- Amazon.co.jp ・マンガ (539ページ)
- / ISBN・EAN: 9784091885777
作品紹介・あらすじ
人生懸けた恋をした。女と女の最後の選択!
殺した女。殺させた女。
“共犯者”となった二人の旅路で次第にあらわとなる、血縁への執着と、お互いへの無理解。未練と倦怠に挟まれ、自殺か服役か逃亡か心中かいずれも“どんづまり”の選択肢を前に立ちつくす二人に、光は射すのか…。
血にまみれた手で欲したものはなんだった?女たちの魂の咆哮、あるいは彷徨――これにて幕。
感想・レビュー・書評
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いやぁすごい話だったなぁとおもいました。それぞれの立場からそれぞれの意見を建前とか感情論とかいろんなものかき混ぜながらダダダダとタンクローリーで進んでいった印象でした。
中であんだけフューチャーした元彼女を下であーしに悪いところを言わせるっていうのはエゴなく物語を描いてるなぁとおもいました。
いい作品でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
強烈にして苛烈。汚いものを全部吐き出して、「てめぇはコレを直視できんのかよ?!」ってからんでくるような漫画です。
"この漫画はスゴイ"と思いました。おもしろい漫画はたくさんあるけどね、"スゴイ"ってなかなか無いと思うんだ。
でも、手放しで褒めているかというと、そうではないです。
強烈な分、ちょっと引いちゃったり、違和感がぬぐえなかったりという部分もあります。
たとえばセリフ回し。「あーし」とか「あーた」って、しゃべり言葉でも自分では言わないし周りでも聞かないので、結構違和感ありました。
それからメガネさんが、いまいち美人じゃないのもちょっと・・・でした。美人なカットもあるんだけど、いまいちな画の方が多いかな・・・。
うーん。プラス面もマイナス面も、色々な感想があります。思うところが多すぎて、私の文才では表現しきれません。 -
救われない話がようやく終わった。
読んだこっちが救われたような。
そんな気分。 -
主人公の口調が、苦手だ。
登場人物全員クセがあり過ぎて、感情移入はすれど愛着が湧かない。
重たいストーリーが延々と続き、特に旅館あたりからはこってり食傷気味。
でも、それらを補って余りある徹底的なリアリティとドラマ性に、ぐいぐい引き込まれた。
御涙頂戴の悲劇に逃げない。
自分勝手でどうしようもなく弱くて強い人間臭さが叩き付けられるように描かれる。
圧倒される。
ボロボロと、泣きながら読んだ。
絶対に好きにはなれないけど、オススメするし自分もたぶん何度か読み返す。そんな作品だった。 -
女たちの感情と愛情と同情と群青
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上下巻かと思ったら中もあったのね…。買ってなかったけど気になったから中をとばして下巻。
同じ事をグルグルグルグル、ドロドロドロドロ。迫力はあった。みんな言いたい事をいってやりたい事やって自分の意見押し付け合って。本人たちはスッキリでしょうけどね!関係ないけどワシ鼻の彼女、たまに小人みたいになっててバランス悪い絵が気になった… -
どうしよう。
あたし、ホントの人間の中身とか知ってる?
知らぬうちに人傷つけとるんやないの?
とか、現実のこととか、もう、最後見てたら、なんか、自分の友達みたいに思えてきちゃったりして、なんだろ?
むつかしいな。でも、すごくすごく、的を射てるって思った。 -
最後まで読み終わりました。
上巻のレビューでレズビアンの話と言いましたが、登場人物のそれぞれの心の傷が交錯していく中で「本当の幸せって何なのか?」という事を鋭く抉って問い直す、そんな愛の物語でもあったと思いますね。最終的に愛を築けたからこそ、二人で出頭エンドも何処か救いを感じることが出来るのだと思います。
しかし、兄ちゃんの嫁さんが本当に素晴らしい女性でね。よくこんなクズと結婚したなぁ勿体無いぞおいと思える程です。詳しくは書かれていませんがきっとこの嫁さん、人生の辛酸を嘗め尽くした女性だと思いますね。
「片方の身内に何かあったときに共倒れせんように、家族は他人と作るんよ。(中略)一人で耐えられへんこと耐えさせるために、一緒に居るんよ。
うちは、平気やで」
このセリフが非常にグッと来ましたね。
「なぜ家族が大事なのか?」「なぜ赤の他人を愛して、家庭を作るということが人生に必要なのか?」という問いに対する根源的な答えだと思います。
智代美と草子も、つらい時苦しい時に支えになったからこそ、一人では耐えられない「夫からのDV」や「劣悪な家庭環境での生い立ち」や「レズビアンであることの生きづらさ」という苦しみを共に戦っていけたからこそ、つながれたのだのでしょう。そこに同性愛であることは関係ありません。
あなたには、何かあったときに共倒れせずに救ってくれる人がいるだろうか?
一人で耐えられず、抱えるには重過ぎて自分を壊してしまうような、そんな苦悩を一緒に耐えて、乗り越えていける人がちゃんと側にいるだろうか?
人と接する中で、あなたは相手にとってそういう人になれているだろうか?
そのことが呼びかけとして、私に伝わってきました。 -
ちぎれる 上巻
からまる 中感
ほどける 下巻
ここまでよんでやっと救われる。長かった。
二人と一緒にここまでたどり着いた、そんな気がします。
あとがきの、「群青」ではなく「“羣”青」にした理由が良いですね。(引用参照)