銀の匙 Silver Spoon (8) (少年サンデーコミックス)

著者 :
  • 小学館 (2013年7月11日発売)
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091243461

作品紹介・あらすじ

酪農青春グラフィティ アニメ放送開始!

なんだかんだキツイけど
酪農って楽しい!
農業って案外いいかもしれない!
そう思っていた…
でも、現実は素敵なことばかりじゃない。
苦しくて悔しくてどうにもならないこともある。
夢が散っていく瞬間を目の当たりにしたとき、
それでも強くありたい。
そう思えるだろうか…
7月よりアニメ放送開始の酪農青春グラフィティ!
右往左往する八軒の明日は、どっちだ!?


【編集担当からのおすすめ情報】
いよいよアニメが放送開始します!キャストもスタッフの皆さんが全開で繰り広げるエゾノーワールドは、原作ファンも大満足の出来になりそうです!本当に楽しみにしていてください!
…だから!原作は、もっともっと面白くなります!この巻も、八軒は青春の十字路で右往左往いたします。そして、アキと……必見です!!
さあ今年の夏は、エゾノーフェスティバルの開催です!

感想・レビュー・書評

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  • 学祭の余韻も過ぎて、秋から冬へと転回していきます。
    で、こう来ましたか、、正直重いです。

    夢を失ったもの、夢をあきらめなかったもの、
    そして、夢を見つけたもの、人それぞれです。

    そして、事業を続けるということは重いな、とも。
    北海道の冬は長くなりそうで、、次巻も楽しみです。

  • 酪農という仕事が肉体的にも採算的にもきついものであることはもちろん知っていたけれど…。 それが農業高校生の間で大きな借金を含め、ごく当たり前のこととして受け止められていることに感慨が深い。.


    「銀の匙」シリーズは、前作の「百姓貴族」同様、農家の常識、世間の非常識というスタンスのエピソードがとても新鮮だったり、ちょっと農業に近い者にはそうそう、そうなんだよ!と笑えたり、という面白さが主眼だと思う。

    だから、都会の進学校からやってきた主人公の八軒がいちいち驚くのが、そのまま読者の驚きで、荒川さん、巧いなぁ、と感じてました。


    ネタばれです。



    で、今回は、クラスメートの駒場の家が離農するという話はとても切ないのだけど、八軒以外の高校生たちが淡々と受け止め、また、自分たちの家もそれぞれ大きな借金を抱えていること、さらには実は彼の家の保証人になってる、なんて、これは現実にもあることなんだろうな、と思わせられた。


    駒場の家の牛たちが全て売られて、車に一頭、一頭、おとなしく乗り込んでいくところがたまらない。

    八軒が「肉になるかもしれないのに、みんな素直に乗ってくんだな」とつぶやき、
    それに対して、御影が
    「駒場さんのとこは、子牛のころから一頭一頭丁寧に面倒みてるから人間を信用しているんだよ」と。


    甲子園を目指して野球に打ち込んでいた駒場がとても好きだったから、なんとかならないのかなぁ、と8巻を読み終わった今でもしつこく希望を持っていたりするのだけど、どうなんだろうね、ホント、どうにかならないのかなぁ。


    また、チーズ作りをする際に、
    製造過程で科学的に納得できると俄然楽しくなる八軒。
    逆に、実習と思っていたから楽しかったのに勉強だと思うと急にイヤになる常盤。

    どちらの気持ちもわかるからこれは可笑しい。(#^.^#)

  • 8巻まで一気読み。話題になってる割には…と思いながら読み始めたものの、2巻冒頭のピザでグッと来て、豚丼で涙して、長い長い秋の間に離れられなくなりました。そして冬。八軒かっこいいぞ、ガンバレ。アニメ再放送してくれ。

  • 自分が生きるために、生き物を育て、殺す。
    殺すために、生き物を育てる。
    それが農業であり、農業のもたらす経済であると実感させる漫画。

    どんなに可愛らしい動物でも、家畜として経済性がなければ
    飼育する必要がなくなる。家畜は愛現用のペットではない。
    家畜が穀潰しでは意味がない。飼育にもコストがかかるからだ。

    そのために、農業にも、読み書きそろばんを軸として、
    経済や経営、科学や技術が必要になる。
    学問やノウハウがなければ、あるいはそれらを支える基盤がなければ
    農業を生業として続けられず、自分も家族も、路頭に迷うことになる。


    そんなことを、特に考えさせられる巻でした。
    家と農業、経営と労働、お金と生活、自分と進路…
    いろんな要素がしっかりと生きている。
    錬金術師のころから、著者の構想力はすごい!

