ふたりのプリンセス (児童単行本)

  • 小学館
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本棚登録 : 45
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784092905405

作品紹介・あらすじ

ダシュティは、15歳の女の子。サレン姫の侍女として、美しいお城で働くはずだったのに、姫といっしょに、暗い塔に閉じこめられてしまった!しかも、姫を守るためプリンセスのふりをすることに…。ダシュティとサレン姫、ふたりを待ち受ける運命は。

感想・レビュー・書評

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  • なんかすさまじい話だ、と聞いて読んだのですが、ほんとにすさまじい物語だった。ある人物と結婚しろと言われ、断った姫が父王によって幽閉される、その姫の侍女による日記。幽閉からどうなるかといったら、もう、想像を絶します。「クシエル」並み(笑)。にしても、相棒の姫がヘタレすぎてそこもちょっと面白かった。え、これもできないの?とか。

  • 主人公ダシュティとサレン姫の冒険の事や、塔に閉じ込められた時の事がほとんどで、お姫様という感じは最後の方だけです。お話としてはダシュティの書いた日記のような感じです。

  • 常にユーモアと笑いを忘れず、前向きに、という生き方は、とても大切ですが、なかなかできることではありません。 でも、もしかしたら、そういう生き方は「自然」を体感し理解することから得られるのかもしれません。
    物語の構成が見事でした。

  • 最初に読んだときは、塔に閉じ込められた時の閉鎖感ばかりが苦しくて、登録していなかったのだけれど・・・
    でも今回読んで、何だか物凄く胸に残るものがありました。

    一人称でありながら主人公の気持ちは読めないし、ましてや他の登場人物の心中なんて窺い知れない。
    でも、テガス王とダシュティの会話は、本当にこちらまで心が温かくなった。
    だから、この本を切り捨てることなんてできないのよ。

  • 話がどこに落ち着くのか最後まで読まないと見えない部分が面白かったです。日記で回想形式風に書かれていますが、現在もとらわれの身でいるような感じで書かれているので不思議な感覚がしました。どん底の中で王女の世話をしながら、自分のことをも考え、外にも注意を払う頭が良くて、気立てが良くて、素直な主人公に読みながらエールを送りたくなりました。

  • 内容紹介を表紙裏から転載します。
    『あたしはサレン姫の侍女だ。姫を守るのは、あたしの務めだ。だけど・・・あたしが姫のふりをするなんて!?
    ダシュティは、15歳の女の子。
    サレン姫の侍女として、美しいお城で働くはずだったのに、姫が、父王の決めた結婚相手のカザール卿を拒否したせいで、姫と一緒に暗い塔に閉じ込められてしまった!しかも、姫を守るためプリンセスのふりをすることに・・・。
    塔を訪れるのは、恐ろしいカザール卿と、姫を救おうとする隣国の若き王テガスだけ。けれど、姫はどちらとも話そうとせず、ダシュティに「わたしのふりをして、返事をして」と命じる。
    姫は何かを隠しているらしい。その秘密は?そしてふたりの運命は?』

    これはダシュティが書いている日記だけで構成されている小説です。
    前向きで頑張る女の子が主人公という、私の好みの話。ダシュティがどうなるのかが知りたくて、一気読みでした。面白かったです。

    ただ、うーん、面白かったのですが、気になってしまうところがすごく多い小説でもありました。
    ダシュティの日記なので彼女の思ったことは良く分かるようになっているのですが、もう一人のヒロインであるサレン姫が自分のことをダシュティに語らないので、サレン姫の考えが全く分からないの。だから終盤になってサレン姫が変化するのですが、なぜそうなるのか唐突な感じがしました。

