- Amazon.co.jp ・マンガ (153ページ)
- / ISBN・EAN: 9784091791351
感想・レビュー・書評
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福島原発事故をテーマにしていて、じわじわきます。
原発事故について、たんねんに情報を集めている人ほど、困惑しているのではないでしょうか。
政治家・科学者・経済学者、同じ学問領域の先生方でもAさんとBさんの言うことが違い、素人目にはどちらももっともな気がして不安感ばかりが増してくる。
原発事故が発生してから1年以上たつのに、未だ正解が一つにまとまらず、みんな自分が正解だと言い張っているように見えます。
そういった、もやもや・ざわざわした気持ちを萩尾望都も抱えているのだなぁと思いました。
だから、確かに、ストーリーはなってないし、主張も曖昧だけど、それ自体を表現したってところが重要なのではないでしょうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ポーの一族で有名な萩尾さんの3.11を経て原発の恐ろしさをいろんな角度から鋭く漫画で描いているのが、心憎い。
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東日本大震災の原発事故を目の当たりにし、萩尾氏が描きおろした
短編漫画5編。
避難生活を強いられる福島の少女は、祖母を亡くしたことをうけとめられない。
チェルノブイリの原発事故と重ねられた一編『なのはな』。
奇跡のような新しいエネルギーに人々が魅了されていく様を、
放射性物質を擬人化して描いた『プルート婦人』『雨の夜』『サロメ20××』。
最後に福島の少女のその後『なのはな―幻想「銀河鉄道の夜」』。
萩尾先生は、ホントに絵が素敵。 -
図書館にて。
原発事故後のフクシマが舞台の「なのはな」は泣けた。
ウランとプルトニウムの恐ろしさ。
25年ごとに原発事故が起こっている事実。
人間は愚かだ。 -
核の危険さと恐ろしさ、力に引かれる人間の弱さを描ききった、萩尾望都の筆力とエネルギー!
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「なのはな」「なのはな――幻想『銀河鉄道の夜』」
原発事故の為、住んでいた地を離れざるをえなくなった少女と、その家族の物語。いなくなった家族や大切なひとを探しに行きたくても行けない人が沢山いる。どれだけの人が時間を止めてしまっているのだろう、どれだけの人が前を向けているのだろう。
「プルート夫人」「雨の夜―ウラノス伯爵」「サロメ20××」
放射性物質を蟲惑的な人間に変化させた三部作。恐ろしいものだとどこかで感じてはいても、利益や富をもたらす、放射性物質の一面だけに惹かれた愚かな人間を強烈に皮肉った作品。
絶大な科学力を得はしたものの、作り出した人間がその物質の行く末を見守ることができない。正しい知識を得て、未来を見据えた決断が出来る人間になりたいです。 -
書き下ろしの作品が特に秀逸。ひかりの素足を久しぶりに読み返すきっかけにもなった。大切な人の死をどう受け入れていくか、最近自分にも起こった課題だったので、それを解決するためのきっかけになったかもしれない。
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いろいろな事を考えると
ぐっちゃぐちゃになってしまって
思考停止になってしまう自分がいる。
種を植えることから はじめよう。と
教えてもらいました。