親指の恋人

著者 :
  • 小学館
3.02
  • (50)
  • (133)
  • (338)
  • (117)
  • (51)
本棚登録 : 1344
感想 : 285
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093862059

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 苦しくてかわいらしいお話でした。

    中村佑介さんのかわいい装画なのに、中身は苦しくて苦しくて悲しい。
    幸福と不幸がマーブル模様のように混じり合った印象です。

    目次の次の見開きの驚きから始まります。
    その驚きを引きずりながらマーブルの中を進んでいきます。

    彼は彼女に出会ってよかったのでしょうか?
    それが私にはわかりません。
    ですが、私はこの本に出会えて良かったです。
    もう二度と読むことはないかもしれませんが。

  • やばいやばいと思ってた展開どおりになるから読んでてつらい。ジュリアが最後まで幸せになれないのが苦しかった…。結局切れない「親」とあまりにシビアな現実、生々しいからつらい。しかし石田さんは男女の恋愛=セックス、って思考のようで読む本に欠かさずあってうんざり。

  • 石田衣良さん、初読み本です

    何かで見かけて読んでみたくて、ほんとうに何年も前に図書館で見つけて読んだ本

    生きてさえいれば、って思うことが多い私だけどこんなにも不幸って続くものなのかと。後半になるにつれて悲しい気持ちになっていきました。不幸とか絶望のなかにもどこか光がみえるようなそんな物語はよく読むけど、これは無いから辛いですね

  • 最初に新聞記事があって、その結末に向かっていく。
    純愛が叶うよう願いながら読み進めるも、記事のとおりの結末。
    幸せになれる物語というよりは、2人の愛に心温まりつつも、真綿で首を絞められるような苦しい読み応え。

  • 著者の作品は、初めて読みました。最初に結末があって、その結末にどのように至るのかという流れ。読んでいて、物悲しさだけが残った感じです。悲しい結末のラブストーリーと言ってしまったら、ダメでしょうかねえ。

  • 話の落ちが分かっていてそこに向かってストーリーが展開されているためやや興ざめではある。しかしこの世代の若者独特の虚無感や孤独は共感できた。現代格差社会に切り込んだなかなか考えさせられる作品。

  • 格差社会の恋愛のお話。
    ある程度柔軟にならないと、生きてはいけなかった
    若者のお話。
    親がお金持ち男性のほうがもっと大人であってほしかった。

  • ロミオとジュリエットを彷彿させる作品でした。
    生まれた環境の違い、幸福と不幸とは何なのか等、考えさせられる作品でした。
    「どの家庭の幸福と不幸の量は決まっている」というような文に、なるほどと思いました。

  • とても読みやすい作品でした。
    澄雄と樹理亜、本当にああするしか無かったのかな。
    私は社会の上の方でも下の方でもないので、考えることしかできないけれど。
    中ぐらいの人でも、悩みはあるし。
    純愛物って素敵だけれど、切ないよね。

  • 生まれながら、極端に経済格差のある澄雄くんと樹里亜さんの悲恋の物語。よくあるストーリーで二人を引き裂く悲運が続く中、唯一残された死の幸せを選ぶ結末。それぞれの家庭や舞台地の描写は、いかにも今風。最後に二人でひたすら真っ直ぐ進む場面は儚くてグッとくる!

著者プロフィール

1960年東京生まれ。成蹊大学卒業。代理店勤務、フリーのコピーライターなどを経て97年「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。2003年『4TEEN フォーティーン』で直木賞、06年『眠れぬ真珠』で島清恋愛文学賞、13年 『北斗 ある殺人者の回心』で中央公論文芸賞を受賞。他著書多数。

「2022年 『心心 東京の星、上海の月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

石田衣良の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×