破産

著者 :
  • 小学館
2.94
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本棚登録 : 226
感想 : 33
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  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093863469

作品紹介・あらすじ

家賃25万円。カード返済額毎月20万円以上。なのに、月収20万円+労働意欲、ほとんどなし。このご時世に、この自堕落っぷり!ほとんど実話(?)のドロ沼借金返済小説。

感想・レビュー・書評

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  • これって実話なの?!どこまでが実話!?
    って思っちゃうような内容でした。
    ファンには少しショッキングかも・・・。

    出てくる人出てくる人濃くって面白いです。

    生々しいというか、怖いんだけど、面白いか面白くないかで言えば、「面白い」。

    野ばらさんの良いところは、実体験を元に、それをフィルターでこして美味しい珈琲を入れようとするところ。
    インスタントじゃなく、豆からひいた珈琲。

  • 宿題や課題を最終日に慌ててやる。そんな生活をしいませんか?そままでは将来借金で首が回らなくなるかもしれませんよ。そうなる前にこの一冊。
    本書は借金返済の物語。人が駄目になって行く過程がシンプルに、リズム良く記されています。ちなみに私は今最終日に課題を慌ててやっています。案の定、通信教育のレポートが負債のように溜まっている。中学生の頃はそんなんじゃなかったのに。僕も立派な破産者候補じゃないか!!
    僕のように怠惰な方は是非本書を読んで一緒にお灸を据えてもらいましょう。

    お灸を据えてもらったところで、これまでに培ってきた悪習をすぐ改めれる自信はないのですが…。はっ、これもダメ人間であることに慣れ切ってしまっているダメ人間発言。我ながら救いようがないな。死にたい。

    本書では「死にたい」や「死んで当然の存在」と実際に「死ぬ」ことの差が語られます。死ななきゃならぬような窮地に追い込まれるようなヘタレほど、そういうとき潔く死なず生きようともがくそうです。かすかな希望を求めて生に執着する。

    自分を犠牲にして問題を解決するな。どんなにヘタレでも自分のために生きろ。

    そんなエールをもらったような。作者自身の心の支えを垣間見たような作品でした。

    ゴスロリっぽい名家の令嬢である元カノ。巫子さんの衣装を来たご近所さんの闇金業者。キャラの立った登場人物も魅力的で飽きることなく読み進め買ったその日に読み切っちゃった♪

    表紙はワカマツカオリさん。ミステリアな瞳とシャープな線、和とも洋とも言えぬ色合いに惹かれてのジャケ買いであはありましたけれど、無気力という底なし沼に呑み込まれている今の自分にぴったりな作品だった気がします。

  • いや、最後ww
    とは言え、これが野ばらさんの素敵な作家性だと思います。このお話の最後をこう持っていったというのは決してギャグではなく(ギャグだけどw)、そこまでの葛藤の先から解放されたような、野ばらさん自身がまた一つ完成したような、カタルシスじみたものを感じました。感動です。作中でもよく太宰治が登場しますが、私は野ばらさんの作品のそんなところが、好きです。『破産』も、その中の一作になったと思います。

    ところで、ごめんなさい。私はBOOK・OFFでこの本を110円で買ったので、借金返済にはご協力出来ませんでした。慎ましいさとり世代の読者ですみません。ですが、どんなにヘタレでも、私は野ばらさんの作品に魂を揺さぶられた読者の一人です。ですから、私は野ばらさんのファンで居続けようと思います。BOOK・OFFで野ばらさんの本、いっぱい買いますから(笑)

  • ある意味すごくリアルな私小説に感じれる作品。
    最後までwww
    感動を返せwwwwww

    でも堕落した生活の僕とメンヘラな女の子。これを書かせたらナンバーワンだと再確認。

    だめな僕を再確認して肯定しつつも一念発起するところの描写は痺れた。

  • ダメダメでも(作品中の言葉では「ヘタレ」でも)生きていく主人公に元気づけられた。野ばらちゃんはやっぱりおもしろい。

  • 破産寸前に追い込まれたヘタレ作家の話

    誰だって格好よくない面がある。それでも挽回できるというメッセージが込められているのかもしれない。

    タイトルから期待しすぎたのだろうが、あまり残酷な状況に陥らなかったのが期待はずれだった。

  • 出てくる本の内容が気になる

  • 通り魔を読んだ後だったから最終的に破産した主人公がどんどん転落していってとんでもないことになるのだろうなぁと思っていたらそうではなかった。
    なにもなかった通り魔の主人公と違って小説家としての能力はもとより人に恵まれていたからなんとかなったしふっきれたシーンは読んでいて気持ちが良かった。でも、最後はめちゃくちゃだと思う。いきなり魔術をもってくるのはどうなのだろうか。

    クレジットカードは嫌いで持たない主義だけどやっぱり持つ必要性は感じないなぁと再確認できた。

    大麻のお話がでてきてもしかして作者さん、破産寸前の経験もあるのかなぁと疑問。

  • 人の痛みを思い遣る前に自分の痛みをどうにかするべきではありませんか? 人間失格……。確か、そんな小説がありましたね。でも、人間なんて、失格したっていいんですよ、生きてさえいれば
    (P.211)

  • ロリータからは、かけ離れたようだが
    他作家の金銭苦の作品より面白おかしく読めました

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著者プロフィール

文 嶽本 野ばら
京都府宇治市出身。作家。
1998 年エッセイ集『それいぬ̶ 正しい乙女になるために』(国書刊行会)を上梓。
2000 年『ミシン』(小学館)で小説家デビュー。
2003 年発表の『下妻物語』が翌年、中島哲也監督で映画化され世界的にヒット。
『エミリー』(集英社)『ロリヰタ。』(新潮社)は三島由紀夫賞候補作。
他の作品に『鱗姫』、『ハピネス』(共に小学館)、『十四歳の遠距離恋愛』(集英社)
『純潔』(新潮社)など。『吉屋信子乙女小説コレクション』(国書刊行会)の監修、
高橋真琴と共書絵本『うろこひめ』(主婦と生活社)を出版するなど少女小説、お姫様をテーマとした作品も多数。

「2021年 『お姫様と名建築』 で使われていた紹介文から引用しています。」

嶽本野ばらの作品

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