からくりサーカス 完全版 (12) (少年サンデーコミックススペシャル)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 27
感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091288882

作品紹介・あらすじ

伝説の熱血アクション超大作が今甦る!

テントに降り注ぐ闇色の血__


死闘で血に染まる自動人形の牙城「真夜中のサーカス」。

鳴海たち“しろがね”は、
フランシーヌ人形へと続く扉へ突入する!!

世紀を超える機械仕掛けの闘いに終止符を打てるのか!?

そして、最古のしろがね・ルシールにも、
因縁の舞台の幕が開く__



読む者を感動させ、そして熱くさせた藤田和日郎の傑作アクションが、待望の豪華完全版(ワイドなA5版)として刊行!

雑誌連載時のカラー原稿を完全収録!

11~12巻同時発売!

感想・レビュー・書評

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  • サハラでのしろがねと自動人形(オートマタ)の最終決戦編。まさに怒涛の展開が続き、ルシールが戦いに登場してからは目が離せない展開に。そして、単行本より大きいサイズならではの迫力も合わさって涙腺崩壊へ・・・。鳴海の行動によって、戸惑いながらも人間味を取り戻していくしろがね達の描写も素晴らしい。

  • からくりサーカス完全版第12巻。
    12巻は、4つの道の突破、フェイスレスの最期、フランシーヌ人形との対峙、Au revoirルシール、まで。

    12巻で一番好きなセリフは「ああ…教えてやりたいねぇ、ミンシア」から始まるルシールのセリフです。彼女の遺言。

    まだまだ教えてもらいたいことがたくさんあるというミンシアに対して、コロッケの作り方かい?パッチワークかい?と聞き返すルシール。最期の時を迎えるにあたり、復讐を果たした満足感と朦朧とした意識の下で語ります。
    ミンシアの教えてもらいたいことは、それではなく本物の人生の生き方について。そして、ルシールの教えたかったことも、ミンシアを通じてアンジェリーナへ向けてです。

    人は誰でも、まっさらな紙とクレヨンを与えられて、好きなように絵を描いていいといわれるけど、描きたいものが決まった時には時間切れで取り上げられてしまう。
    人生をそういうルシール。
    ただ「しろがね」たちは、描きたいものを描くという自由すら奪われてしまった。自分で選んだこととはいえ、後悔がないわけもなく、少しの抵抗として紙の「端」を黒く塗りつぶしていたルシール。この「しろがね」の人生が終わった時に、余白が少しでもあるようにと。
    無情にも、かすかな抵抗は意味をなさず、真っ黒に塗りつぶされてしまった彼女の人生。その最終盤でミンシアと出会えたことは黒一色ではなかったんじゃないでしょうか。

    黒く塗りつぶした下には、それまでのフランスの片田舎で描いた素朴な色の絵が隠れている。ミンシアが黒いクレヨンをこそぎ取れば、その下からかつての色彩が現れる。
    ルシールとミンシア。二人にはそう思わせる絆が生まれていたと思います。

    その上から新たに降りかかる赤。全てを覆い尽くす赤。

    それが「しろがね」として歩んできた彼女の人生。

    連載時には「Au revoirルシール」の掲載後、サンデーの作家さんから花束のFAXが届いたそうで。粋なことをするものです。

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著者プロフィール

北海道旭川市出身。1964年生まれ。88年、『連絡船奇譚』(少年サンデー増刊号)でデビュー。少年サンデーに連載された『うしおととら』で91年に第37回小学館漫画賞、77年に第28回星雲賞コミック部門賞受賞。ダイナミックかつスピーディー、個性的ながらエンターテインメントに徹したその作風で、幅広い読者を魅了し続けている。他の代表作に『からくりサーカス』(少年サンデー)がある。

「2007年 『黒博物館 スプリンガルド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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