  • 駒場の家が母子家庭って聞いた時点でこうなることはわかっていたが、これから八軒始めエゾノーのみんなもどうあがいて行くのか楽しみです。
    駒場家の双子ちゃんに元気になってもらいたい。

  • 何度も目頭が熱くなった…>_<…

  • 前巻で、駒場が負けて、、、この巻で酪農家の大変さが明らかになる。
    楽しい酪農生活!ってばかりのマンガではない。お金の話も出てきて、、、

  • 経営していくって難しいな

  • チーズを作るときは、前日から納豆を食べてはいけない。

  • チーズ作り。
    消費者目線で言えばチーズはお高いですが
    これだけ手間がかかっていると思えば
    安いなぁとも思います。

    来ない駒場君をみんなが心配しているのが優しいです。

    あやめちゃんが学食に居る時、
    ギャグシーンですが「食卓の上に足乗せんな罰当たりめ」
    と八軒君がちゃんと突っ込んでいるところが好き。

    遂に駒場牧場倒産のニュースをみんなが知ってしまいます。
    なんとかしたいけれど、借金を肩代わり出来るわけでもなく
    出来ることは本当に少ない。
    駒場君をなんとか引き留めようとする八軒君。
    でも駒場君の口から御影さんの家に保証人になってもらっているという事実を聞きます。
    野球も跡継ぎもなんにもなくなった。
    目標を見失った八軒君と同じ状態でもあります。

    離農なんて珍しくもない、その駒場君の言葉は
    確かに現実問題としてはそうです。
    でも、しょうがないとは言いたくない。
    アキちゃんに「巻き添え上等」と八軒君が叫ぶシーンは
    胸に来るものがあります。
    「わかろうとする努力はやめたくない」。

    野球部の先生と先輩が
    「ここやめた事、駒場に後悔させてやれ」
    と言っているシーンも泣けます。

    駒場牧場の牛が売られるところに立ち会う御影と八軒。
    飼い犬のバースが吠えて、業者の人も
    「オレらを牛泥棒だと思ってんだべ、いい番犬だ」
    と返すところが、細かいところではありますが
    切ない描写です。
    人間を信用していて素直に車に乗っていく牛たちの姿も悲しい。
    みんなで掃除をして、駒場牧場最後の牛乳を飲む。

    やっぱり駒場君の現状に自分を重ね合わせていた八軒君。
    アキちゃんはアキちゃんで、駒場君を見て思うところがあり。
    周りに悪気はないのですが、だからこそきつい
    当然跡取りになると思っているプレッシャー。
    それが重くて本音が言い出せないアキちゃん。
    「キツイだろうけど今を逃したらもう切り出せなくなるかも、
    なにがあっても味方してやる」
    この八軒君の言葉はすごく嬉しいです。
    実際味方として何が出来るわけでもないとしても
    その言葉だけで救ってくれることというのはあります。
    お父さんがきちんと話を聞いてくれる姿勢なのも
    本当に有り難い。
    大人たちが一致団結して反対してねじ伏せられることなんて
    いくらでもあるはずですから。

    条件として大学進学が出され、
    大蝦夷畜産大学が志望校として決まり、
    八軒君が家庭教師を買って出ることに。

    オレは農業しか知らんから学費を捻出してやるくらいしかしてやれない、
    夢が叶うにしろかなわないにしろ、おまえの本気を
    支えてくれる友達を裏切るようなマネだけはするな。
    厳しいようでいて優しいお父さんの言葉です。

    後でお母さんと二人になったとき、アキの本音を
    実は知っていたと語るとき、本人の前ではバイト
    としか言わないのに、お父さんがちゃんと八軒と
    名前を呼んでいるところが好きです。
    本音を言える友達が出来たんだね、というお母さんのコメントもじんわりします。

