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- Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
- / ISBN・EAN: 9784092305168
感想・レビュー・書評
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頑張っているマルティン
ちゃんと周りに人がいて
だんだん上手くいってる
ママも頑張ってる
先が楽しみなお話詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
パウゼヴァングは素晴らしい作家だな、と改めて思った。
物語自体もいいが、いつも徹底的に弱者の側に立ち、温かく励ましつつも厳しい現実をなかったことにはしない。
これもシングルマザーの息子(9歳)が主人公だが、母は貧しいウェイトレス、少年も学校では勉強ができず、ほかもぱっとせず、教師にもクラスメイトにも相手にされない。そんな少年が雌猫と子猫に自己を投影し、自分が「父さんになる」と決意する。
他の登場人物も身寄りのない年寄り、外国人労働者と、社会の底辺で生きる人たち。
少年がスペイン人労働者(まだドイツにトルコ人労働者が来る前の話)と友情を結ぶくだりがとてもいい。
母も、老人も外国人に偏見を持っていたが、少年の行動で変わっていく。
しかし、おばはレイシストのまま、どんなにスペイン人が親切にしようと、差別意識を捨てることはない。
実際、そうだろうな、と思う。どうしても意識を変えられない(変えない)人はかならずいる。
原題は”Und dann kommt Emilio”で、その意味は最後にわかる。いいタイトル。少年の希望が伝わってくる。
パウゼヴァングはもっともっと読まれるべき作家だと思う。
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