妖怪ハンター 六福神 (ヤングジャンプコミックス)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784088757193

感想・レビュー・書評

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  • 所収の六編のうち、稗田氏が出てくるのは奇しくも京極夏彦『鵼の碑』発売日に読んだ冒頭の「産女の来る夜」とラストの河童譚「淵の女」のみ。
    後はいずれも霊媒体質の渚ちゃんと実は稗田氏よりも頼りになる? ナイスガイ大島くんの大島渚コンビによる粟木町シリーズ。
    近辺図を見ると日本海側っぽい。
    モデルは島根辺り?
    漂着神エビスにまつわる「海より来るもの」。
    鏡写しの二島が舞台の「鏡島」。
    一人足りない宝船が不気味すぎる「六福神」。
    補陀落渡海がモチーフの「帰還」。
    最後のオチも含めて、やはり表題作が出色の出来。

    読んでいる途中で気づいたが、「六福神」だけは既読だった。
    他の単行本に収録されていたのか、はたまた掲載誌のウルトラジャンプを読んだのか。
    異様に頭が長いジュロウジン、その頭をちぎって喰うダイコク、テレビゲームに耽りっぱなしのホテイ、暇さえあれば媾ってばかりのビシャモンとベンザイ。
    大喜利のお題〈こんな七福神はイヤだ〉で出てきそうなヤバい面々。
    未登場のエビスをしっかり前々話と絡めてくるのもお見事。

  • 大島渚追悼の意味をこめて、渚と大島のコンビが活躍する「六福神」を読み直す。
    この「粟木町」シリーズは、、稗田礼二郎は手紙のみでしか登場しない異色作。海から流れてくる神、禍々しいもの、穢れ、死者などのものがたり。
    七福神の福禄寿と寿老人が同一である、というところから、七番目の神を取り込もうとする宝船のこんな話になるなんて、さすが諸星大二郎。fテレビゲームに耽るホテイというあいかわらす微妙なギャグも…。

    ここでない場所から来たモノたちの哀れ、ここでない場所のモノたちを利用する人間のみにくさ、そしてここでない場所へと帰そうとするやさしさ、は、諸星作品に共通するもの。
    同じ構造を持ちながらも、バリエーション豊かな民話を聞くワクワク感と一緒。

    • 深川夏眠さん
      妖怪ハンターの半分はやさしさで出来ています

      ――なんちゃって(笑)
      一見変人っぽい稗田先生が実は常識的な思考回路の持ち主で、
      たび...
      妖怪ハンターの半分はやさしさで出来ています

      ――なんちゃって(笑)
      一見変人っぽい稗田先生が実は常識的な思考回路の持ち主で、
      たびたび子供に親切にしているところなども凄く好きです。

      ところで、ちょっと脱線しますが、
      ラヴクラフトは創元推理文庫の全集1~5を読んだだけでして、
      周辺の関連書籍にも興味はあるんですが、どこから手を付けたものかと。
      『ラヴクラフトの遺産』辺りでも読んでおけばいいですかねぇ……?
      2013/04/23
    • chabu-daiさん
      ラブクラフトは、全集を飛び飛びといくつかのクトゥルフ系アンソロジーを読んだくらいです。
      どーもあの世界観に入りこめませんでした。元々の「わけ...
      ラブクラフトは、全集を飛び飛びといくつかのクトゥルフ系アンソロジーを読んだくらいです。
      どーもあの世界観に入りこめませんでした。元々の「わけがわからない恐怖」であったものが「体系付けられた恐怖」になるのがあわなかったんですね。
      2013/04/23
    • 深川夏眠さん
      派生作品が好きな人とそうでない人(当たり前ですが)両方いるわけですよね。
      オーガスト・ダーレスの働きにも賛否両論……云々とWikipedi...
      派生作品が好きな人とそうでない人(当たり前ですが)両方いるわけですよね。
      オーガスト・ダーレスの働きにも賛否両論……云々とWikipediaで読みました。
      私も、不定形のもにょもにょした気持ち悪さには形を与えず、
      もにょもにょと気持ち悪いまま放っておく方が好みかもしれません。
      うーん、どうしよう、特に読まなくてもいいかなぁ(笑)
      脱線、失礼いたしました。
      2013/04/24
  • 『海より来るもの』『鏡島』『六福神』『帰還』は粟木を舞台としていて、つまり潮・渚を中心としたお話。

    収録されているのは以下のエピソード。

    産女の来る夜
    海より来るもの
    鏡島
    六福神
    帰還
    淵の女

  • 諸星大二郎展@三鷹、に行ったせいで、諸星作品を絶賛再読中なのであって。

    自分のは2000年5刷りだが、初版は1998年だから2年で版を重ねていることになる。もともとのファンは新刊が出たらすぐ初版で買っているだろうから、おそらく新たなファンが買っているために重版しているのだろうと推測される。
    恐るべし、ダイジロウモロホシ。

    というわけで今作はジュリーに似ている稗田礼二郎先生(笑)が主人公なのは最初と最後の作品で、あとはいわゆる「稗田礼二郎の生徒たち」、大島くんと渚ちゃんの活躍が楽しめる。

    しかし、絵が下手とか言う人がいるがそういう問題ではなく、唯一無比の世界観。
    日野日出志さんと楳図かずおさん、丸尾末広さん花輪和一さんとともにインパクト大な稀有な作家だ。

  • 産女のくる夜
    海より来るもの
    鏡島
    六福神
    帰還
    淵の女

  • 諸星大二郎氏の作品『六福神―妖怪ハンター(1998)』を読了。


    お気に入り
    「産女の来る夜」と「六福神」と「淵の女」がお気に入りだなー。

  • 73/10000
    六福神:妖怪ハンター 諸星大二郎 を読む

  • 産女怖え~

  • 印象うすいなあ・・

  • 妖怪ハンター稗田礼次郎シリーズ第4弾。前回「うつぼ舟」で登場した少年少女(渚と大島)の話「海より来るもの」「鏡島」「六福神」「帰還」がお気に入り。

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著者プロフィール

1974年、「生物都市」で手塚賞入選。「週刊少年ジャンプ」で「妖怪ハンター」連載デビュー。民俗学、中国の古典、SF等を題材に、幅広い分野で活躍する漫画家。代表作に「暗黒神話」「マッドメン」「西遊妖猿伝」がある。その独創的な作風から、高い評価を受け、2000年に手塚治虫文化賞マンガ大賞、2014年に芸術選奨文部科学大臣賞、2018年に日本漫画家協会賞コミック部門大賞等、受賞歴は多い。ジャンルを越え、多くのクリエイターに影響を与えたとされる。

「2019年 『幻妖館にようこそ 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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