  • 友人との別れ、夢への挑戦。

    それぞれの道に進んでいく。夢と現実の狭間で。

    八軒よどこへゆく。心優しいが故に、断らない

    男が譲れない大事なものを見つけた。

    今までとは違って静かな1巻でした。

  • カニは儲かるらしい。
    美味しいもんね。
    でも先生達が言ってる方法はやばい。

    今回八軒くんがぶち当たるのは進路問題。
    他人が踏み込み難い借金諸々の家庭の事情。
    家業を継がずに個人の夢を目指すことに罪悪感を感じたり、諦めるしかなかったりする友人達を見て悩みます。
    それでも一緒に悩むことは出来ると言うのですが…。
    こういうのって難しい。
    踏み込み過ぎじゃないか?と何度も思った。
    でも、八軒くんの言葉に背中を押されて自分の夢に向かって走り出した御影さんの姿は眩しい。
    うまくいってほしい。

  • 銀の匙9巻が出る!と思ったら読み抜けていた8巻です。

     農業の現実的問題が題材にされていて、ただのマンガ的な「農業は楽し!」で済ませて無い所に、すごく好感が持てます。

    八軒君もどんどん逞しくなって行きますね。
    TPPの問題は、頭が痛いですがこのマンガがキッカケで、「農業」と言う第一次産業を本気で考える人が増えてくれたらうれしいです。
    (私、実家が稲作農家です。今もね。)

    所で、「銀の匙」の意味が文中で、ようやくわかりました。(苦笑)

  • ずいぶん前に買ったのに登録忘れていた^^;

    進路に悩みながらも楽しい農高ライフいいな♪
    と思っていたら、離農というとっても重い問題に正面から向き合うのに驚いた。
    普通に高校に行って、将来はプロ野球の選手になって家を継いで…
    そんな大きな夢と小さな幸せとを捨てなきゃならない現実。
    荒川先生は容赦ない。

    両親に、自分のやりたいことを告げるアキ、その隣で支える八軒。
    いつの間にかもうカップル感が出てきたなぁ(笑)
    八軒と結婚して代わりに継ぐとかいうベタな?展開かなーと思ったり。

  • 八軒のやりたいこと、というか。とりあえずの目標が見つかってよかったなあと感じた。
    なによりもとあるキャラの自主退学というのは、衝撃的。
    漫画がマンネリしない要素として大アリな展開で、今後とても楽しみ。

  • なんかわからんが感動的だった。

  • 前巻でいなくなった駒場の所在が明らかになりました。現実が重くのしかかりました。
    駒場の事情を知る前までは、「農家の子供は銀の匙をくわえて生まれてきた、食いっぱぐれがない」と話していた他の生徒達も、駒場の事情を知ってから、実家の借金を気にしたり、一気にリアルモードに・・・。
    八軒がうまい儲け話はないかと先生達に聞いて回って、経営の大変さというか・・・お金を得ることの大変さを知るのはすごく良かった。同時に読者である私達も、どれだけ大変かを知ることができた。
    その他、農家をたたむ時のこととか、アキの将来への決心とか、チーズの作り方とか盛りだくさんで、っすごく良かった!!!o(*^▽^*)o

  • 駒場くんちが…。アキは自分のやりたい事を親に伝える事ができたね。
    みんな高校生なんだよなー。どうしても自分の高校時代と比べてしまう。

  • もともと甘い物語ではなかったけど、一気に現実的に重く。
    駒場一家も御影一家もどの家も、そういう現実と戦ってんだ。
    読み進めるのがしんどかったけど、今後の展開はすごく気になる。
    チーズ作りの場面がすごく楽しそうで、その対比が印象的だった。

  • 駒場が表紙になってる訳が分かった。
    八軒いいね。

  • 厳しい農業経営の現実、駒場くんの選択に涙。
    一方で、困難ながらも夢に向かって歩き始めるアキちゃんの姿が力強い。
    応援する家族の暖かさにもジンとくる。
    八軒良かったな、がんばれww

