ジゼル

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 512
感想 : 80
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  • Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093864794

作品紹介・あらすじ

華麗なるバレエ・ミステリー、開幕!

東京グランド・バレエ団の創立15周年記念公演の演目が「ジゼル」に決定し、如月花音は準主役のミルタに抜擢される。このバレエ団では15年前、ジゼル役のプリマ・姫宮真由美が代役の紅林嶺衣奈を襲った末に死亡するという事件が起き、「ジゼル」は長いあいだ封印されてきた。
公演に向けて準備を始めようという矢先に、花音の同期の蘭丸は、夜のスタジオでジゼルの衣装を身に纏った真由美の亡霊を目撃する。
そして、芸術監督の蝶野は事故で大怪我を負い、プリマの嶺衣奈は精神的に追い詰められていく。配役の変更で団員の間に不協和音が生じる中、不可解な事件が相次いで……。
これはすべて真由美の”呪い”なのか? 花音は真由美の死の真相に迫っていく。
「嫉妬」と「愛憎」渦巻くサスペンス。
その先に待ち受ける、切なすぎる真実。
小説版『ブラック・スワン』とも言える、華麗なるバレエ・ミステリーが開幕!!


【編集担当からのおすすめ情報】
人気バレリーナの上野水香さんが大絶賛!!
「実際のバレエの『ジゼル』と小説が並行して進んで、そのリンクが絶妙でした!息もつかせぬストーリー展開とあいまって、どんどん読み進めてしまいました。この作品が映像化されるなら、ぜひこの嶺衣奈を演じてみたい」
発売前から『Oggi』『美的』他、女性誌で話題に!!
『きらら』11月号からは新連載もスタートするので、合わせて楽しんでください!

感想・レビュー・書評

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  • バレエ古典の演目名をそのままタイトルにしたミステリー。
    バレエ・ファンなら気になる一冊だと思う。

    バレエ「ジゼル」は、幸せな結婚を出来ず亡くなった乙女の亡霊・ウィリたちが、夜中に森の墓場に迷い込んできた人間や裏切った男を死ぬまで踊らせる、という恐ろしい話。
    ジゼルも第1幕でアルブレヒトに騙されウィリになるが、森に迷い込んだアルブレヒトの命を最終的には救う。

    おどろおどろしい美しさと、ジゼルの純真さに心がキュンとなるので、バレエの中でも非常に好きな演目のひとつです。
    比較的上演時間が短いというのも、眠ってしまわないという点で評価が高い(笑)

    この小説の方は、主人公たちの年齢設定や、真相を知っていく経緯など、リアリティの点で残念な部分があったものの、小説のストーリーとバレエ「ジゼル」の場面が交錯しながら展開していくところなんかはよく練られているな、と思った。

    下リンクは秋吉理香子さんと日本を代表するバレエダンサー・上野水香さんの対談。

    https://shosetsu-maru.com/interviews/authors/special_interview/3

  • 繊細で儚い人間関係と人のこころが丁寧に紡がれていた。

    バレエなんて、単語でしか知らなかった世界。観に行ったことも映像で観たこともないけど、景色や世界観にたっぷりと浸れた。

    心の奥にしまってあった嫉妬や焦り、怒り、妬み、欲などの負の感情がほんの些細なきっかけで表面に現れてくる描写が生々しくてとてもリアルだった。

  • 秋吉理香子さん × 上野水香さん SPECIAL対談 | 小説丸
    https://shosetsu-maru.com/interviews/authors/special_interview/3

    秋吉理香子の虎馬(トラウマ)
    https://ameblo.jp/rikako-ppi/

    青依青(@ao.aoi.ao) • Instagram写真と動画
    https://www.instagram.com/ao.aoi.ao/

    ジゼル | 小学館
    https://www.shogakukan.co.jp/books/09406822

  • 最近バレエを始めたのと、オケ伴奏の経験があるタイトルに惹かれて。
    ジゼルのストーリーに絡めたミステリーで、とても面白かった。バレエ団の日常や舞台に自分も入り込んだ様な気分にさせてもらえる。
    中でも、最初の方に出てくるバレエに対する解釈の擦り合わせの会話がとても興味深く、なるほどバレエダンサーはこの様にして作品を作り上げていくのかなと思った。
    最後はまさかのどんでん返しと真相で、ミステリーとしてもとても楽しる作品。

  • バレエを題材にした小説は初めて読んだ。
    ジゼルの光景が目に浮かぶようだ。
    殺人が起きるがそれが謎をふかめていく。
    結局殺人ではなかったのか?
    ラスト意外な亡霊の正体と意外な驚きで終わっています。

  • 東京グランド・バレエ団の創立15周年記念公演の演目が「ジゼル」に決定して、団員を驚かせる。
    15年前、ジゼル役のプリマ・姫宮真由美が代役の嶺衣奈を襲った末に死亡するという事件が起き、「ジゼル」は長いあいだ封印されてきたのだ。
    同期入団で仲良しな4人組、花音、蘭丸、絢子、有紀子だったが、花音が準主役のミルタに抜擢されたことで、有紀子と花音の間に亀裂が。
    そんな中、蘭丸は、夜のスタジオでジゼルの衣装を身に纏った真由美を目撃する。
    直後、芸術監督の蝶野が事故で大怪我を負って。
    これは真由美の"呪い"なのか?
     
