マホロミ 1 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

著者 :
  • 小学館
3.83
  • (36)
  • (100)
  • (56)
  • (5)
  • (1)
本棚登録 : 730
感想 : 50
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・マンガ (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091843364

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 建物が持つ記憶が見える
    建築科の大学1年生、土神 東也(にわ・とうや)。

    東也と幼なじみの女子大生、
    円海 卯(みつうみ・あきら)。

    祖父の家で見つけた
    古い写真にソックリな
    土神と同じ能力を持つ謎の少女
    深沢 真百合(まゆり)。

    土神の妹で
    園芸部の菜南(ななみ)。



    家が持つ記憶に共鳴し
    出されることのなかった手紙や
    戦時中隠さねばならなかった青い目の人形を探し出したり、
    解体される運命の建物に
    最後に海を見せてあげたり、

    かつて住んでいた人たちの
    果たされなかった想いを
    成仏させる手助けをする
    土神と真百合。


    いやはや、
    この設定一本に
    激しく心惹かれましたよ。
    (陰のある美少女が次第に心開いていく展開もツボ)


    建築をテーマにした漫画って
    スゴく新鮮やったし、

    昭和初期の生糸仲買商が住んでいた
    和洋折衷の建物、

    ステンドグラスが扉に散りばめられた
    古びた洋館、

    昭和初期から
    時代の荒波を乗り越えてきた
    外国人アパート、

    庭にはバラ園と
    ヴィクトリアン様式の英国家具が並ぶ
    昭和20年代に建てられた重厚な洋館など
    毎回趣のある建物が見られるのも
    マニアには楽しいかも(笑)



    古い建物が身近にある社会は豊かだというセリフがあるけど
    ホンマその通りだと思う。

    どんなモノであっても、
    重ねた時間の分だけ深みや味わいや
    美しさを増していく不思議。


    古い建物を見ると
    なぜかドキドキする。

    時の変遷に耐えうる
    芯の強さと、
    それとは裏腹な滅びゆく美学を
    どこかに感じて、
    今はいない人の声に耳をすましてみたり。

    物は物。
    そこには魂はないのかもしれない。

    けれど亡き人の思い出は
    やはり物と共に在るのは
    間違いのない事実なんですよね。


    建築科の学生たちの恋と成長を描きながら
    古きモノの声を埋もらせることなく伝えてくれる
    ロマン溢れる傑作です。

    現在2巻まで発売中〜(笑)

  • 久しぶりにみつけた、読める建築マンガ!笑

  • はまったわー、このノスタルジー感!
    建築という題材、オカルト感、描き込みの多い絵柄、雰囲気、全部ヤバイ。
    でも万人には薦められない個人的なツボのような気がする。
    久々のヒットだけど、この作者飽きっぽいらしいのでそれがかなり心配。
    長い付き合いになりそうだけど、
    とりあえず一気に三巻まで読む。

  • 古い建物の記憶を見ることができる主人公。
    どうすれば、その記憶にこたえることができるか、というストーリーは、りっぱなミステリーになっていた。京極以来の折伏話のようにも思えた。

  •  冬目景の絵には、どこか心ひかれる。そして登場人物にも。謎を秘めた女性も、元気いっぱいの女性も、この人は上手いなあ。

  • 幽霊とか怪現象っていうのは霊魂ではなく、その場所やものの記憶の幻燈のようなものなんだろうか?
    そう考えると巷に溢れる幽霊話も怖くはなくなる。

    それよりもきちんと続きますよね?
    このマンガw

  • FILE06で涙す、海見に行こう。

  • 冬目さんの定番ロングのしっとりとショートの明るいヒロインな作品。建物に宿る思いを見る事ができる主人公(土神)とヒロイン(真百合)が取り壊される前にその願いを叶えてあげるお話。疎遠だった主人公の祖父(建築家)の影響で見る力を得ているらしい。真百合の祖母は自分が亡くなると真百合を守る人が居なくなるから家を離れるように言っていたが残り主人公と出会う。今後どの様に物語が進展していくのかとても楽しみ。

著者プロフィール

1993年、「アフタヌーン」での四季賞受賞を経て、「モーニング増刊OPEN」で『黒鉄』の連載を開始。現在、『イエスタデイをうたって』(ビジネスジャンプ)、『幻影博覧会』(コミックバーズ)、『ももんち』(ビックコミックスピリッツ)を連載中。2008年7月より「アフタヌーン」で『アコニー』を連載再開。

「2016年 『新装版 LUNO』 で使われていた紹介文から引用しています。」

冬目景の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×