うしおととら〔文庫版〕 18 (小学館文庫)

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  • 小学館
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091935281

作品紹介・あらすじ

伝説の「獣の槍」を操る少年・うしおと、五百年ぶりに解放された妖怪・とら。この不思議なコンビが贈るハイパー伝奇ロマン!!

感想・レビュー・書評

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  • ここで明らかになったとらの過去と白面の者の誕生。たまたまその時に生まれたというだけで、白面に憑りつかれたシャガクシャ。うしおや真由子もそうだけど、その宿命に生まれてしまったことを憎むのではなく、その中で自分がどう生きるかが大切なんだなと感じる。

    呪われた子として遠ざけられたことを憎んで生きてきたシャガクシャ。
    その遠ざけた子が成長し、自分たちを守ってくれることに対して謝罪と感謝を抱いた人々。
    「オレは…憎んでたんだ…オレは…勝手に他人がオレを憎んでると思って…オレも憎んで…」
    とらと白面の者との大きすぎる因縁。最終決戦の前に読めてよかった。

    「オレは…たったひとつ…ただ…それだけを思えばよかったんだ…みんなを、死なせたくない」
    うしおが憎しみではなく辿り着いた思い。そして、最終決戦が始まる。
    みんなが記憶を取り戻していく姿と、人々を勇気づける報道がよかった。
    「オレ達がなかなか報道できないモンを流せたじゃないスか…希望…ってヤツを…」

    うしおたちだけじゃなく、彼らが関わってきた人や妖、日本に住んでいる人々すべての思いが力になっていく。最初から積み上げてきたものがここで希望となっていく展開と演出が素晴らしい。後半はつらい展開も多かったけど、ここまで読んできてよかったなと心から思った。

    鏢と紅煉の戦いもすごかった。これまでの思いの数々を込めた「禁」の迫力に痺れた。あの時から復讐を成し遂げるための悪魔として生きてきた鏢。
    「なァ…子供は…いいだろう?」の表情が安らかで、最期に普通の父親に戻れたんだなと感じられてよかった。できれば、うしおと酒を酌み交わしてほしかったな。

    真由子がとらの髪をすくシーンも好き。
    「とらちゃんをね…人間に戻すの」
    小さなコマなんだけど、この言葉に込められた思い。形として人間には戻らないのは知ってるけど、心を人間として戻したいって気持ちなのかなと思って切なくなる。
    「それじゃ…とらちゃん…私をずぅーっと食べないつもりだねえ」までの流れがあたたかくて泣けてきた。

    役者は揃い、最後はうしおととら対白面の者のタイマンの直前でこの巻は終了。ラストバトル、目に焼き付けたいね。

  • まゆことトラのシーンでぼろぼろ泣いてしまいました、、、そして鏢さんの最後のシーンも、全く知らない家族を守り最後にブリキのおもちゃを持つ所が強く印象に残りました。三人で幸せな毎日を送ってくれていますように、、

  • 復讐鬼、人に還る

  • 運動会で云うなら、「棒倒し」や「綱引き」のように白面の者を北から南へあまたの妖怪と人間たちが協力しあって押し返すのだ。
    その中のリーダーは?もちろん、うしおととらだ。
    でも、本当に力を与えてくれたのは?
    妖怪、人間を越えたプラスの想いと祈り、その集積なのだ。
    呪符師の最期の笑み。
    とらの胸の穴をうめるまゆこ。
    今までのドラマがみんなひとつの目的のためにまとまっていく。
    ひとつひとつにたくさんの想いがありすぎるよ。

    さあ、いよいよ最終巻だ。白面の者との一騎打ちもきっと、私たちの期待をいい意味で裏切ってくれることを期待しつつ…。

  • 絶対読まなきゃそんっ! 完結済☆

  • 泣けます!!
    そして、しびれます!!
    最後までどかどかーーーっと読みたい作品です。

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著者プロフィール

北海道旭川市出身。1964年生まれ。88年、『連絡船奇譚』(少年サンデー増刊号)でデビュー。少年サンデーに連載された『うしおととら』で91年に第37回小学館漫画賞、77年に第28回星雲賞コミック部門賞受賞。ダイナミックかつスピーディー、個性的ながらエンターテインメントに徹したその作風で、幅広い読者を魅了し続けている。他の代表作に『からくりサーカス』(少年サンデー)がある。

「2007年 『黒博物館 スプリンガルド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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