    バレエの演目が分からなくても「ジゼル」のストーリーも載ってるので、物語とのシンクロも楽しめる。
    バレエといえば、かつての漫画のイメージもあり、もっとどろっ泥な妬みや嫌がらせが描かれるのかと思ったら、あんがいアッサリなのでそこは拍子抜け。つい身構えて読んでしまったのに。
    バレエの裏側がリアルに描かれている。足のボロボロさに経済面でもうなずくことばかり。
    どんなにストイックに頑張ってもバレエで食べて行くのはホントにひと握り。バレエ団に入団するのも狭き門。せつない。
    「ジゼル」がこれほど重要な演目とは思ってなくて団員たちの「ジゼル」にかける情熱に驚いた。
    アルブレヒトやミルタの解釈も勉強になる。
    「ジゼル」をじっくり観くらべてみたくなった。

     

  • 以前に「眠れる森の美女」を読んでいて、前作も読みたいと思い手に取りました。所属するバレー団の記念公演で15年前のある事件を機に封印されてた、「ジゼル」を演じるに決まり、それに誘発されるかのように新たな事件が起こり主人公の花音はほかの団員とともに巻き込まれていく…。読み終えて、あぁ…そういうことだったのか…と納得しました。バレエの知識や経験は全くなく、バレエ鑑賞もしたことはないのですが、機会があればバレエ公演実際に観てみたいと思いました!なんとも切なくきれいな余韻を残して読了しました。また「眠れる森の美女」も読み返すつもりです。

    • かなさん
      ベルガモットさん、こんばんは!
      こちらにもありがとうございます(^-^)
      そうなんです、秋吉里佳子さんの「ジセル」と
      「眠れる森の美女...
      ベルガモットさん、こんばんは!
      こちらにもありがとうございます(^-^)
      そうなんです、秋吉里佳子さんの「ジセル」と
      「眠れる森の美女」で、バレエ実際に見たくなっちゃって…
      私はホント、バレエのことはわからないんだけれど
      ちゃんと、わかる人が読めばもっと興味深く読めるかもです。
      ベルガモットさんの、読みたい作品の候補に
      よかったら加えてもらえたら嬉しいです♪
      2023/09/05
    • ☆ベルガモット☆さん
      かなさん、またお邪魔しまーす。
      かなさんのおかげで秋吉里佳子さんという作家さんを知ることができました。ありがとうございます!
      私もまだま...
      かなさん、またお邪魔しまーす。
      かなさんのおかげで秋吉里佳子さんという作家さんを知ることができました。ありがとうございます!
      私もまだまだバレエ初心者ですが、鑑賞するのにさらに楽しめそうでわくわくします。「ジセル」と「眠れる森の美女」どっちにしようかなあ♡
      2023/09/05
    • かなさん
      ベルガモットさん、ありがとうございます!
      秋吉理香子さんの作品は私、結構好きなんです(*^^*)
      というのも、ブクログはじめて、図書館に...
      ベルガモットさん、ありがとうございます!
      秋吉理香子さんの作品は私、結構好きなんです(*^^*)
      というのも、ブクログはじめて、図書館に通い始めて
      さて何を読もうかなぁ~となったとき
      あ行の作家さんから読んでみようか…と
      で、読んでみたらハマってしまいました♪
      まだ、未読の作品もあるけれど
      ベルガモットさんも気に入ってもらえったら
      嬉しいなって思います\(^o^)/
      特に、この「ジセル」と「眠れる森の美女」は
      また読みたくなるくらい好きで、
      そしてバレエっていいなぁ~って思えたんです。
      2023/09/05
  • 面白かった。
    華麗なバレエの世界の仄暗い嫉妬、人間関係の難しさが繊細に描かれてて、途中読んでて苦しくなった。

    途中から事件が続々と起こり、犯人が気になって仕方なかった。
    私が予想した人と違ってほっとした。
    最後の最後の真実がびっくりだった。

  • バレエは詳しくなくても、丁寧な描写や説明で想像しやすい。
    嫉妬や焦燥感はバレエに限ったことではないとは思うけど、美しさを極める世界だからこそのギャップがきつい。
    犯人は誰なのか、途中までは有希紀子や絢子、ナベさん、まさかのなおさん?出てくる人みんなを疑いたくなった。ただ、割と早めに分かったつもりでいたけど、その先があったとは。
    15年前の事件も、陥れて遅刻させたのかと思ったら全部が偶然というかなんというか。
    動機は、シルヴィアと踊りたいからと思ったら、悪意はなかったようなのはよかったかな。真相の裏まであるのがさすが。
    ちょっと引っかかるけど、みんな良くも悪くも人間味のあるいい人だったから後味は悪くない。

  • バレエは分からないから、なかなか入っていけなかったが、殺人事件が起きたあたりから面白くなってきた。ジゼルに掛けて物語が進む。

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著者プロフィール

兵庫県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。ロヨラ・メリーマウント大学院で映画・TV製作の修士号を取得。2008年、短編「雪の花」で第3回「Yahoo!JAPAN文学賞」を受賞、翌年、同作を含む短編集『雪の花』で作家デビューを果たした。ダークミステリー『暗黒女子』は話題となり、映画化もされた。他の作品に『絶対正義』『サイレンス』『ジゼル』『眠れる美女』『婚活中毒』『灼熱』などがある。

「2021年 『息子のボーイフレンド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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