- Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093862868
作品紹介・あらすじ
信州にある「24時間、365日対応」の病院では、今日も奇蹟が起きる。「一止とハルさん」の新たな物語。
感想・レビュー・書評
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前作に続き最高の作品でした。。
とにかく登場する人が全員いい人だから読んでて癒される。
患者のために生活を捨てて仕事に忙殺される医者に対して、疑問を投げかけるシーンは、社会人であれば誰しもが感じたことのあるジレンマで、グッとくる。
栗原の「医師の話ではない。人間の話をしているのだ!」はマジで痺れました。
そして、太狸先生と古狐先生の友情や、栗原と進藤の過去、栗原とハルの信頼と、癒しと涙が止まらないこの作品に文句のつけようがありません。
次回作も楽しみです!
あと、「良心に恥じぬということだけが、我々の確かな報酬である」もすごい胸に響きました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
1作目と同じく、なぜか物語に入っていけず。
奥さんが冬山をエスコートしてくれるという斬新なビジュアルだけが頭に残ったです。。
いますでにスピノザを読みながら、自分なりにその答えを掴みかけている気がする。 -
栗原一止が勤める本庄病院に、学生時代共に過ごした友人 進藤辰也が赴任してきた。成績優秀、志高く常に仕事に真摯だったはずの彼は、患者を放って早々帰宅するドライな医師になっていて…
「良心に恥じぬということだけが、我々の確かな報酬である」かつてこの言葉を胸に刻み合った友人の変貌に驚き、原因を探ろうとする一止ですが…
モンスターペーシェントなど患者側の問題や、人手不足による過労…医師の労働事情は現在でもあまり改善されていないし、ハードワークの科では他科に比べ、10年も寿命が短いという説もあります。「医者の不養生」の言葉通り、40代の働き盛りに亡くなった方もいます。
真摯に仕事に打ち込むほど、家庭を顧みることも難しく、自身の健康すら損ねてしまう現実。
共に長い時を過ごした夫婦のあたたかな最期の時間、大切な人を亡くす堪え難い寂しさ。
それでも夫婦っていいなぁ、家族はあたたかいな…
泣いてしまいました。 -
『この町に誰もがいつでも診てもらえる病院を』
大狸先生こと部長先生の志が生きた本庄病院
その理想を実現すべく支える古狐先生こと内藤鴨一
30年間昼夜分かたず患者のために奮闘した古狐先生が病に倒れる
一止先生の学友、進藤辰也も本庄病院の医師の一員として加わるが、前評判や一止の知る進藤とは随分かけ離れた勤務ぶり
今回のテーマは、「医師である前に人間です』の一言に尽きると思う
医師と言えども、体調を崩し病気になる
医師と言えども、家庭を築き、守るべき家族がいる
医師だからと言って、それらの全てを犠牲にして患者をみなければいけないのだろうか
医師である前に人間であることが、医療体制や勤務体制で証明でき保障されたらいいのになと心底思う
それが患者に充分な医療を保障することにもつながるのだから
70年間連れ添った妻トヨが静かに息を引き取った傍らで木曽節を歌う95歳のマゴさん
夜の病棟に流れる歌声にしばし耳を傾けている看護師や入院患者
悲しい、寂しいけれど、静かで尊く温かな光景であろうかと目頭が熱くなった
そして、さらに残された時間が少なくなった古狐先生と千代夫人のために病院スタッフが計画したプレゼントとは! 涙なしでは読めなかった
折々の信州北アルプスを一望する風景描写や松本城周辺の描写も美しい
『良心に恥じぬということだけが、確かな報酬』
セオドア・ソレンソン -
医師としてではなく、人間として…というのが、(2)のテーマなのかなと思った。
人間として関わった人の死は、やはり辛い。
でも、辛さの中に温かさが感じられるのが、このシリーズの良さだと改めて感じた。 -
とても読みやすい本で、一気に読みました。
私個人としては1巻よりもこちらの方が好き。
人として「どう生きるか」というのと同じぐらい「どう死ぬか」ということも大事なこと。そんなことを静かにじんわりと感じながら読める本でした。