  • ある意味、
    今の農業…酪農家の現実が垣間見えるような展開。

    やっぱ大規模農業、
    大規模経営、
    設備投資ってなると莫大なお金が掛かるのが現実。
    なんぼ土地が広いって言ったって先立つモノがないと…
    ゆるくないんだべなぁ~ってのがね(T▽T)

    今まで判らなかった農業の事とか八軒を通して伝わってくる。
    駒場牧場の現状…
    つらい現実もきっと八軒の成長に繋がるんだべね。
    これからも色々な経験、
    知らなかった世界を知って
    また八軒は一回りも二回りも大きくなるんだべなぁ!(b^ー°)

  • 漫画で教わる農業の現実・・・。

  • おもしろいので、追いかけているマンガのひとつ
    家族に借りてよんだ

    大蝦夷農業高校(通称エゾノー)を舞台としたおはなし
    農家の経営やチーズの製法の話が出てくる本巻では、夢を追いかける資格(意志)とは?ということも感じられる
    ところどころ笑える場所もあり、人気があるのにも納得だ

  • 激震の8巻。
    駒場、お前はこうなることがわかっていながら、エラーの雨竜さんに、すっきりした顔で感謝の言葉を送れるのか。
    なんて男だ。

    八軒に言わせると、そんなところも「大っ嫌い」ということになるんでしょうか。

    夢を追うこと。夢を持つこと。
    夢に向かって、努力することが大事。でも、努力の行き先が捻じ曲がって、夢を持つため、追うための努力が目的となってしまって、ひしゃげ折れた中学生の八軒。
    そのリハビリ、リセットで入学したエゾノーの生活で、自分の夢や可能性に、抑圧なく向き合える状況まであと少し。
    そんなところで出会ってしまった、夢の強制終了。

    本人の希望や実現する可能性。
    未来の可能性は無限。といっても、そこへ進むべき現在が確かでなければ、無惨なほど断ち切られる未来への道。

    八軒どうする?
    この現実突きつけられて、何を考え、どんな道を進むのか?

    今の答えは、目をそらさずに向き合うのみ。
    豚丼のときと一緒です。きっと八軒はいつでも、そうするんでしょう。
    最大の難関は、父親ですが。

    なにはともあれ、雨竜さんには、駒場を後悔させてやってほしいです。

  • チーズの加工の話と、農業の現実的な部分の話。
    皆カニ押しなところに笑う。
    けれど今回は今までと違い、農業は楽しいばかりじゃないというのがテーマ。
    まだ若い高校1年生の少年少女にのし掛かる現実と、胸に抱く夢の行き先。八軒のお人好しな性格と分かろうとする努力を貫く姿勢が際立っていた。
    それから、アキの言いかけた言葉が不意打ちでびっくり。これは期待していいよね?
    そしてアキの実家で、アキのためにあることを提案した時の家族の反応が様々で面白い。
    9巻は10月。

  • サラリーマン家庭では想像もできない農業の現実。
    それぞれが選択した道なんだろうけど、涙をこらえるのが大変だった。電車で読んじゃだめだ…。学生の時に読んでいたら、八軒と一緒に悩んじゃいそうだ。

  • 少年マンガにこれを描くのか!シビレた。友情・勇気は、バトルがなくても成立するんだ!

  • 流石だ。漫画だからと誤魔化さない。今の世の中、現実はこうなんだ。でもだからこそ八軒の言葉が重かった。覚悟を決めた八軒は最高にカッコ良かった。

  • 勉強が出来る出来ないって…
    結局その科目に興味があるか無いかで得意不得意が決まっちゃうんだよねぇ( ̄▽ ̄;)

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著者プロフィール

荒川 弘は1973年5月8日生まれ、北海道出身の漫画家。
代表作『鋼の錬金術師』(スクウェア・エニックス)、『獣神演武』(スクウェア・エニックス)、『百姓貴族』(新書館)。
1999年にエニックス21世紀マンガ大賞を受賞してデビュー。衛藤ヒロユキのアシスタントを経て独立。
大ヒット作『鋼の錬金術師』で、2004年第49回小学館漫画賞少年向け部門を受賞。
2011年19号より『銀の匙 Silver Spoon』で初の週刊連載開始。同作で2013年第58回小学館漫画賞少年向け部門を受賞。

荒川弘の作品

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