山椒魚戦争 (地球人ライブラリー 8)

  • 小学館
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本棚登録 : 49
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784092510081

作品紹介・あらすじ

南海の秘境で発見された新種の山椒魚。驚くべきほどの高い知能をもっていた彼らは、貴重な労働力として人間に利用されるようになった。そんなある日、世界各地で大規模な陸地の水没が続出。それは山椒魚たちの人類への宣戦布告だった…。文明の愚かさを衝く巨匠チャベックの不朽の名作。

感想・レビュー・書評

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  • 結構なディストピア小説のはずなのに、暗さや重苦しさを感じない。むしろ明るいというか滑稽というか。作者の皮肉なんでしょうね。
    3.5

  • WW2直前,カレル・チャペックの作品.
    ディストピア小説なのに,人類を見るまなざしが暖かい.
    RUR同様に,絶望の先の未来があるように感じられる.

    人類の文化・文明の発展の歴史を示しつつ,
    文明の発展,経済,国際情勢の皮肉を示しつつ,
    最終章が「えっ!?」そうくるの?という展開.

  • 子犬のイメージが強くて、ゆるかわいい童話作家だとばかり思っていたチャペックだけど、知人がお寺の住職からおすすめされたというこの本を読んで、それが完全な思い込みだったことが分かった。ナチスドイツ批判が込められている話だと知ってから読んだので、余計に面白かった。一気にチャペックファンになった作品。次はロボットを読もうと思う。

  • 抄訳。

  • チェコ学習として。1936年の作品。この本は完訳ではなく、英語版をテキストとし、読みやすさ・わかりやすさを主眼とし全体を2/3程度に縮めたものだとか。チェコ人の船長がスマトラ島付近で利口な山椒魚に遭遇。山椒魚に貝のこじ開け方を教え貝の身の味を教える。そして真珠貝を集めさせ、かわりに天敵サメを退治するモリを提供し使い方を教える。最初は人間と山椒魚のイーブンな関係があったのに。真珠が枯渇し、サメに襲われない山椒魚は大繁殖。さて次は何をしようか。利口な山椒魚だし、水中で労務につけるため、護岸工事だの、ダムだの、そんな仕事をするために世界各地で引っ張りだこ。しかし、山椒魚は大繁殖を重ねてますます住まいがない。山椒魚は浅瀬にしか住めない。大陸を沈めて浅瀬を作りたい。と山椒魚大要求。どかんどかんと沈められる大陸。海のないチェコは周辺国は大変なことになっていると他人事でいたら山椒魚はモルダウ川にひょっこり。奇想天外な話ではありますが、恐いキモチ悪いという感想以上に、滑稽で皮肉だという印象が強いです。2011年4冊目の本。

  • チャペック作品にしてはさらっと読める。
    進みすぎた文明、増えすぎた人口、思想、物語に出てくる山椒魚もそうだけど知恵を持ちすぎるとその身を滅ぼしてしまいかねないという著者なりの警告を最も簡潔に表した作品ではないかと思う。

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