アンダークラス

著者 :
  • 小学館
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感想 : 66
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  • Amazon.co.jp ・本 (446ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093865975

感想・レビュー・書評

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  • 外国人技能実習生が介護施設の老人の自殺幇助をした事件。しかしその被害者の「手」から疑念を感じた刑事が捜査を続けるうち、徐々に明らかになる事件の真相と現代日本の陥っている恐るべき危機。登場する企業の名前も元ネタがわかってしまうだけに、これってフィクションなんだよねえ……? と何とも言えない気にさせられてしまう社会派ミステリ。
    出稼ぎに来る外国人にとって日本は裕福な国、という思い込みはすでに過去のことなのでしょうか。そして日本人たちにとっても。デフレと格差社会、その中で搾取され続ける「アンダークラス」の悲哀。これってけっして他人事ではないのだけれど、あまり実感がないですよね。それはあくまでも自分が「中層」に位置していると思えるからなのだけれど、その中層すら危ういって……。
    事件の真相、そして犯人を落とせるのかどうかという終盤戦。刑事たちの取ったある意味卑劣な作戦と、それにもめげないあの人の強かさがとんでもないなあ。そんな中でも絶望ばかりでなく、希望も抱かされるような部分があったのにはほっとしました。きっとまだすべてを悲観することはないはず。それでも世間に流されるだけではなく、自分で考えることもしないとね。

  • うーん……。
    同シリーズ前2作が面白くて最新の今作まで一気読みしたのだが、この作品だけは妙に相容れない。
    元々ちょっと説教臭い作品ではあるものの、今巻は特にそこが目立つというか。

    バランスを取ろうとしている節はある。しかし、結局主人公の側の「正義」が過剰に持ち上げられ、敵役となった「悪」側が、舞台装置的に分かりやすい小悪党的な悪者に落ち着いてしまうのが、どうも展開として消化不良。

  • 相場さんの本は、この世の中で蠢いている事を分かりやすく炙り出す。読むことで、もやにかかった事柄が見えてくる。はっきりと提示された現実にどう対して行くのか読者が問われるよう感じる。

  • 3.3

  • 2022.12 今の日本を表してる、という謳い文句だったけどそんなふうには読めなかったかな。ストーリー運びは上手い小説でした。

  • 社会派でいいと思った。内容がとてもリアルでいいと思った。大手ネットショッピングプラットフォーム会社がもたらす弊害と闇、日本の雇用システムの問題点、技能実習制度悪用による違法労働問題が取り上げられているのがいい。

  • 日本が抱える闇について気づかされる話しでした。

  • シリーズものの3冊目を最初に読んでしまうと言う失態…じゃ遡るかな,と言えばちょっと微妙…
    なんだろ?なんとなく上滑りした感がずっとあって,殺人まで犯す動悸が浅いし,登場人物のかんじょうが何だかよそよそしい.
    題材が結構重いし,重要な問題だけに…他に比較対象が多いだけに…
    色々仕掛けが後出しジャンケンすぎるんだよね,あーあれとコレはここで繋がるのかーみたいな楽しみがない.え?それ,ここで出す?って言う,謎解きには御法度な展開なんだよな,犯人もかなり早い段階でわかってるのに,ねぇ?

  • 90社会を下層や上級やとか分類分断する思想が気に入らん。結果的に統計で分かれたとしても、幸福度や生き方まで分断される筋合いはない。著者とも通ずる思いがあるから、なおのこと自社のことしか考えない企業は実名で書いて欲しかったなー、無理か笑

  • シリーズ物とは知らず図書館で借りて読み始めました
    社会派な内容で小説ながらハッとする経済状況も
    わかり読みやすかったです
    重厚な内容なの読みごたえがありました
    もう少ししたらシリーズ1も借りてみたいと思いました

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著者プロフィール

1967年、新潟県生まれ。専門学校卒業後、時事通信社へ。経済部記者を務める。2005年『デフォルト 債務不履行』で第2回ダイヤモンド経済小説大賞を受賞しデビュー。『震える牛』がベストセラーに。『血の轍』『ガラパゴス(上・下)』『不発弾』『トップリーグ』他、映像化作品多数。主な著書に『ファンクション7』『偽金 フェイクマネー』『復讐の血』『共震』『アンダークラス』『Exit イグジット』『レッドネック』『マンモスの抜け殻』『覇王の轍』がある。

「2023年 『心眼』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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