大人ドロップ

著者 :
  • 小学館
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感想 : 63
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093861106

感想・レビュー・書評

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  • 淡々と読み終えた。

    読んでてほとんど感情の起伏がなかった。
    出てくるキャラクターに、
    共感できそうであまり共感できなかった。

    なぜだろう。

    きっと、文章を’た’で終わらせてることが
    多いからだと思った。
    ’た’で終わるのが多いと、
    感情が乗りにくい文章に見えるんだ。

    それと、読んでて何か違和感があった。

    違和感の正体は、一人称がぼくの主人公が、
    一度も名前を呼ばれていないからだ。 
    この主人公名前が出てこないじゃないか。

    でもそれだけじゃない。 

    名前を呼ばれないってのも、’た’で切るのが多いのも、
    意図的なのかと思えた。
    けど、違う何かが違和感となって読んでいる間中、
    付きまとっていたんだ。

    後半に入ってからは、
    それを頭の片隅で考えながら読んでいた。

    あっ、主人公のセリフと語り口に語彙の
    差があり過ぎるんだ!!

    セリフはよくいる平凡な10代の少年のソレなのに、
    情景や心境を語る時、妙に小難しい表現や
    単語を使っている所に違和感を感じるんだ。

    これは意図的なのか? 
    それとも文章で食っている人の性で、
    俺は難しい言い回しを知ってるんだ!!
    って使いたくなってしまったのか・・・

    他の人は何とも思わないかもしれない。
    でも、ぼくにはとても引っかかってしまう部分だった。

    まぁ、大人になった主人公が回想してるから、
    難しい言葉も使ってたんだねって
    解釈をしておくことにしよう。

    ぼくも意図的に’た’で切るのを増やしてみたんだけど、
    難しいね。

    カンユドロップとサクマドロップは同じじゃないの?

    • aida0723さん
      オイラはレビューを書こうとしたときに主人公の名前がないことに気が付きました(笑)
      オイラはレビューを書こうとしたときに主人公の名前がないことに気が付きました(笑)
      2016/09/24
  • 「子ども」と「大人」の違いってなんなのか自分もわかっていないが、ふとした経験や考え方の違いなのかもしれないなあと思えた。主人公も、友人も、そして好きになった女の子も、みんな子どもかもしれないし大人なのかもしれない。自分もあのドロップが好きだったなあと懐かしくなった。

  • ぼくは,小学生の時に転校してきた入江さんと仲良くなったが,
    高校生になったら,気にはなるもののほとんど会話をすることもない。
    そんなとき,友人のハジメが入江さんと話がしたいという。

    いかにも青春という感じだが,物語の端のほうの始末が不十分で,
    すっきりしない。
    読みやすいんだけど。

  • タイトルに非常に魅力のある作品で、手にとったのももちろんタイトルに惹かれてだった。
    その分内容をほとんど覚えておらず、今回再読したものの「こんな話だったのかあ」というある意味新鮮な読後感ではあった。

    高校時代の話となると、どうしたってこういう曖昧模糊としたものになってしまう。リアルといえばリアルだけど、読んでいて非常にもどかしい。「ぼく」はあらゆることが「よくわからない」と思う。男の子だからだろうか。「わからなさ」の種類が違うような気がする。
    「入江さんによく似た女性」ってどうして登場してきたんだろう。
    登場人物にあまり必然性が感じられないところがリアルなのかもしれない。
    いろんなことがすっきりしないあたりが「文学」っぽいと思う。

  • 大人になるとはどういうことなのか?を求め続ける「ぼく」と友人たちのひと夏の物語。

    良くも悪くもあっさり風味であるため、読みやすい反面、残るものが少ない。

  • 大人になりたくても、なれない。
    大人になりたくなくても、なってしまう。
    そんな高校生の心情が綺麗な描写で描かれていました。 

    大人ドロップって何?飴??それとも、、

  • <otona-drop>
      
    装画/浅野いにお
    装幀/片岡忠彦

  • 「ビブリオバトル2014~京都決戦~四国Aブロック地区予選」
    (10月25日(土)/徳島市立図書館)
    (チャンプ本)

    所蔵なし

  • 高校生の頃のぼくと、蘊蓄好きで小太りで入江さんに恋するハジメと、クラスメイトの女子の入江さんとハルの、皆で映画を見に行こうとしたりイヤホンを使って電話越しに会話を指示しようとしてみたりの夏の日々が、仄かな陰りと微妙な年代さで、ただ爽やかな風ではない、甘酸っぱくて大切なあの頃という感じにそわそわした。

  • 【あらすじ】
    彼女を好きだったのは「彼」だったかもしれない。

    彼女と目があった瞬間、脳裏をかすめたのは高校生の頃の蒼い記憶だった――。
    あの夏、ぼくは親友のハジメに頼まれて、クラスメートの入江さんと彼のデートをこっそりセッティングした。ところがその作戦が原因で入江さんをひどく怒らせてしまう。
    ぼくと入江さんの間には微妙な距離が生まれ、その頃からどういうわけか彼女はよく学校を休むようになっていた。やり場のない気持ちを抱えたまま迎えた夏休みのある日、彼女が学校をやめる、という話をハジメから聞かされる……。
    大人でも子供でもなかった頃の、みずみずしい記憶を鮮やかに呼び覚ます青春の物語。

    【感想】

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著者プロフィール

作家・料理家。1981年生まれ。服部栄養専門学校卒業後、料理教室勤務や出張料理人などを経て、2005年『さよならアメリカ』で群像新人文学賞を受賞し、デビュー。同作は芥川賞候補になる。作家として作品を発表する一方、全国の食品メーカー、生産現場の取材記事を執筆。料理家としても活動し、地域食材を活用したメニュー開発なども手掛ける。『ぼくのおいしいは3でつくる―新しい献立の手引き』(辰巳出版)、『もっとおいしく作れたら』(マガジンハウス)、『低温調理の「肉の教科書」―どんな肉も最高においしくなる。』(グラフィック社)など著書多数。

「2023年 『樋口直哉のあたらしいソース』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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