彫千代: Emperor of the Tattoo

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 64
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (361ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093863827

作品紹介・あらすじ

「刺青のエンペラー」とよばれた男の一生!

1913年、ニューヨーク。ハドソン川で若い女性の死体が発見され、ニューヨーク市警は女の肩にヘビの絵柄とともに彫られていた「H・C」のイニシャルをもつ刺青家の捜索を開始する――
時は遡って1859年。駿河の下級武士の家に生まれた宮崎匡(のちの彫千代)は運命的に出会った刺青に心を奪われ、放浪の末、彫り師を志す。欧米人には「刺青のエンペラー」と称賛され世界にその名を轟かすまでになるが、遊女・お蓮との初恋は悲しく砕け散った。古風な実兄との確執、師匠からのいじめ、右目の失明……数々の苦難を乗り越えて、新しい時代の”美”を追求した彫千代を待ち受けていたのは、さらなる悲劇だった。
自由奔放でわがまま、しかし繊細で常に”小さき命”への慈しみを忘れなかった男、彫千代。かつてないほど人間臭い英雄が、守るべきもののために下した衝撃の決断とは――!?
いま最注目の実力派作家が実在の伝説的彫り師の生き様を描いた、感動の歴史エンタテインメント!!

【編集担当からのおすすめ情報】
『忘れないと誓ったぼくがいた』(2015年映画公開)、ロングセラー『あの日の僕らにさよなら』などで注目を集める著者の、初の歴史小説です。

感想・レビュー・書評

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  • 表紙の絵がかっこよかったので手に取ったが、気付いたら一気に読んでた。こういう結び方好き。

  • 明治初期に実在したらしい刺青師「彫千代」の波瀾万丈な人生が描かれる、伝記風エンタテインメント。時系列が前後する構成は苦手なのですが、なんとか着いて行けました。主人公のメンタルにやや共感できない部分はあるのですが、物語としては面白く読めました。

  • 明治大正、主として異人から「刺青の皇帝」と称えられた実在の彫師を描いた小説。平山瑞穂さんはデビュー作から作風は毎回違うけれど、一種の混沌を描く描写が必ずある。この作品は、章ごとに時代や語り手が変わる、斬新な構成だが、今までのように夢や街並みの混沌描写はないなと思っていた。が、残り二割程度まで読んだとき、ああ、今回は一時の風景ではなく、人生自体の混沌を描いたのかと気づいた。綺麗な描写だけがあるわけじゃない。皆が幸せになるわけじゃない。人気の、口当たりのいい小説達から、著者は一歩先に踏み出したのかもしれない。

  • 360ページ一気読み。
    歴史物も刺青も、この表紙のテイストも(笑)ぜーんぶ苦手なのに一気読み。
    すごく面白かったです。
    平山瑞穂さん作品、個人的に肌に合います。
    明治時代を中心に、日米英でこんなことがあったなんて、恥ずかしながら知りませんでした。
    刺青否定派でしたが、別の角度からの視点を教えてもらえて、勉強になりました。

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著者プロフィール

平山瑞穂(ひらやま・みずほ)
小説家。1968年、東京都生まれ。立教大学社会学部卒業。2004年に『ラス・マンチャス通信』(角川文庫)が第16回日本ファンタジーノベル大賞を受賞してデビュー。著作には、『忘れないと誓ったぼくがいた』(新潮文庫)、『あの日の僕らにさよなら』(新潮文庫)、『シュガーな俺』(世界文化社)、『プロトコル』(実業之日本社文庫)、『マザー』(小学館文庫)、『四月、不浄の塔の下で二人は』(中央公論新社)、『午前四時の殺意』(幻冬舎文庫)、『ドクダミと桜』(新潮文庫)、『さもなくば黙れ』(論創社)など多数。評論に『愛ゆえの反ハルキスト宣言』(皓星社)、エッセイに『エンタメ小説家の失敗学』(光文社新書)など。

「2023年 『近くて遠いままの国 極私的日韓関係史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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