- Amazon.co.jp ・本 (134ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093860628
作品紹介・あらすじ
作家・吉本ばななさんが涙した、喪われし少女たちの恋の物語。
あまりに切なくて、気持ちが引き裂かれそうになる、そんな恋愛小説ができました。誰もが一度は、こんな恋をしたいと思ったはずなのです。でも誰もが、きっとこんなに純粋ではいられなかったのです。この本は、喪われた少女性を愛してやまない一人の作家が、一行一行を懸命につむいだ最高の恋物語を収めています。本書を読んだ吉本ばななさんは、こんなコメントを下さいました。「この小説は私を泣かせた。文がずばぬけてうまいから? あの時代のたまらなかった気持ちを思い起こさせたから? いや、それだけではない。ここに出てくる主人公たちの高潔な人格が、この汚れた時代を生きていく、ただそれだけで涙を誘うのだ。野ばらちゃん、最高!」どうかご一読下さい。
感想・レビュー・書評
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これはすごい…。
求めていた世界観、文体が今ここに。
『世界の終わりという雑貨店』『ミシン』の2作が入ってる。
愛の盲目をここまで表現出来るのか。
どちらの話もすっきり読めるけど内容はなかなかで最高に痺れる。のばらさんのほかの作品も読んでみたい!!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
初めて読んだ学生時代から、繰り返し時々読んでしまいます。どちらも儚く破滅に向かうストーリーなのですが、嶽本野ばらの世界がこれでもかと強引に展開されていくのが好きです。
どちらかと言うと世界の終わりという名の雑貨店のほうが好みです。女の子がケイタマルヤマのマフラーを買ってもらうところと、スケッチブックでやりとりをする流れが好きです。こんな恋愛やシチュエーションに憧れてはいけないと分かっていつつも魅力を感じずにいられません。 -
高校の時に読んでいたのを忘れていたが、新鮮な気持ちで読めた。
当時は話に引き込まれるただの悲恋の話という印象しかなかった。それはそれで面白かったが。
社会人となり、読み返してみたら、この本に詰め込まれたものが少しながら理解できた気がする。高校生の頃は、なぜ貴方が病室に現れた時に性行為を求めたのかわからなかったし、「不安神経症」という単語を見落としていたこと、人がこんなにも簡単に壊れること、愛とは簡単なものではないこと、色々と気付いていない部分がたくさんあった。
ミシンも、今思えば高校生の頃はほとんど理解できていなかった。執念とはこれほどまでに人を変えるのかと怖かったし、なぜミシンが主人公を選んだのか、ラストも歪んだ一種の愛であると解釈した。
そして、服はただの布切れではなく、人物の生き方や在り方、話のテーマ、そして服にはそれぞれのコンセプトがある。服無くして物語は成り立たない。そんな野ばら作品が、やはり素敵で大好きです。
この服は、私が着なくてはならない。私が着るために作られた。この部分が印象的です。 -
私は野ばらさんの書く恋愛は
ファンタジーなんだと思って読んでいる。
そうとでも考えなければ受け入れられない程の、
愛し方を登場人物たちはする。 -
まずこの本の表紙の色が好き、「世界の終わりという名の雑貨店」を読んでいた時はこの哀しくて美しい色が胸にさあっと広がる、ミシン、美心、missin’………
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哲学を持って服を纏うことが好きなので、野ばらちゃんは、どれを読んでも心が揺さぶられるということが確定しました。
服は、ただの布ではなくて、布に人間が希望や絶望を込めた時点で身体に纏わり付く魔法や呪いになる。
そのことがきめ細かく描かれていて、野ばらちゃんの作品は、やっぱり好きだ。
そして、いつも、愛の本質を知らされる。例えば、こんな言葉「よく、お互いがだらしなく、そのだらしなさを赦しあっているカップルがありますが、それは単にお互いがだらしなく、そのだらしなさを赦しあっているだけに過ぎないのだと思います。」見事に私の普段感じているフラストレーションを言い当てていて、すっきりした。
未だに、夢物語にうつつを抜かすような夢見る夢子ちゃんなので、汚れのない少年しか愛でられないし、品のある大人の美しさも知れる人間になりたいです。 -
生き辛いまでの拘り。全身Vivienne Westwoodな君と店主の「世界の終わりという名の雑貨店」はしんとして清廉な逃避行。反プラトニックな事が地に足を着けた現実味なのかな。パンクバンドの尖ったボーカルに憧れる私がMILKで繋がる表題作は理想がエスの反面私にだけ優しいミシンが夢染みて湿っていて、結末が徹底していた。
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うーん、、、ごめんなさい、無理でした;
どことなく倒錯した世界観、マニアックなアイテムや薀蓄、そして中二病的な登場人物たち…。どうもこの人の作風らしいが、予備知識なしで読んでしまったので、単純に合わなかった。
「世界の終わりという名の雑貨店」これは、純愛と言えるのか?感動したって言うレビューもあったけれど、申し訳ないが、ロリコンの妄想にしか思えなかった。
「ミシン」は、中二病全開で、正直ドン引きに近かった。収穫があったとすれば、「エス」についてくらいか。この点だけは共感できるものがあった。
全体を通して全く合わなかった本作だが、唯一理解できたのは、服装というのは単なる自己表現ではなく、自分自身の尊厳と結びついている、というところ。
その一点で、今回レビューを書くことにした。
レビュー全文
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