アンダーカバー: 秘密調査

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 341
感想 : 51
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  • Amazon.co.jp ・本 (484ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093798624

作品紹介・あらすじ

罠には世界を震撼させる陰謀が潜んでいた

戸鹿野智貴は若干28歳の若きカリスマ経営者。設立したネット企業を成長させ、一躍注目の的となる。ところが──女性と旅行に行った異国の地で、謂われなき麻薬密輸容疑をかけられ、一気に転落。会社は清算に追い込まれ、全財産を失ったすえに、刑務所へと収監される。

二年後──。その取材を進めるテレビ局記者の伊刈美香子はフィリピンの刑務所を訪ね、戸鹿野のインタビューに成功する。だが、戸鹿野の容貌は別人のように変わり、刑務所での苛酷な日々を知らされる。

一方──。イギリスで麻薬捜査を手がけるジャッド・ウォーカーは、ユーロポールへの派遣が決定する。イタリアへ赴任すると、地元マフィア幹部の惨殺死体が発見され、しかも同じ拷問を受けた死体が別の国からも報告される。ユーロ・マフィアの内部抗争勃発か……。

五年の時を経て──戸鹿野が釈放されたというニュースが駆け巡る。だが、彼は姿を消した……。

真犯人を探し求める元カリスマ経営者、その事件を追う女性記者、そして連続マフィア殺人を調べるイギリス人捜査官。
それぞれに進められる三つの調査がいつしかひとつにつながり、予想もしない犯罪計画が姿を見せ始める──。


【編集担当からのおすすめ情報】
取材の入念さで知られる著者が、グローバル社会における世界の犯罪事情を的確にとらえ、日本にいてはうかがい知れない巨悪との戦いを見すえて、迫真の物語を展開させていきます。ページをめくるごとに読む側も翻弄され続ける、まさしくノンストップ・スリラーです。

感想・レビュー・書評

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  • 系統的には、私があまり入り込めなかった「アマルフィ」に似ている感じで、海外が舞台。日本人が描く海外作品があまり得意でないのか、前半は話があちこち飛ぶのが本当に苦痛で・・・でも、みんなのレビューの評価もいいし、続けて読んだけど・・・智貴が無実の罪で、フィリピンの刑務所を釈放されてから、自らの手で復讐を始めてからは、少し読むスピードが上がったが、最終的に標的が大きすぎて、期待外れに終わった感じ。

  • 麻薬密輸の冤罪でフィリピンの刑務所に収監され、会社と財産をすべて失った男・戸鹿野と、マフィア掃討を手掛けるユーロポールの捜査官・ジャッド。主にこの二人の視点でストーリーが進む。

    全く異なる場所から同時進行で進む2つの事件が何時繋がるのか。当然、最後にはちゃんと繋がっていくのだけれど、そこに到達するまでがちょっと長すぎかも。もともと海外マフィア自体が複雑で一筋縄ではいかないのだろうが、あえてその場所での事件構造を複雑にする必要があったのかなと。そこをもっと簡略化して、戸鹿野の真犯人捜しにページを割いてくれたほうがより分かりやすく、面白くなったんじゃないかな。と辛口を言いつつ、著者らしい世界を股にかけた陰謀ハードボイルドで、最後まで面白く読ませてもらいました。

  • #読了。自ら興した会社を巨大なIT企業をへと成長させた戸鹿野は、フィリピンで身に覚えのない薬物所持で刑務所に。一方、ユーロポールの捜査官はジャッドは、国境を越えた麻薬捜査に当たる。2人の動きが徐々に近づくにつれ真相が・・・スケールは大きいのだが、展開が唐突の様な。トム・クランシーを思い出した。

  • 新年2発目に良い本にぶち当たりw

    真保裕一の「アンダーカバー 秘密調査」

    ホリエモンみたいに急成長を遂げた、やり手若社長の戸鹿野が休暇にそれなりの女性とフィリピンへ旅行へ行った先で…。

    仕組まれた麻薬密輸容疑の罪で囚われ25年の求刑を宣告される…。

    その間にアジア、ヨーロッパ、アメリカと世界を駆け巡る巨大な陰謀が目まぐるしく畳み掛けるお話。

    久々に面白い本じゃなぁ♪

    時系列、エリア系列の展開で段々と『時と地』がリンクしてくる展開がゾクゾクしたなぁw

    絶対、続編やって欲しい!ってか続かないと納得いかん(笑)