    サレン姫を手に入れようとするカザール卿と、それを了解して嫁がせようとするサレン姫の父王についてもよく分かりません。
    ほんとにサレン姫が欲しいのなら、まだ小さい姫を怖がらせちゃだめでしょ。他の王国も支配しようとたくらんでいるくせに、やることが下手すぎる。
    さらに分からないのが父王のやること。サレン姫が結婚したがっているテガス王。ここらの国々の歴史から見ると、テガス王のほうが格が上だし年齢的にも姫とつりあっている。何でこっちにしないで、カザール卿を選ぶのかしら。しかも姫は嫌がっているのに。
    このあたりの事情が納得できる書き方がしていないので、まずサレン姫とダシュティが塔に幽閉されるという設定が先にあって、そのために作られたストーリーという感じがします。

    終盤のサレン姫の変化もそう。サレン姫もいろいろあって成長したのね、と無理やり納得するしかない展開でした。

    この小説はダシュティ以外の登場人物は、ダシュティに都合が良いように動くことになっているようで。

    父王がほんとは姫を守るために、姫を閉じ込めたんだとか。頑なに自分の世界に閉じこもっていた姫が、ダシュティに感化され外に踏み出す勇気を持つまでになったとか。そういう事を書き込んでくれたら物語に深みが出てくるのに、惜しいなあ。
    ストーリーが面白いだけに、とってももったいないと思いました。

    でも、不満を感じるのは私が大人だからかもしれません。児童書としては良い本だと思います。
    小学校高学年くらいの女の子なら、きっと好きな話じゃないかな?

  • 砂漠の民アッカーの娘ダシュティは、母の死を機に街へ出て王女の侍女になる。しかし、王の命に背いた王女は彼女と共に塔に幽閉されたのだった。最近読んだプリンセスものの中では一番です。身代わりといってもBody Doubleという訳ではありませんでした。ダシュティの芯の強さは「ドラゴン・キーパー」のヒロインの強さに似ています。著者の「プリンセス・アカデミー」も読んでみようと思います。

  • 図書館の新刊コーナーで見つけ、
    全く予備知識がないまま「代田亜香子訳」に惹かれて読んだけど、
    とっても面白かったです。
    三分の二を過ぎたあたりから先が気になり、途中でやめられなくなって、結局夜更かしして読んでしまった。

    父王に言いつけられた結婚を拒み、塔に7年間閉じこめられることになったサレン姫。その姫の侍女として一緒に塔で暮らすことになった貧しい遊牧民の娘ダシュディ。物語は、ダシュディが綴った日記という形で語られる。

    ダシュディは、母から教わった人や動物の心や身体を癒す歌がうたえるが、サレン姫は脅えた幼児のように心を閉ざしたまま。ようやく塔から脱出した後も、様々な苦難が二人を待っている。忠実なダシュディは懸命に姫を守ろうとするが‥‥‥。
    働き者で誠実なダシュディだが、時には姫に苛立ち、時には叶わぬ願いを抱き、神罰を恐れておののき、迷い、悩む。そういうごく普通の少女としての弱さや迷いも描かれるから、いっそうダシュディの誠実さ、賢さ、勇気、そして深い愛情に心を打たれる。


    でも、これ邦題より原題の「千日日記(Book of a Thousand Days)」のほうがいいんじゃないかなあ。
    「プリンセス」って言葉に惹かれて、キラキラしたお姫様ストーリーを期待して読むと肩透かしをくらうし、この内容を面白く思う読者は「プリンセス」という題名でかえって敬遠しそう。

    と思ったら、作者は「プリンセス・アカデミー」の人だった。
    これも題名だけ見てパスしてたら、ロバレンコさんのとこで違う話だよ、って教えてもらったのでした(まだ読んでないけど)
    タイトルに「プリンセス」って、必要なのかしらん。つけないほうがいいんじゃないのかなあ。

  • 母親をなくした遊牧民の娘ダシュディは、運命に導かれて、王国のプリンセス・サレン姫の侍女となった。ところが、カザール卿との結婚を拒む姫と一緒に塔の中に7年間も閉じこめられることに! 前向きで勇気と行動力のあるダシュディは、サレン姫とともに生き延びることができるだろうか?

  • 純粋に面白かった!というには物足りないけど、つまらないと切り捨てるにはなにかひっかかるものがある作品。イラストはイマイチ。主人公の容姿くらい正確に描写して欲しい。

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