手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ): 穂村弘歌集

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (109ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093873499

感想・レビュー・書評

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  • 女の子の中からほとばしる無邪気で残酷なパワーを凝縮したような歌集。

    まみの見る世界はその時々でくるくると色や形を変えているようです。
    まっすぐにも見えるし、歪んでも見える。
    他人からしたら、訳のわからない衝動に突き動かされているようなときもある。
    でもそれが女の子というものであり、女子中高生の手帳や日記の中には、こんな世界が詰まっているのかも…とぼんやり思うのでした。

  • すごい。どのうたからも斜め上の発想、情景が見れて、どれを切り取ってもpopで可愛い(たまに残酷な)一枚の絵になるような感じ


    夢の中では、光ることと喋ることはおなじこと。お会いしましょう

  • 甘ったるくてどくどくしい そしてときどきほんとうにきれい、な世界観を前にして くびのつけ根からぐるぐるブンまわされたかと思った


    好き↓

    こんなにもふたりで空を見上げてる 生きてることがおいのりになる

    窓ガラス震える夜はまみとゆゆ舌なめずりで会話をするの

    「殺虫剤ばんばん浴びて死んだから魂の引取り手がないの」

    ティーバッグ破れていたわ、きらきらと、みんながまみをおいてってしまう

    まみ、いままで、めちゃくちゃだったね、ごめんね、とぼろぼろの髪の毛に謝る

    「この道はまみのためにつくられたんだ」(神様、まみを、終わらせて)パチン

    テロップの流れはやくてわからない、わからない、誰、だれが死んだの

    ラケットで蝶を打ったの、手応えがぜんぜんなくて、めまいがした

    外からはぜんぜんわからないでしょう こんなに舌を火傷している

    目覚めたら息まっしろで、これはもう、ほんかくてきよ、ほんかくてき

    めずらしい血液型の恋人が戦場に行っ。て。し。ま。っ。た。悪。夢。

    ライヴっていうのは「ゆめじゃないよ」ってゆう夢をみる場所なんですね

    まみの生理を食べている怪物が宇宙のどこかに潜んでいるわ

    一九八〇年から今までが範囲の時間かくれんぼです

    まみの髪、金髪なのは、みとめます。ウサギ抱いてるのは、みとめます。

    赤、橙、黄、緑、青、藍、紫、きらきらとラインマーカーまみれの聖書

    世界一汚い爪の持ち主はそれはあたし、と林檎をさくり

    この世界のすべてのものは新しい名前を待っているから、まみは

    恋人の恋人の恋人の恋人の恋人の恋人の死



    「いまが僕の人生でいちばんソフトクリームをたべてる時期だよ。ってその人が、まみとのことをひとつの季節のようにゆったのでさみしかった」

  • ほむほむの短歌は当てずっぽうに撮ったポラロイドみたい。おお、そこですか。という一瞬が写っている。

  • 20かそこらの時に読んで完全に打ちのめされた歌集。当時の自分にはとても必要だった。今でもそらで唱えられる歌ばかり。

  • 少女っぷり全開。

  • 自由律俳句の手紙形式の本。ふしぎな世界観。

  • ●明け方に雪そっくりな虫が降り誰にも区別がつかないのです
    ●海の生き物って考えてることがわかんないのが多い、蛸ほか
    ●このシャツを着ているときはなぜだろういつでも向かい風の気がする
    ●自転車を漕ぐとき冬がはじまって目の中で雪とかしています

  • 15分くらいでさらっとよむ。
    大好きな穂村さん。
    けど、やっぱり難しい。

    そろそろ短歌よみましょうかね。

  • 大塚英志が本で言及してて、読みたいと思ってたけど、ようやくよめた!!

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著者プロフィール

穂村 弘(ほむら・ひろし):1962年北海道生まれ。歌人。1990年に歌集『シンジケート』でデビュー。短歌にとどまることなく、エッセイや評論、絵本、翻訳など広く活躍中。著書に『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』、『ラインマーカーズ』、『世界音痴』『もうおうちへかえりましょう』『絶叫委員会』『にょっ記』『野良猫を尊敬した日』『短歌のガチャポン』など多数。2008年、短歌評論集『短歌の友人』で伊藤整文学賞、2017年、エッセイ集『鳥肌が』で講談社エッセイ賞、2018年、歌集『水中翼船炎上中』で若山牧水賞を受賞。

「2023年 『彗星交叉点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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