逆説の日本史 22 明治維新編: 西南戦争と大久保暗殺の謎

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (525ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093798891

作品紹介・あらすじ

明治国家はいかにして成立したのか?

元号を「明治」と定め、江戸を「東京」と改めた新政府は、版籍奉還に続き廃藩置県を断行。さらに通貨制度を整え地租改正を行なうなど、近代国家としての骨組みづくりを急速に進めていった。しかしその裏では、銅山横取りや公金横領といった恥ずべき汚職の数々が蔓延していたのである。
一方、政府内では深刻な政治抗争が起きていた。西郷隆盛・板垣退助らと、岩倉具視・大久保利通・木戸孝允らの対立である。この政争に敗れた西郷・板垣、そして江藤新平は、新政府を去ることになる。後に「明治六年の政変」と呼ばれるこの争いの原因は、西郷が唱える強硬な「征韓論」にあったとされる。だが、西郷は本当に「征韓論」にこだわっていたのだろうか? かの勝海舟はこんな意味深な言葉を残している――「西郷は征韓論者じゃなかったよ」と。
やがて下野した江藤、西郷は、ともに故郷の不平士族たちに担ぎ上げられ蜂起するも敗走。江藤の斬首、西郷の自刃をもって「サムライの時代」は名実ともに終焉を迎えることになる。そして、二人を葬り去った“黒幕”大久保もまた、不平士族の凶刃に斃れるのであった。




【編集担当からのおすすめ情報】
約2年ぶりとなる『逆説』シリーズ最新刊は、掲載図版資料も豊富! 関東大震災で壊滅した「銀座煉瓦街」や、西南戦争で焼失する前の熊本城などの貴重な古写真に加え、田原坂の戦いでの薩軍VS官軍の攻防図、大久保暗殺地付近のMAPなども収録。全528ページの大ボリュームでお届けします!

感想・レビュー・書評

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  • 木戸孝允が病死し、西郷隆盛が自決し、大久保利通が暗殺される
    いよいよ近代の始まり

  • 2019年3月7日、津BF

  • ☆☆☆2019年1月レビュー☆☆☆


    逆説の日本史22巻は、西南戦争前後の歴史。
    今回もっとも印象に残ったのは
    岩倉視察団が欧州視察旅行に出た際、残されたメンバーの留守政府。この政府が非常に優秀だったということ。
    日本と中国は対等だと認めさせた副島種臣。日本の司法を成立させた江藤新平。その他、地租改正など困難な政策を次々と成し遂げた。
    従来の歴史では、渡欧組は先進的な視点をもち、国内留守組は考えが古いかのような視点で語られることが多いが、「留守政府は非常に優秀」というのは、冷静に考えれば正しい分析だと思う。
    そんな中で、西郷が征韓論を唱えていたかどうかというのは未だに議論が分かれているところだ。


    西南戦争に関しては、熊本城消失と同時に薩摩軍の宿泊場所もなくなり、冬の寒さの中で野営を強いられたことが大きな敗因だと述べている。
    西南戦争は日本最後の内戦だが、『翔ぶが如く』で読んだだけの知識しかなかった。
    天候にスポットライトを当てた分析は適格だと思った。

  • 大久保利通の死までと補遺編。

  • 朱子学の毒 (1)人間を身分で縛り付ける(2)女性を家に閉じ込める (P18)
    信長は実力主義 身分に関係なく登用[秀吉]→家康は身分を固定、反乱を防ぐ
    朱子学の本場中国は「科挙」により身分制度を超越できる 日本はダメ
    しかし科挙は朱子学 変化への対応力はない (日本の下級武士は毒されていない)
    朱子学に染まった人間の考え方を変えるのがいかに難しいか
    島津久光

    時代の変革期 外国勢力と組んで権力を保持、国を売る 「売国奴」
    徳川慶喜もやろうと思ったらフランスと組んでできたが、彼はそれをしなかった
    会津は負けて良かった(26)
    負けるべくして負ける そこに「時代と歴史の意志がある」

    武士150万人の廃止が明治維新の最大の課題 ⇒大久保利通の時代意識
     版籍奉還
     廃藩置県
     秩禄処分
     廃刀令

    現代から見ても、どうしてこれが実現できたのか、不思議!

  • いよいよ明治編。今回は補講編つき。
    筆者の言う通り5年間で事を進めた維新政府の果断さは痛快極まる。多分東京の人々は江戸庶民として暮らしていたと思うが列挙を仮想してよく頑張ったと思う。特に法律関係で辣腕だった江藤新平の死は誠に遺憾である。

  • 這本書提到使節團以外的留守政府的優秀,例如大隈(明治五年居然鐵路就初通車!)和江藤,征韓論其實是日本教(神道+儒學)產生的常識(認為神功皇后三韓征伐是史實,因而韓國就是固有領土),西鄉之所以下野當然是因為同志們不想讓他送死(從和月照入水不成後,他一直有自殺願望),另外就是薩長(木戶、大久保)還是無法接受參議多半非薩長,功績被土肥等人端走,因此策畫這場政變(讓岩倉去說服天皇不要同意),因此土肥這些人失敗就跟著下野。作者提到江藤不是佐賀之亂的主事者,只是硬要回國被捲入被拱出來當首領,被抓之後馬上在佐賀快速審判梟首除族就足證大久保的陰謀,為了加速進行近代國家的建設,他認為就必須做得這麼絕。再來談到西南戰爭,薩軍決定打熊本城是錯誤的決定(熊本城天守炎上有成功之望的心理因素,加上拿下的話宣傳效果很大),氣候超冷,後來又要分頭守田原坂,熊本城圍不下來,背後還被海軍上陸,但最了不起是西鄉還是逃回鹿兒島戰死。

    補遺花了很大部分在重複前面數冊的見解(對某報紙的評論真是辛辣),比較值得一提的是元寇神風其實是捏造的事實(因為公家不願意承認是武家的功勞),其實真正的關鍵還是武家擊退聯合軍。

  • ちょっと冗長に感じるところもあったが、大隈重信が維新を推進した話、江藤新平の人物像や西郷隆盛の自殺願望など、興味深い内容も多々あった。

  • 明治維新を迎え、日本は近代へ向かい、まさに産みの苦しみ。

  • 最初の3分の2は大久保利通が暗殺されるまでの明治時代の話。
    後半の3分の1は補遺編ということで、逆説の日本史の考え方の総復習と過去の内容の修正等の解説。

    後半3分の1は著者の従来の主張通りであり、やはり日本史において日本固有の宗教についての理解が必要であるという著者の主張は説得力があると感じる。

    前半の明治の話は、行政の仕組みや社会の情勢が本当にわかりにくい明治初期において、明治政府の主要な人物達がどういう考え方で行動していたのかがよくわかって面白かった。

    維新の三傑と江藤新平が維新終わって10年もたたずにいなくなるということが、この過渡期における必要な帰結なのかがどうかが気になる。

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著者プロフィール

1954年、名古屋市生まれ。早稲田大学法学部卒業後、TBSに入社。報道局在職中の80年に、『猿丸幻視行』で第26回江戸川乱歩賞を受賞。退社後、執筆活動に専念。独自の歴史観からテーマに斬り込む作品で多くのファンをつかむ。著書は『逆説の日本史』シリーズ(小学館)、『英傑の日本史』『動乱の日本史』シリーズ、『天皇の日本史』、『お金の日本史 和同開珎から渋沢栄一まで』『お金の日本史 近現代編』(いずれもKADOKAWA)など多数。

「2023年 『絶対に民主化しない中国の歴史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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