なのはな (フラワーコミックススペシャル)

著者 :
  • 小学館 (2012年3月7日発売)
3.68
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本棚登録 : 641
感想 : 101
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (153ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091791351

感想・レビュー・書評

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  • 〈3.11〉に関する作品集。
    …とはいうのものの、あらゆる作品はフィクションでありエンターテイメントとしてしか読みつけないので、純粋にSFの一種として楽しめた放射性物質と人間の関係を描いている三部作がお気に入り。特にサロメの話が好き。

  • うーん、変にこどもにも読める教育マンガを意識してしまっているのか、微妙...

  • 久々に読んだ萩尾望都さんの作品。
    ちょっとストレートだけど、描かずにはいられなかったのだろうなと思う。
    サロメとヨカナーンの姿が自分の思っていたイメージに近かった。

  • プルトニウムやウランを擬人化して描いている。プルート夫人は魅力的で、集まった貴族は神だとあがめる。夫人は幸福になるため永遠のエネルギーを与えると約束するのだが、そのエネルギーには毒がある。しかも、その毒は10万年も消えない。その長い年月、人類は滅んでもプルート夫人は毒を吐き出し続けている。
    さいごに夫人は言う「愛しているのにみんな消えてしまったわ」。

  • 望都せんせ、感情に走りすぎましたな
    もう少し、物理の取材をしてから描かれれば良かったのに・・・間違い多すぎですっ!
    そしてそれを信じている人たちの多さ・・・ orz
    ああ、理系行っといて良かったと心から思いつつ、速攻で売り飛ばしました
    まさか望都せんせーの本を売っぱらう事になるとは思いもよらず・・・ orz

  • 今更のようだけど読んでみた。三年前の3月11日の、あの震災と原発事故の混乱の中で執筆されたという。あのときのショックと混沌のまま、ただその強烈な印象を萩尾望都節で詩的に描いた演劇的断片。

    原子力の擬人化、寸劇調の三部作をはさみこんだ、銀河鉄道の夜になぞらえた福島の家族の物語。

    乱暴であり、まとまりはない。無骨にタネアカシがありすぎる。ただその分なまなましく激しい感情がある。

    この擬人化された原子力と人類との関わりの猿芝居的な寸劇はしかしやはり詩的でシンプルで力強く印象的だ。このときでなければ描かれ得なかった、大切な作品であると思う。

  • 201402
    東日本大震災と原発事故に着想を得た漫画。
    「なのはな」の前後篇が、原子力に惹かれる人間の姿を擬人化した3話で挟む、というコンセプチュアルな作り。
    迫力があった。
    が、こんなに直接的な語り口を萩尾望都がしたのか、と思うと驚きも感じる。

    新装版を202107再読する。
    「なのはな」「プルート夫人」「雨の夜ーウラノス伯爵ー」「サロメ20××」「なのはなー幻想『銀河鉄道の夜』」「福島ドライヴ」を収録。
    前回はさらっと流してしまったが、かなり鬼気迫る作品群。
    プルトニウムを擬人化し、しかも惹かれる人間をも描くという、凄い。

  • 三部作の方は、私の知識のなさのせいか、読みこなせず。

    なのはなは泣きました。
    うまい感想は書けないけど、読んでよかった。

  • どこで読んだのだったか、"『なのはな』及び全ての作品を讃えて"と、萩尾望都がジェンダーSF研究会から生涯功労賞をうけた(※)というニュースをみて、マンガのリクエストをなぜか受け付けないというルールがある近所の図書館にあるか?と検索してみたら、あった。ので、借りてきて読んでみる。

    2011年3月11日の震災で起こった福島での原発事故。次々と建屋が爆発し、そのなかで政府も電力会社も「大丈夫」と言っている。萩尾望都は、「胸のザワザワが止まらず、といって誰に聞いていいか解らず、何も手がつかないまま」(p.156)だったという。

    キュリー夫人がラジウムを発見したところから始まる放射性物質の歴史を調べながら、萩尾望都は「人々がこの奇跡のような新しいエネルギーに魅了され、のめり込んで行く様子はハラハラします」(p.157)と書く。その力への欲望が、危険だと解っていても逃れられない呪縛のように思えて、ウランやプルトニウムを擬人化した三部作のアイデアが浮かんだのだという。

    夢のエネルギーとほめそやされた原子力。その平和利用が原発だという。だが、ひとたび放射性物質が拡散されれば、汚染で100年住めない土地も出てくるかもしれない。それでも何百万人の死者が出る戦争よりましなのではないかと、ウラノス伯爵(ウラン)は問いかける。人間のすべての望みをかなえてあげると、プルート夫人(プルトニウム)は幻惑する。

    原発の推進派と反対派とのあいだで繰り返されてきたやりとりをなぞるように、ある人たちはウラノス伯爵に魅せられ、ある人たちはこんな危険人物はないと言う。危険な魔女・プルート夫人を、人間は地下深くに閉じこめようとするが、プルート夫人の火と熱をさます前に、自分たちが先に死んでいく。

    フィクションでなければ描けないなと思いつつ、ノンフィクションとして、放射性元素発見から、その利用を企ててきた人間の歴史を、萩尾望都の漫画で読んでみたいとも思った。

    表題作の「なのはな」と、巻末に収録された続編「なのはな―幻想『銀河鉄道の夜』」は、原発事故後のフクシマで生きるナホと兄の学[ガク]、そして津波で行方不明になったおばあちゃんの話。

    ※受賞の言葉(萩尾望都)
    http://gender-sf.org/sog/2012/4091791352.html

    (7/31了)

  • 図書館にて。

    原発事故後のフクシマが舞台の「なのはな」は泣けた。
    ウランとプルトニウムの恐ろしさ。
    25年ごとに原発事故が起こっている事実。
    人間は愚かだ。

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著者プロフィール

漫画家。1976年『ポーの一族』『11人いる!』で小学館漫画賞、2006年『バルバラ異界』で日本SF大賞、2012年に少女漫画家として初の紫綬褒章、2017年朝日賞など受賞歴多数。

「2022年 『百億の昼と千億の夜 完全版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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