- Amazon.co.jp ・マンガ (184ページ)
- / ISBN・EAN: 9784088653587
感想・レビュー・書評
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読み始めたら最後まで読むっきゃないよね!
はっ!!!!
もしかしてハチミツとクローバーってタイトル、この最終回のためだったの!?
今まで数えきれず読んできて今更気付くとは…我ながらトホホだなぁ。
でも大好き。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「うまく行かなかった恋に 意味はあるのかって 消えて行ってしまうものは 無かったものと同じなのかなって…」
竹本のこの疑問に答えが出た時のあのシーン。タイトルに加えて、彼が過ごしてきた5年間すべての伏線がここで回収されたようで鳥肌が立った。最後まで読んできてよかったと心から幸せになれたラストシーンだった。
「今度はお前さんがあの子を救ってやる番だ それは自分を生かすのと同じなんだよ」
丹下先生のこの言葉のあたたかさがしみる。
はぐが考えるずっと前から、花本先生はすでにたくさんのものを与えてもらっていた。そして、竹本が言っていたように、人生や恩は返したりあげたりするものではないんだよね。与えられるのではなく、自分で見つけて選んだものだからこそ意味がある。
「治らなくても何も残せなかったとしてもいいの わかったの 描きたいの これ以外の人生は 私にはないの」
はぐのこの言葉の真っ直ぐな強さ、透明さが好き。こんなに絶望的な状況でも、自分で選んだ道を行くということは幸せなものなんだと教えてくれる。
森田兄弟にも光が差した決着になってほっとした。はぐの「お兄さん見つかったら つかまえてちゃんと言うんだよ?」は「生きててくれればいい 一緒にいられればいい オレはもうそれだけでいい」にかかってるんだよね。ここまで見通すはぐの目はすごい。それだけ森田を見てきたんだね。
山田と野宮のシーンも心があたたかくなった。
「一緒にいよう ケンカしてもいいじゃない ちゃんと話をしよう?全部はそれからだ」
手をつないだ二人が愛らしい。
みんな自分のやりたいことを見つけ、道を選んだのがよかった。それが別れになったとしても。
それぞれの道で、ペダルを踏んでいく。
右左右左。ただ果てしなく。光に向かって。 -
季節のなかの自分の記憶を呼び覚ます。
桜並木を歩き、心もとない気持ちと新しい生活に期待をしながらくぐった校門、
下駄で痛くなった足をひきずりながら聞いた、夏祭りの夜の祭囃子の音。
金木犀の香りと、学園祭まえの夜の大学からもれる教室の灯り、
マフラーに顔をうずめながら自転車で通った通学路、
ああ自分にもこんな時があったような気がすると登場人物にシンクロし、せつなくなったりする。そんな描写が羽海野さんの漫画はピカイチだと思う。 -
最後に向けてうなぎ上りに好きになっていく漫画は初めてです。ラストで鳥肌が立ちました。ここで「ハチミツとクローバー」が出てくるのか!なんという伏線。羽海野先生は、このラストをイメージして描き始めたんですね。
「彼女の弱さが、全てが、僕に問いかけ続けた。あなたはだぁれ?って」
「オレはずっと考えてたんだ うまくいかなかった恋に意味はあるのかって 消えていってしまうものは無かったものと同じなのかって 今なら分かる 意味はある あったんだよここに」
恋愛や青春という題材を通して生きる意味を問う、素晴らしい漫画です。間を空けてから、また読みたいと思う。 -
はぐちゃん、あゆちゃん、真山、竹本、森田…みんながそれぞれに、居場所や、向かうべき道を探して前に進んでいけて良かったと思う。私は体は小さくても創作にかける器の大きいはぐちゃんと、派手さは無いけどコツコツ積み上げていく強さを持った竹本君が好きでした。最後のシーン泣けました。うまくいかなかった恋にも意味はある。いや、むしろ、うまくいかなかった恋の方が意味があったりするのかもしれないですね。大切な宝をもらえた気持ちになりました。
『 3月のライオン』の14巻がきっかけでこちらのハチクロを読み始めたのですが、なるほど、こうなって、ああなるのか…と、順序が逆でしたがあゆちゃんも真山君も幸せそうで良かったです。 -
読むまでは、はぐみちゃんと竹本君中心の話かと思い込んでいたけど、読んでみたら全く違っていて、どんな本も最後まで読まないとわからないものだなと改めて思った一冊。恋愛と人間の再生を描いた話。胸キュンでした。読んでよかった!(総評)
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ずっと、ひとりで絵を描いていたはぐちゃんが友情を知って、恋を知って、挫折を知って、大きく成長した最終巻。
彼女が一緒に生きることを選んだのが先生だったことには驚きましたが、真山の台詞でふに落ちました。
花本先生は、はぐちゃんの親でも友達でもなく、ましてや恋人でもない。ただただ温かく見守り、支える唯一無二のパートナー。彼にとってのはぐちゃんは、彼女そのものが四つ葉のクローバーのように、幸せを運んでくれる存在なのだと感じました。
森田さんは、はぐちゃんに勝るとも劣らない才能の持ち主で、彼もまた多くの人びとに求められる作品をこれからも創りだしていく気がします。
お互いを高め合う仲は、第三者の入る隙が無い。これが二人にとっての最高の結末だったのかもしれません。
そして、この物語のもう1人の主人公である竹本くん。はぐちゃんへの恋が、彼にもたらしたものはきっと、将来の夢だけではないのでしょう。
ラスト、自分は何者なのか、という考えに答えを見つける事が出来たようで、本当に良かったです。
楽しいだけじゃない、辛いだけじゃないキャンパスライフは、読んでいる私にもきっと、生きる強さを与えてくれました。
片想いを叶える事が出来なかったすべての人に。
2014/04/07