  • ふむ

  • 『アンダーカバー 秘密調査』/真保裕一

    普段、中々、単行本は購入しないのですが、久しぶりに購入したのが、本書になります。また、著者に関しても、はじめての作品が本書になります。

    ストーリーの展開として、特に面白かったのが、題名が「アンダーカバー 秘密捜査」ということだったので、刑事もののおとり捜査だったり、そういう展開なのかと思いきや、主人公は、一昔前のトレンドだった(?)IT会社の若手社長の戸鹿野。
    彼は、愛人の女性とフィリンピンを訪れますが、出国審査の際、麻薬を所持していた罪で、当局に逮捕されてしまいます。それをきっかけに彼の会社の信用はがた落ち、彼は一人フィリピンの刑務所に5年間服役することになります。

    ただ、無能に5年服役していたわけではなかった戸鹿野。彼は真犯人を突き止めるべく、動いていました。
    それと同時に、ヨーロッパではマフィアの抗争事件が勃発。ユーロポールの刑事であるジャット・ウォーカーが捜査に乗り出します。

    何の接点もないように見えた二つの事件がクロスする時、見えてきた巨大の陰謀とは・・・
    大きな川の支流であった二つの事件が、徐々に交錯する展開とそのスピード感に、次へつぎへとページを捲る手が止まらなくなる作品でした。

  • 罠にはめられた若きIT社長の挑戦。

    フィリピンに恋人と旅行に出かけていたIT企業ビッグドライブの社長・戸鹿野智貴は、何者かによってホテルで購入した葉巻を麻薬にすり替えられ、無実の罪で収監されてしまう。

    その間にビッグドライブは倒産し、合併話のあった最新技術を持った西山製作所は、ビッグドライブの事業を引き継いだ同窓の弁護士の会社と合併する。

    フィリピンの獄中から情報を収集し、囚人を手なずけ、フィリピンでの犯人を突き止め、釈放された戸鹿野は、自分を罠にはめた真犯人を追って、日本に帰国する。

    合併話に隠された研究開発の資金の流れと研究者の自殺、戸鹿野に迫りくる真犯人の影。

    世界を舞台にしたマフィアとの闘争に従事するジャッド・ウォーカーの来日によって、グローバルな問題へと飛躍くしていく。

    世界を舞台にしたマフィアとテロ組織の闘争に巻き込まていく戸鹿野。

    真相はいかに!?


    久しぶりに、作者らしい複雑極まりない構造とハードボイルドを堪能しました。

  • ちょっと出来過ぎかな。
    面白かったですけどね。
    主人公はスーパーマンなのかな。
    よくある事ですね。

  • 異国の地で無実の罪を着せられた若きカリスマ経営者が真相を探るべく、知識とセンスと強い意思で己を嵌めたものに立ち向かう
    そして、舞台は世界へと繋がる

    真保さんらしい、海外が舞台のスケールが大きな物語で読み応え有りな作品でした

    戸鹿野智貴という一人の平和ボケした日本人が、罠に嵌まり真実を明らかにするべく、持ち前の知恵を武器に心身共に強くなり世間の波を渡り歩き核心に近付いていく、とんだ災難でしたね、ゆっくり休んで下さいねと声を掛けたくなる丁寧な描写は流石でした

    最後も最近読んだ本の中では、久々にスッキリした内容で、登場人物のその後も、皆きっと前を向いて新たな日々を粛々と同じように過ごしていくんだろうなと、余韻まで楽しめた作品でした

    個人的には、ジャッドが主役の物語をシリーズで読んでみたいな~!

  • 手に汗握る展開で最後までドキドキしながら読んだ

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著者プロフィール

真保裕一(しんぽ・ゆういち)
1961年東京都生まれ。91年に『連鎖』で江戸川乱歩賞を受賞。96年に『ホワイトアウト』で吉川英治文学新人賞、97年に『奪取』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞長編部門、2006年『灰色の北壁』で新田次郎賞を受賞。他の書著に『アマルフィ』『天使の報酬』『アンダルシア』の「外交官シリーズ」や『デパートへ行こう!』『ローカル線で行こう!』『遊園地に行こう!』『オリンピックへ行こう!』の「行こう!シリーズ」、『ダーク・ブルー』『シークレット・エクスプレス』『真・慶安太平記』などがある。


「2022年 『暗闇のアリア』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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