ゴールデンカムイ 31 (ヤングジャンプコミックス)

著者 :
  • 集英社
4.60
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本棚登録 : 1621
感想 : 108
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784088923703

作品紹介・あらすじ

相棒、未来、誇り、同胞、家族、祝福、弔い、武士道。冒険・歴史・文化・狩猟グルメホラー・GAG&LOVE! 全て生かした感情闇鍋ウエスタン
大団円の最終巻!!!!!!!

感想・レビュー・書評

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  • 怒涛の展開から大団円。
    どうして世の漫画賞は全て連載途中で賞を与えるのか?作品を正当に評価するのならば、最終回までを見ないと、その真のテーマは見えないのではないか?

    今こそ、この作品にマンガ大賞を、手塚治虫文化賞大賞を、このマンガが凄い!第一位を!!

    なんという物語だったのだろう!
    三つ巴、四つ巴、五つ巴のような、それを時々シャッフルするような「闘い」が、数ページ毎に様変わりしながら続いてゆく。そして最終的には、結局軍隊と世のはみ出し者たちとのガチな戦闘を、なんと3巻に渡ってノンストップで描いてゆく。こ、これをアニメにするのか?できるのか?

    当初、出てくる人物がみんな異様な、特別な人間に思えた。そいつらが殺し合うのだから、なんか他人事に思えていた。
    24人の脱獄囚たちの悲しい過去と共に、それを追うあらゆる登場人物たちの過去が全て明らかになってゆく。もはや他人事じゃない。彼らの課題は極めて現代的な課題だ。もちろん、多くはとんでもない殺人鬼だったりするから、途中退場をするけど、例えば金塊を使って南の国で王様になろうとした海賊・房太郎は、伝染病で14人家族全員死んだので「死にきれないほど沢山の大家族がほしい」「俺の生きた証をみんな忘れないようにして欲しい」という夢を持っていた。彼の夢はある人物が最後の最後で引き継ぎ、そしてそれがある経緯で「北海道」自体を「救う」ことにもなる。「生きた証が欲しい」という男の夢は、それが叶い難い現代だからこそ、ますます切実になっているのかもしれない。それを漫画的に見事に昇華していた。

    登場人物たちの人生に、みんな一応の決着がつく。鶴見中尉の真の目的もやっと明らかになる。アシリパがその間に大きく成長し、不死身の杉元と真の相棒になる。
    「ゴールデンカムイ」は金塊のことでもあり、また台詞にはないけど、光り輝く「アイヌの夢」でもあるだろう。現代、アシリパの夢が叶ったかのように描いているのは間違いかもしれない。いや、彼らは歴史の中で、やるべきことをやれるだけやったのだ。と見るべきだろう。

    因みに、前回「カムイ伝」云々と書いたけど、この21世紀の作家は全然意識していなかったと思う。そもそも北海道独立計画を描いた作家は割と多い。すぐ思いつくだけでも北方謙三「林蔵の貌」、本宮ひろ志「男一匹ガキ大将」。その中で野田サトルだけが、大団円まで持っていった。思うに凄いことだ。

    アイヌたちの知恵は、戦争の危機と環境の危機が叫ばれている現代だからこそ、私たちが新たに引き継いでいかねばならない。

  • 少し謎を残しつつの大団円。
    アイヌ文化を知れるのは良かったです。
    基本的に変態ワールドですが、真面目なところは真面目。
    面白い作品でした。
    キャラクターが濃い!!
    背表紙のアイヌの衣装説明も毎巻楽しみでした。
    カント オロワ ヤク サク ノ アランケプ シネプ カ イサム

  • 終わっちゃった。゚(゚´Д`゚)゚。
    土方歳三カッコ良すぎ!
    牛山に泣けた‼︎

    また一巻から読み直しだ‼︎

    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      おはようございます。みんみんさん

      今朝もまた、みんみんさんのコメントみて、笑いました~。流石です!!
      それで、みんみんさんの本だなで、探し...
      おはようございます。みんみんさん

      今朝もまた、みんみんさんのコメントみて、笑いました~。流石です!!
      それで、みんみんさんの本だなで、探しに来たのです。うっかりしていて気がつかなかった、みんみんさんの
      オスマン帝国の本のレビュ-、
      (違った、)私の美しい庭!!
      それで、 えーっ てなりました。
      流石です(2度目!!)ほんとに愉快ですねえ。いつも楽しませて下さり感謝です。
      ゴールデンカムイ、長いコミックなので、読めないと思いますが、少しずつ挑戦してみたいと思ってます。これからもどうぞよろしくお願いしま-す(^ー^)

      2022/09/30
    • みんみんさん
      チーニャさん♪
      わたくし凪良マニアなんで内容そっちのけで熱く語りますが大丈夫でしょうか笑
      ゴールデンカムイもアニメ始まります!
      スパイファミ...
      チーニャさん♪
      わたくし凪良マニアなんで内容そっちのけで熱く語りますが大丈夫でしょうか笑
      ゴールデンカムイもアニメ始まります!
      スパイファミリーも楽しみです\(//∇//)\
      こちらこそよろしくお願いします(`_´)ゞ
      2022/09/30
    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      みんみんさん~!コメントありがとうございます(^o^)
      凪良マニアなんですね。きっと作品も、たくさん読んでいると思ってましたよ。とにかく読書...
      みんみんさん~!コメントありがとうございます(^o^)
      凪良マニアなんですね。きっと作品も、たくさん読んでいると思ってましたよ。とにかく読書量にしてもいろいろと、凄いですネ。尊敬します。
      えっ、ゴールデンカムイのアニメ、始まるんですね。凄くみてみたいです。いつもありがとうございます、楽しいです(^^)
      2022/09/30
  • 終わってしまいました。
    激しい戦いでした。
    牛山が強すぎ、そしてカッコいい。
    アリシパちゃんはどんな大人になるのだろうか。

  • 1ページたりとも見逃せない怒涛の最終巻!猛者たちが命を懸けた火花を散らし、地獄行き暴走列車は終着駅まで駆け抜けるッ!連載時からの加筆がすごくて圧巻だった!

