聖人と悪魔: 呪われた修道院

  • 小学館
3.24
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  • Amazon.co.jp ・本 (463ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784092903746

作品紹介・あらすじ

ある日、若く美しい貴族青年シルヴァーノの目の前で人が刺された。殺人の疑いがかけられたシルヴァーノは、真犯人が見つかるまで修道院で身をかくすことになった。しかし、神に祈りをささげるその修道院で、次々と殺人事件が起きてしまう。古都アッシジに近い小さな修道院で起きた連続殺人事件…。真実は、証されるのか…。

感想・レビュー・書評

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  • 14世紀初頭のイタリア、アッシジ近くの架空の修道院での連続殺人事件+若い二人のお話。
    ちょうどアッシジの聖堂の壁にシモーネ・マルティーニが聖フランチェスコの一生のフラスコ画を描いているところで、マエストロ・マルティーニは著者の敬愛を一身にに受けているようで登場も多く、そのへんはとても面白かった。ああ、それからあの厳格なフランチェスコ会の長チェゼーナのミケーレも登場する!
    殺人事件に関してはまあ、あまり説得力のあるものではないかも。どちらかというとメインのストーリーは3組の男女、かな。ただ、著者も後書きで書いているけど、この時期の修道院で見習い修道士の若い男女が一緒に出かけるとか話をするとか、あまりにもあり得ないので、いくら児童書とはいえちょっと架空過ぎかなぁと感じた。でも登場人物がそれなりに皆魅力的で善人が多く、楽しくは読めた。
    聖人と悪魔というタイトルはあまり内容を表していないね、漠然としすぎていて勿体ない。

  • 貴族の息子『シルヴァーノ』は、憧れの女性の夫が刺されたところに通りがかり、殺人の疑いをかけられてしまう。
    真犯人が見つかるまで修道院に身を隠すことにしたのだが、そこでもまた次々と殺人が起きて…。


    14世紀のイタリアの修道院が舞台のミステリーです。内容はそれなりですが、当時の時代背景などの方が興味深く読みました。
    当時の女性は男性の所有物扱いで、家の為に結婚させられるのは当たり前ですが、未亡人となってからも後見人が必要だったとか。
    それと宗教画描く為の顔料作りが詳しく描かれていました。日本だと植物由来の染料が多かったかと思いますが、こちらはおもに鉱物から造られていたのですね。

  • 話としても面白いのですが、ルネサンス辺りののイタリアのことが描いてあるので、美術やってる人にはホフマンの本を是非読んでもらいたいと思います。
    私自身が日本画勉強してますが、この本のフレスコ画の顔料作るシーンを見て、日本画面倒臭いとかいうレベルじゃないと思いました。

    個人的に好きな画家のマルティーニさんが登場されてます。

  • 貴族の青年シルヴァーノの前で人が殺された。その相手は自分が恋していた女性アンジェリカの夫だった。そして彼の胸にはシルヴァーノの短刀が刺さっていた。殺人の疑いをかけられたシルヴァーノは、修道院に隠れることになった。
    しかしその修道院でもまた殺人が行われ、シルヴァーノともうひとりの人物が疑われることに・・

    修道院での殺人のミステリー、そしてこの修道院ではフレスコ画を描くための顔料がつくられていたので、画家のシモーネ・マルティーニが登場し、色に関する話もあって、ダブルで面白いですね。
    中世の時代の女性たちの立場も描かれていて、物語に厚みがある。
    主に4人の人物を中心に描かれているが、話が繋がっていって、とても面白い作品です。

  • ある日、若く美しい貴族青年シルヴァーノの目の前で人が刺された。殺人の疑いがかけられたシルヴァーノは、真犯人が見つかるまで修道院で身をかくすことになった。しかし、神に祈りをささげるその修道院で、次々と殺人事件が起きてしまう。古都アッシジに近い小さな修道院で起きた連続殺人事件…。真実は、証されるのか…

  • タイトルと表紙裏のあらすじだけを見ると硬派なミステリーかサスペンスのようだが、中身は恋愛色がけっこう強い。とはいえ顔料づくりは興味深く、また主人公が疑われた殺人事件の犯人のその後についても、宗教がらみの作品としては妥当な形なのかもしれない。

  • The Falconer's Knot 2007

  • 殺人事件の犯人とされてしまった貴族の青年が修道院に身を隠す。
    その修道院でも殺人事件が起こり。。

    殺人事件の必然性に欠けるのと、最後のまとめがいまいち。
    物語としては読みやすいけれども、、ラストを読むと物語の主眼がハーレクイン的。

  • 修道院でおこる殺人事件の犯人探し、という点では推理小説。ただ、推理小説としては犯人が簡単にわかりすぎるし、ご都合主義的ではある。
    この本の面白さは、中世修道院の生活や雰囲気、調べ抜かれた設定にある。特に、顔料を作る部屋や、その工程、絵を描く方法や、画家の想像力などの描写がとても面白い。メアリ・ホフマンらしい舞台が十二分に活かされている。
    ラストの。これでもか、という大団円もなかなか。ここまでやられると、むしろ清々しい。

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著者プロフィール

ケンブリッジ大学で英文学を学び、ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンで言語学の学位を取得。
邦訳作品に「ストラヴァガンザ」シリーズ、『ヘンリーのごじまんは…』などがある。

「2019年 『いろいろ いろんな からだの ほん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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