MW (2) (小学館文庫 てA 5)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 907
感想 : 81
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091920058

感想・レビュー・書評

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  • ラストが印象的。

  • 15年前に僻地の離島で行われたベトナム戦争用(?)のMWという毒ガス実験に巻き込まれた美少年とゲイの神父の話。美少年(美青年)が毒ガスのせいで人間性をなくしていて、自分の美貌を利用して復讐のため(?)に悪逆非道の限りをつくしている。ゲイの神父は美少年に最初に手を出しているから自業自得なんだけど、美少年が酷い犯罪を犯していても迫られると逆らえない。でも神父なので苦悩が深い。萌え。この美少年、男も利用するけど自分を好きになる女の人も利用価値がなくなった瞬間容赦なく殺して屍体をひどい捨て方をする。その際に殺した女に化けるのがいい。(萌え)

  • おもっしろかったあー…手塚さんほんとすごいな…。結城の危うい色気の表し方に魅力が…。賀来も「彼は人間だ!」と殺そうとしたりする癖に死にそうになったら祈るとか…素敵じゃないか。あと最後の所の神父さんと犬の巴にちょっとときめく。話は言わずもがな、正しい質問を問いかけてくれる。手塚さんはほんと人間愛が根底にある人なんだろうな…と思った。そして一気に映画もドラマも小説も観ました。

  • 犯罪に理由なんてものは無い。
    そんなようなことを、わたしの師のひとりはよく論じているのですけれども、MWを読んでいるとその点について妙に頷かせられますね。
    結城は、別に人類を滅亡させるのに理由はない。もうすぐ死に行く自分と心中させたら愉快だ。そんなような動機であれだけのことをしてのけるんです。一見、これはそれこそMWによる異常とみることだってできるのですが、案外MWを吸っていないわたしたちの中に、恐ろしい奇想天外な事件を起こす人も存在するので、あり得ないと一蹴するどころか、まさに有り得る脅威とみなすべきなのかもしれないです。
    ところで、話は変わりますが賀来神父が死んだシーンで、結城がはじめて心から(だと思いますが、彼だから演技かもしれないですね)泣いています。その後の展開を考えると、どこまでも救いがないのですが、それだけにこの場面が余計際立っているんです。果たして、結城が賀来を全く本気で好いていたのかは分からず仕舞いですが、やつも取り乱すことがあるんだな、とほくそ笑んでいただければ幸いです。

  • まさかの結末で、納得の結末。
    世間には正義だとか悪だとかそういった枠では区切る事の出来ないものがたくさんある。
    そんな世の中を巧みに描いている作品。

  • 手塚治虫というと、アトムなどの印象もあり
    「勧善懲悪」ものを主に書いているイメージがある。
    しかし、後に彼が「わたしはヒューマニストではない」という
    趣旨の発言をしたように彼の本質はそこにはないのだ。

    以前、彼の自伝的漫画を読んだ際に感じたのだが
    多感な時期に戦争を体験した彼は、
    この世の中に絶対的な善などというものは存在しない、
    ということに早い時期に気づいてしまったのではないのだろうか。

    『ブラック・ジャック』や『どろろ』などを見ると
    グロテスクな表現も多く、この作品では
    同性愛も取り扱われている。
    1970年代のマンガとしては、異色で革新的、
    当時これを読んだ人々は度肝を抜かれたに違いない。

    人を殺し、復讐を重ねることでしか生を実感できず、
    MWの毒に侵され感情を失ってしまった結城。
    結城を止めようと画策しつつも、彼の呪縛から
    離れられない賀来の苦悩。

    余韻を残すラストもすばらしい。
    読み返してそのからくりに気付いたときには、
    巧いなあと思わずうなってしまった。

    手塚治虫が「マンガの神様」といわえる所以は、
    彼のこの振れ幅とストーリーテリングにあるのだろう。

    あーおもしろかった。

  • 完結編では1巻よりも展開が早くハラハラする場面が多かった。そんな都合よくいく?と思ったところもあるがそれはそれで。最後の展開はすこし読めてしまったところもあるが…人間の裏に潜む狂気とは何かをライトに考えることができる作品だった。

  • なんて事でしょう。
    最後に思わず「アッ!」と声を出してしまった。

  • オチにびっくり。
    初めて読んだ、ダークな手塚作品。
    先生のイメージがガラっと変わった作品。
    アトムとかのイメージが強かったけどそれが一気に変わった。
    先生が神様扱いされる理由がわかった作品です。
    大好きで、愛してる作品。

  • 手塚治虫は偉大…。
    ラストのあのニヤリでやられたーーー。

著者プロフィール

1928年、大阪府豊中市生まれ。「治虫」というペンネームはオサムシという昆虫の名前からとったもの。本名・治。大阪大学附属医学専門部を卒業後、医学博士号を取得。46年、『マアチャンの日記帳』でデビュー。幅広い分野にわたる人気漫画を量産し、『ブラックジャック』『鉄腕アトム』『リボンの騎士』『火の鳥』『ジャングル大帝』など、国民的人気漫画を生み出してきた。

「2020年 『手塚治虫のマンガの教科書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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