたものすべてが
    きっと 自分を作るんだ

  • “忙しい日々を送る真山、しかし、理花への想いは強くなるばかり…。そんな真山の想いを感じながらも、依然、彼を諦めきれない山田。3人の関係は…!?大ヒットシリーズ第4巻。”―裏表紙より。

  • 個人的に大好きな藤原デザイン事務所の皆さんが登場する巻。山田さんは理花さんに勝ち目ないって分かりつつもあっさり真山の事を諦められないのが辛いところ。新しい人でも現れればいいんだけどね…。 

    感想記事→http://utsuyama27.com/hachikuro4/

  • はぐの成長と
    そして真山と山田の想いと
    野宮はこの後、どう動く

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著者プロフィール

東京都出身の漫画家。デビュー作品、 美術大学を舞台にした青春漫画『ハチミツとクローバー』が大ヒットとなり、アニメ化・映画化された。 2007年より『3月のライオン』の連載を開始。 同作はマンガ大賞や講談社漫画賞、手塚治虫文化賞などを受賞した。

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