嫉妬の香り

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 226
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093423519

感想・レビュー・書評

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  • 愛していた、その全てを。
    だからこそ傍において起きたくて離したくなくて離れたくなくて誰かに取られないように自分のもとに縛り付けておきたかった。

    仕事関係で紹介した政野と恋人のミノリが関係を持っているのではないかと疑い始めた哲士。

    政野の妻である早希に復讐を持ちかけられて、押し流されるように早希と関係を持ってしまった。

    不安だった心細かった信頼していたつもりだったけれど頭の片隅では裏切られることを恐れていた。

    あー、辻仁成は久々に重いよね。
    恋は駆け引きで美しくて残酷で儚くて脆いもの。
    全力だなぁと思った)^o^(

  • 嫉妬というウイルスのよえな感情に振り回されながらも愛を求め続ける4人の男女。どろどろだけどついつい読んでしまう。

  • イチロー文庫より、これで単行本は全制覇です。長かった・・・帯にある、「マチュアな恋愛長編小説」という売り文句が逆作用して、「恋愛小説・・・読みたくねー!」と最後に回されました。

    これが吉と出まして、ハイ、江國の後でしたから。吉と言っても「まだ読めた」程度ですが。

    しっかし濃厚と言うかマニアックと言うか。
    「ニオイフェチ」と言ってしまえばそれまでですが、かなりターゲット読者を限定するものかと。自分は案外主人公の気持ち等々納得する部分が多かったんですが、ニオイに興味のない人はどう思うんでしょう?
    女性に多いらしいですね、ニオイフェチ。ちなみに。

    話は普通の四角関係、というか浮気を疑うがあまり自ら先手と称し浮気をして嘘から出た真のように疑っていた浮気を現実のものにしてしまい・・・のドロドロです。
    四角以外人が出てこない&ほぼ心情表現というかなーり狭い世界で、且つ疑心暗鬼進行という暗い設定です。プラス「ニオイフェチ」という濃厚フェロモン設定付でなんかねばぁぁぁってのが本から染み出てきそうです。

    本気で気になるんですけど、ニオイフェチって全人口の何%位なんでしょう。
    というか「フェチ」ランキングで何位くらいに入るもんなんでしょう?

  • 嫉妬ウィルスか・・・。なるほど。

  • ゲランの香水が染みこんだしおりがついていました。
    とてもいい香り。

  • 匂いフェチ(by a)

  • 強すぎる嫉妬は人生を狂わすね。

  • 都会の大人の恋愛小説。
    タイトルがそのものズバリなんだけど、”嫉妬”と”香り”がテーマになっている。恋愛をすると嫉妬はつきもの。それがたとえ大人の恋愛であっても・・・。そして嫉妬するのはいつも深く愛している側の宿命であるようだ。
    すれ違いが読者からするとすごく歯がゆくて切ない。
    自分自身でこういう恋愛をすることがないとしても、ひととき、大人の恋愛を味わった気になれる。もうひとつのテーマの”香り”は物語の随所に登場して、良い加減の小道具?スパイスになっている。
    女性と香り、癒しと香り、恋愛と香り、不倫と香り、嫉妬と香り・・・香りが触媒になって、読者のイメージを膨らませるのにすごく役に立っていると感じた。

著者プロフィール

東京生まれ。1989年「ピアニシモ」で第13回すばる文学賞を受賞。以後、作家、ミュージシャン、映画監督など幅広いジャンルで活躍している。97年「海峡の光」で第116回芥川賞、99年『白仏』の仏語版「Le Bouddha blanc」でフランスの代表的な文学賞であるフェミナ賞の外国小説賞を日本人として初めて受賞。『十年後の恋』『真夜中の子供』『なぜ、生きているのかと考えてみるのが今かもしれない』『父 Mon Pere』他、著書多数。近刊に『父ちゃんの料理教室』『ちょっと方向を変えてみる 七転び八起きのぼくから154のエール』『パリの"食べる"スープ 一皿で幸せになれる!』がある。パリ在住。


「2022年 『パリの空の下で、息子とぼくの3000日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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