藤子・F・不二雄大全集 中年スーパーマン左江内氏/未来の想い出

  • 小学館
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (429ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091434852

作品紹介・あらすじ

大人向け連載の2大傑作を豪華カップリング

さえない中年男がある日突然スーパーマンに!? 落ち目の熟年漫画家が若き日の自分にタイムスリップ!? 藤子・F・不二雄の作品群では他に例のない大人向けの連載作品「中年スーパーマン左江内氏」と「未来の想い出」を、ぜいたくに1冊にまとめてお届けします。『週刊漫画アクション』、『ビッグコミック』掲載作品。(解説/本多健治)

【編集担当からのおすすめ情報】
2色カラーページや各回の扉まで補完したパーフェクト版です。

感想・レビュー・書評

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  • 藤子・F・不二雄は子供の頃から読んでいるので、すごく読みやすく絵も物語も自然に入ってくる(^^)

  • 同じ40年でも重みが違うな

  • 色んなことを飲み込みながら生きていく中年の人生

  • テレビの方も多い見たくなる。

  • 定期購読

  • をっさん向けのスーパーマンもの。
     これは良い。
     あと『未来の想い出』ノスタルジーと言ふわけでもなく、をっさん向けにアレした、いい作品である。
     

  • 2015年5月1日読了。藤子F不二雄の大全集、成人男性向けSFマンガ2編を収録した豪華版。「平凡な一般人が突然スーパーマンの力を手にする」というストーリーはF氏自身のSF短編に度々登場するモチーフだし、「同じ日々を何度も繰り返す」という発想も多くのSF作品が取り上げているテーマだが、さえない中年サラリーマンが抱える悲哀のコミカルで執拗な描写や、漫画家の売れない日々・ライバルに追い抜かれる焦り・売れっ子になった途端の多忙ぶりなどのもぞっとするような描写をさらっと描けるところがこの人のすごいところだろう。「左江内氏」のラストは肩すかし感満載で面白いし、「未来の想い出」の鮮やかで余韻を残すラストは美しい。

  • パーやんの安定感がなんとも素晴らしい。
    もともと、完成したかっこいいキャラだったけれど、青年になっていっそう安定している。

    他のパーマンたちは、もう活躍してないと思うのですが、パーやんだけはがんばってそうな感じがします。

    「未来の想い出」は、題名がなんともいいですよねぇ。
    藤子・F・不二雄版の「バック・トゥ・ザ・フューチャー」。でも、それよりも今に続くループ物の原型みたいにも読めます。

  • 「未来の想い出」が傑作ですね。自分の人生を何度もやってやり直すというのは、今では斬新ではないけど、こういうのは好きです。ドラえもんとかオバQだけでなく、こういう漫画ももっといろいろ描いて欲しかったですね。一つのアイディアから物語を膨らませるという作家の素晴らしさを感じます。

  • ある日、スーパーマンを襲名することになってしまった万年係長の左江内(さえない)氏。
    その活躍を描く「中年スーパーマン左江内氏」
    一緒に収録されているのは、マンガ家を目指し、上京してからの約20年間を繰り返し生き続ける男を描いた「未来の想い出」

    「中年スーパーマン左江内氏」は、ある日、突然、スーパーマンになった、という点では「パーマン」を連想させる。
    が、この作品でスーパーマンになったのは、年下の上司がいる中年の万年係長。

    スーパーマンを襲名することになった理由も、次の3条件を満たす人物であったため。
    その条件とは
    1.最大公約数的常識家
    2.力を持っても大それた悪事のできぬ小心さ
    3.ちょっと見、パッとしない目立たなさ

    この条件は代々のスーパーマンが後継者を選ぶ際の条件として言い含められているらしい。

    左江内氏は、スーパーマンを継ぐという話を最初は(当然)断る。

    その時の先代スーパーマンのセリフがふるっている。
    「(スーパーマンとしての仕事は、会社の仕事との兼ね合いで)テキトーにやればいい」
    「スーパーマン一人がいくら頑張っても、この世の悪は根絶できっこない。
    カバーできる範囲はタカがしれているので、昼休みとかトイレのついでにちょこちょことやればいい」

    思わず力が抜けてしまうが、「この世の悪は(力で)根絶できる」と勘違いした某宗教団体や自称「世界のリーダー」の某国がしでかした事と比べると、はるかに柔軟な考え方とも言える。

    藤子・F・不二雄のスーパーマンネタの短編は
    「ウルトラスーパーデラックスマン」
    「わが子、スーパーマン」
    の2編がある。
    どちらもブラック・ユーモアの作品で、今にして思うと、両作品の主人公は「3条件」のどれかが欠けていた。

    左江内氏でさえ、一度だけイライラのはけ口にスーパーマンの力を使ってしまった事があった。
    しかも、その時、暴力の快感に酔ってさえいた。
    (すぐ我に返って反省したのが左江内氏らしいが)

    「大きすぎる力」は、人を狂わせてしまうのだろう。
    ・・・とすると、スーパーマンが後継者を選ぶ時の「3条件」の意味するところは、意外に奥が深いのかもしれない。

    ちなみに最終回で、左江内氏は自分のやっている事に疑問を持ち、悩んでしまう。
    が、それを救う特別ゲストとして「あの人」が登場する。

    「あの人」の
    「百人寄れば、百の正義がある」
    という一言に左江内氏はショックを受けるが、実際には、その通り。

    全体的に、オブラートに包んではいるが、チクッと皮肉の効いた作品、という印象を受けた。

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