オン・ザ・ライン (SUPER! YA)

著者 :
  • 小学館
3.57
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本棚登録 : 200
感想 : 49
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  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784092905726

作品紹介・あらすじ

体育会系だが活字中毒の少年侃は、仲よくなった友だちに誘われてテニス部に入ることになった。テニス三昧の明るく脳天気な高校生活がいつまでも続くように思えたが…。少年たちのあつい友情、そして、明日への希望の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 第一部の活字中毒とオールマッスルズ、そのあたりはそれほどおもしろいと思えなかったけれど、事故、そしてその後家を出ていった父親と再会して瀬戸内海の島で祖父や地元の子どもたちと過ごす第二部は、情景が生き生きと描かれよかったと思います。

    第二部の各章の絵葉書、出典だけでは難しく、今ならすぐネットで調べられることを想定されているのかなあ。

  • 「体育会系だが活字中毒の少年侃は、仲よくなった友だちに誘われてテニス部に入ることになった。テニス三昧の明るく脳天気な高校生活がいつまでも続くように思えたが…。少年たちのあつい友情、そして、明日への希望の物語」

  • 二人の少年のテニスと友情の物語。
    テニスのことについて詳しく描かれており、テニス経験者にとってはとても面白かった。
    事故後も侃を責めずに実力を認める貴之の切り替えの早さが素晴らしいと思った。
    最後の「おまえが、俺の憧れだったんだ、侃。」
    という貴之の素直な台詞に感動した。

  • テニス試合をよく見るので、状況が目に浮かぶ。どこにでもあるような日常が突然の出来事で急変。立ち直るには年長者も年下の子供たち、自然の力が作用している。高校男子のありあまる熱量、傷つきやすさ、伝わってくる。2人の友情、互いにあんなにつらい出来事があっても永遠であれ。一気読み完了。

  • 「おい、硬式庭球部に入ろうぜ」。高校入学早々、前の席の羽鳥貴之に声をかけられ
    た。超体育会系なのに活字中毒の日高 侃(カン)は、どうしようか煮え切らなかっ
    たが、貴之に誘われるまま入部する。球を打つ心地よい感触に、いつしかテニスに夢
    中になっていた。侃はどんどんテニスが好きになっていった。この楽しい時間がいつ
    までも続くと思っていた。あの事故が起こるまでは。貴之が消え、侃は自分を赦すこ
    とができず、学校も休み、テニスも辞めてしまった。希望もなくなった侃は、島暮ら
    しの祖父のもとに身を寄せる。そこには、小さな子供たちが侃に懐き、島の人たちの
    温かい心で侃の心は少しずつ癒されていった。ある日、貴之から手紙が届く。「俺に
    会いたかったら来い」。侃は島から戻ることを決めた。いつまでも続くと感じていた
    青春時代。一度は消えたふたりの友情が少年たちを大人にさせる。明日への希望の物
    語。

  • 最初は読みにくく、話の展開もいまいちおもしろくなかったけれど、後半の意外な展開の部分から引き込まれた。

  • 期待値を上げすぎた。
    もう少し熱量が欲しい。

  • 20171022読了。
    隠れ読書中毒のカンは、高校で、親友の貴之に誘われテニス部に入る。その気はあまり無かったのにテニスが楽しくて仕方なくなる。テニス部に入った時に一目惚れしたカサブランカことサユリ。
    貴之の彼女である梓に心を寄せる。
     ある日貴之はカンを庇って交通事故で脚を一生回復の見込みの無い怪我を負う。ショックでカンもしばらく休学し、島で過ごす。その自然や子供達と過ごすが、貴之に呼び戻され、再びコートに立つ。

  • 月を見上げたまま、俺に背中を見せたまま、じいさんは何か言い出した。
    最初のあたりはよく聞き取れなかった。
    「‥‥神さんはな、それほどきびしいもんじゃない。おまえのことなんか、とっくに赦してるさ」
    じいさんはしゃらっと言った。
    「人間はな、自分で自分を赦せなくて苦しむんだ。神さんが赦してくれても、人が赦してくれても、な」
    俺がここに来たいきさつも、俺が何を考えているかも、なんにも知らないはずなのだが、じいさんはいきなりポイントを突いてきた。(265p)
    「ビッグイシュー」のヤングアダルト文学紹介で知って読んだ。
    内容(「BOOK」データベースより)
    体育会系だが活字中毒の少年侃は、仲よくなった友だちに誘われてテニス部に入ることになった。テニス三昧の明るく脳天気な高校生活がいつまでも続くように思えたが…。少年たちのあつい友情、そして、明日への希望の物語。

    現代の青春小説だけど、何だか昭和の剣豪小説のように思えた。古臭い友情と成長を描いているけど、普遍性もある。島で認知症を患っている元知識人の「じいさん」が、まるで世捨て人の剣聖の様に描かれている。
    オールマッスル(全身筋肉系)のバリバリテニス小説であるのと、章ごとの扉に紹介される意味深な絵画の描写。体育会系と文化系の若者に「違う世界への扉」を用意しながら、すべてを見せない。終わり方も含めて、極めて典型的なYA(ヤングアダルト)文学でした。
    2016年11月20日読了

  • ちょっと仕掛けが甘い印象。
    せっかく意味深な感じで物語に挟み込まれた、「出て行った侃の父親の蔵書の並び順」、章の前に挟まれる試合シーンや絵葉書、そういったものたちが物語に占める意味など、もう少し効果的に使うか、いっそのこと無くても良かったのじゃないかと感じました。
    大人たちの良い言葉も、効果があまり感じられず…。
    お話のほうも、貴之からテニスを奪う必然性があまり感じられなかった事、ラストの試合描写が拙かった事、侃と貴之の再会の肩すかし感等々、終わりに向かうにつれて、盛り上がっていた興奮がしぼんでしまいました。
    やっぱり一番は、侃の成長を描くのに貴之の哀しい挫折が必要だったのか疑問に感じるところ。そこがモヤモヤの原因です。
    侃と貴之のキャラと関係性、1章の学生生活部分が楽しくて好きだっただけに残念でした。

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著者プロフィール

広島出身。被爆2世。
デビュー作『かはたれ』(福音館書店)で児童文芸新人賞、日本児童文学者協会新人賞、産経児童出版文化賞受賞。その後『彼岸花はきつねのかんざし』(学習研究社)で日本児童文芸家協会賞受賞。『風の靴』(講談社)で産経児童出版文化賞大賞受賞。『光のうつしえ』(講談社)で小学館児童出版文化賞、福田清人賞受賞。『あひるの手紙』(佼成出版社)で日本児童文学者協会賞受賞。ほかの著書に『引き出しの中の家』(ポプラ社)、『月白青船山』(岩波書店)、『八月の光 失われた声に耳をすませて』(小学館)などがある。
近年では、『光のうつしえ』が英訳刊行され、アメリカでベストブックス2021に選定されるなど、海外での評価も高まっている。

「2023年 『かげふみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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