下妻物語・完 ヤンキーちゃんとロリータちゃんと殺人事件: ヤンキーちゃんとロリータちゃんと殺人事件
- 小学館 (2005年6月29日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093861533
作品紹介・あらすじ
ダメ親父のバッタもの商売が原因で尼崎を追われ、茨城県は下妻に越してきたロリータ少女・竜ヶ崎桃子は、絶滅寸前のヤンキー少女・白百合イチゴと出会い、ふたりは無二の親友となった(ここまで前作。ただし、親友については桃子は認めていない)。桃子は、大好きなブランドBABY、THE STARS SHINE BRIGHTでモデルをやるようになっていたイチゴと、連れだって代官山へ行くようになっていたが、ある日いつものように高速バスに乗ると殺人事件に巻き込まれ、足止めを食らってしまう。殺されたのは歌舞伎町のヤクザの幹部。アリバイがないのと疑惑たっぷりの見た目で、イチゴに容疑がかけられる。桃子探偵は真犯人捜しを始めるが…。
感想・レビュー・書評
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前作から引き続いてのロリータ桃子とヤンキーイチゴの一風変わった友情物語。
こちらも10年以上前に読んだ再読。
殺人事件が中心となるのでそのトリック(トックリbyイチゴ)や顛末の描写が多く、退屈を感じる時もありましたが、桃子のシビアな目線がおもしろいのは変わらず。
イチゴも素直でいい子だなぁ。あのバカさ加減が愛嬌あっていい。
最後の桃子が東京にデッパツするシーンは泣いたなぁ。
ほんのりと読者が気づいていたことに桃子自身が気づく独白は、桃子特有の毒舌にまみれてるけど優しくて。
イチゴが当たり前の生活を下妻で送ることになるであろうこと、その当たり前が何よりイチゴにとって幸せなことだと桃子はわかってて、ある意味願いのようなものなんだよね。
愛しい、可愛い、桃子とイチゴの物語。
パリコレ上等。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
桃子がお洋服やロリータについて語る言葉、かなり好きです。
1作目ほど衝撃(笑)はなかったけれど、やっぱり面白い。『完』なのかなあ…“目指せパリコレ”編、読みたいんですけど。 -
最高の友情小説!
全くタイプも性格も見た目も違う2人なのに、こんなに親友になれるなんて、これが本当の友情だなーって思う。
イチコも、捻くれてるように見える桃子も実はめちゃめちゃ素直な子なんだろうなー。
どっちも自分に素直に生きているからこそ、心から信頼し合える人に出会えたんだろうな。
わたしもたくさん友達はいるけど、本当の友達っているのかな? -
意外な犯人でしたが、イチコと桃子が、並んで歩いている事が、とても嬉しいです。さらにその後を期待しちゃう、かも(笑)
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続編は賛否両論ですね。ふたりにまた会えたのはうれしいんです。でも、いつまでも貴族の森でおしゃべりしているふたりであってほしかったなあと思わずにはいられません。
ミステリ部分はスパイスです。細かいことはいいんです。本格なわけないじゃないですか。ただ、あのキャラをこういうふうには使ってほしくなかったです。
桃子ちゃんのロココな精神、イチゴちゃんの真面目さなどなど、登場人物の絡みや会話(たまに薀蓄)を楽しむ作品です。ロココやお洋服、純正ヤンキーについて全く無駄な知識がつきます。
逆に30代になったふたりの物語は読んでみたいと思います。でもやっぱり少女は永遠であってほしい…。
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ロココを愛するロリータの桃子と、時代錯誤なヤンキーのイチゴ、ふたりの女子高生の下妻を舞台にした友情物語。
映画化されて一躍有名になった前作から引き続き、桃子とイチゴのかみ合わないようでかみ合っている不思議な関係は絶好調。
ふたりが東京から下妻に帰るために乗った高速バスのトイレで、殺人事件が起きる・・・・というストーリーなのだけれど、その謎解きはあくまで物語のエピソードのひとつでしかなく、この作品の面白さはやっぱり絶妙なキャラクターとコミカルな描写だと思う。
桃子やイチゴは言うに及ばず、駄目親父から桃子の祖母、今回から登場したジャスコの警備員セイジまで、なんとも笑えて愛らしい。 -
この続編は、個人的には蛇足だったかな…と云う気がしてならないです。
桃子といちごの2人のやり取りをまた見られるのは楽しいのですが、
何と云うか、どの点においても中途半端未満な印象を受けました。
まぁミステリーじゃないので、本格的な推理は必要ないとはいえ、
殺人事件に巻き込まれて、あの結末は一寸…。
お洋服の描写に胸がときめいた位はありますが、
だったらロリィタ雑誌を見たら良い事ですし…。
桃子の恋というのも、もう一寸慎重に書いて欲しいなと思いました。
特に何かする訳でも無く、潔く身を引くのは良いと思いますが。