- Amazon.co.jp ・マンガ (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784088925158
感想・レビュー・書評
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「新型コロナウイルスと心」編を完全収録。新型コロナウイルスが持つ「3つの顔」とは何か。パンデミックがもたらした心の問題。患者のドラマに加えて、災害の中にある精神医療の現状と在り方を問う一作。
新型コロナウイルスが持つ「3つの顔」──「感染症」「不安・恐怖」「偏見・差別」というテーマを主軸に、患者と病気はもちろん、精神医療従事者の働き方やメンタルについても深掘りされる。様々な角度でコロナ禍での精神医療を客観視できるのが新鮮だった。ぼくはコロナという内科的な病態やそこにまつわる不安は持っていたけど、精神疾患を持つ新型コロナ患者への対応の難しさや偏見の問題は見落としていたのでとても勉強になった。
弱井先生がしたように、常に「外」からサポートしてくれる第三者がどんな人にも必要なんだなって感じた。だからこそ、マスコミの報道の在り方というのは鍵になるはず。不安をただ煽ったり、コロナという災害のことを誰かのせいにして人々を分断するんじゃなく、偏見や差別を抑制し、希望を集められるような報道に期待したい。現場で命懸けで働いてる人たちが背中から撃たれるような社会は悲しい。
強迫症の患者回は、ぼくの不安障害とも通じる内容で読めてよかった。不安障害も強迫症みたいに不安のループが止まらなくなる病気。
「強迫症の恐怖は立ち向かって戦うのではなく認めて放置が鉄則です」
「不安を感じる状況から距離を置くことは自力でできるメンタルケアの第一歩ですよ」
「『メリハリのある暮らしを送っている』と脳に信じ込ますことができれば心をリフレッシュしやすくなります」
最後の生活習慣は実例を挙げて解説されているのでわかりやすい。オンオフを切り替える行動、そこにマインドフルネスも組み込めばさらに効果が出そう。
「今日は『できなかった日』じゃない 『できた日』です」
「『あと1回だけ』『あと1人だけ』誰かに手を伸ばしてみてください」
この弱井先生の言葉は心に繋ぎ止めておきたい。この巻だけでも多くの人に読んでいただきたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
そうですね。分かっているつもりだけど実際には忘れてしまっていることに気づかせて貰えた巻でした。
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今あるエネルギーをこれ以上自分を責めることに使うのはやめましょう。
「あと1回だけ」「あと1人だけ」誰かに手を伸ばしてみてください。
大切なのは不安を持つ自分を受け入れる、開き直ることです。
不安を感じる状況から距離を置くことは自力でできるメンタルケアの第一歩です。
日々の平凡な幸せは本当に小さな希望のかけらで彩られていたんです。今は少しだけ工夫して自分の力でそのかけらをまた集めなくてはいけないのかもしれません。そのために大切なのは、まず目の前のことから始めることです。心が疲れている今は自分を守るだけでいい。自分勝手でいい。
不安も恐怖もきっとまだまだやって来る。そのたび自分とゆっくり付き合いながら希望のかけらを探そう。 -
2階マンガコーナー : WWM075/NAN/9 : https://opac.lib.kagawa-u.ac.jp/opac/search?barcode=3410168945
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コロナ禍と心の話。患者さんもお医者さんもどの立場もそれぞれの苦しみがあって、これは今も終わっていなくて、こうやって丁寧に描いてくれるマンガがあることが本当にありがたいと思う。あらためて、医療関係者の皆様に感謝。
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493.7/ナ/9
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精神科病院内に臨時で新設されたコロナ病棟で働く医療従事者(主に看護師)のお話でした。
あまり知られていないかもしれないけれど、精神科に入院されている方がコロナになった場合、身体に深刻なダメージを受けても転院先がなく断られるケースも多いのです。
同じ「病院」であっても、精神科は重篤になった方の治療をすることはできません。呼吸器などの機器もないところが殆どでしょう。
そうしたコロナ情勢中で、作中の病院ではコロナ病棟を新設されたようですね。
ただ、そこで働く医療従事者はただでさえ慣れない身体ケアに疲弊しつつ、日ごろ患者さんとの関わりで大切にしている気持ちも封印しなくてはならなくなります。
読んでいて、自身の経験に重ねることが多く何度も胸が締め付けられました。
世の中の目線が向きづらいところを、あえて描いていただけたので、個人的には気持ちが救われた巻でした。 -
必ず読む
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『新型コロナウイルスと心』編!こういう時、心も守ることって大事なんだと感じた。強そうに見える人でも人間はどこか弱いところがあるんだね。