    「どうだ強いだろ?」
    「歴史のズレを正せるかね?」
    牛山と土方の言葉に痺れる。出てくるやつらがみんなカッコよすぎる!強いだけじゃない。美しい刀のように研ぎ澄まされた生き様に見惚れてしまう。牛山の完璧は紛れもなく「いま」だった。ここへと至るために道を歩んできたかと感じさせる。完璧という終着に辿り着いたからこそ、正座をして前のめりに倒れたのだろうか。歩みを止めた姿すら美しい。

    土方と鯉登の死闘も素晴らしかった。元新撰組の二人に鍛えあげられた鯉登という刀。自分には背負う者たちがいる。彼らを守るために振り下ろす刀。刀が折れたとしても心は折れない。ひたすら真っ直ぐに振り下ろし続ける覚悟が歴史を正していくのだ。地獄に腰までつかった月島を救えるのはこの男しかいなかった。土方の幕末演出も鳥肌が立つ。体は老いても、心はいつまでも若き狼だった。永倉に告げたあの言葉で泣いたわ。穏やかな表情にすべて込められている。戦場に訪れた凪をただ噛み締めた。

    不器用で破滅的な試し行動でしか愛を確認できなかった尾形。自分が殺した勇作をアシリパに重ね合わせた瞬間から、終わりは始まっていた。家族の中で屈託なく愛してくれた唯一の存在・勇作。アシリパも同じように尾形へと愛を向けたのは、なんと皮肉な運命か!そのすべてが、最強の狙撃手である尾形が真に倒すべき相手へと引き金を引かせた。彼は狙った獲物は逃さない──。今まで殺してきた相手と同じ道を辿る演出は、野田サトルのメンタル鬼神かよ!ってなった。

    アシリパの漆黒の意思。尾形と同じ黒い瞳となり、杉元の瞳が晴れていくのが印象的。ここでやっと二人は相棒となれたのだ。鶴見とのラストバトル!最後に愛した者を見送ったやさしい表情からの死神の顔。最後の最後で鶴見の恨みと本音が解放される。死神と不死身の戦い。命というロウソクの炎をかじり合うすさまじさ。終着駅へと突き進んだ列車は、すべてを飲み込む海へと落ちる。

    エピローグも加筆されていてさらに意味深くなったと思う。嘘でしか愛を確かめられなくなった男は、どういう思いで北海道を守ったのだろう。それはまた別のお話。
    野田サトル先生、最高という言葉では収まりきらないとんでもない物語をありがとうございました!

  • 56冊目『ゴールデンカムイ 31』(野田サトル 著、2022年7月、集英社)
    激情の闇鍋ウエスタン、堂々の完結。
    クライマックスの最後の最後まで、息をつく暇もないほどのハイテンションな展開に骨の髄まで痺れた。
    著者の全身全霊が込められた、紛れもない傑作。
    野田サトル先生、ありがとうございました!

    「故郷へ帰ろう アシリパさん」

  • 野田サトル先生、奥様、アシスタント様、担当様、中川先生、ほか、多くの関係者の皆様、ありがとうございますッ‼︎
    改めて、感無量です。

    北海道での展覧会とアニメも楽しみです。

  • 尾形が機関士を無理やり車外へ追い出し、暴走列車と化して一同に会した函館駅行きの汽車がエゾシカを轢いていくシーンで始まる最終巻。エゾシカよ…急で気の毒だが、成仏しておくれ。
    ここから、車内の通路で繰り広げられる死闘は息を飲むばかり。これまでハラハラしながらも生き残ってきた人達が命を落とすのを見るのは辛くても結末まで読めてしまう。展開に無駄なシーンが無いからだ。
    それぞれの迎える死が熱く。
    特に土方歳三と尾形、牛山氏が見る死に際の回想あるいは走馬灯も沁みてくる。
    大団円は気持ちいい。生き残ってくれた誰も彼も、ここまで乗り越えてきた事を踏まえて選んだ答えだからこそ、尊い。
    巻末の短編は最近ドキュメンタリーで見たマッカーサーのエピソード。この考察もありでは?と思った。
    最後に私信で恐縮ですが、このゴールデンカムイを是非読んで欲しいと全巻貸してくれたTさんに心から感謝。
    ゴールデンカムイには沢山の感動を頂きました。

  • 【あらすじ】
    相棒、未来、誇り、同胞、家族、祝福、弔い、武士道。冒険・歴史・文化・狩猟グルメホラー・GAG&LOVE! 全て生かした感情闇鍋ウエスタン
    大団円の最終巻!!!!!!!

    ・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

    …終わってしまったぁー!!いやー、すごいものを読んだ!バトル・歴史・知識・ギャグ・芸術・社会問題…あらゆる要素を混ぜ込んだにも関わらず、よくぞ物語を無駄なく綺麗にまとめてくれた!感激です!特にラスト3巻のスピード感が圧巻です!
    新刊が出る都度読んでいたので、今度は全巻まとめてぶっ通しで楽しみたいです。

  • 当たり前に当たり前だった。
    わかってたことだけど何回も何回も泣いちゃった。
    みーんな一緒にバカやっていたかった。。
    根っこがまともでその匙加減が絶妙で、大好きでした。

    シライシのやつ、応募しちゃった!

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