12歳からの映画ガイド: 生き抜く力を学ぶ!必見50本+150

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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093876599

感想・レビュー・書評

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  • 映画解説書でありますが、観かたの角度が実にほのぼのとしています。そういう観方や感動の仕方があったのかと驚きました。
    文章は平易でわかりやすいですね。だが、共感します。今までこの著者の作品を読まかったのが悔やまれますね。
    『子鹿物語』の解説、「『子鹿物語』で父親が子どもに自分で鹿を殺せと命令するのも、嫌なことは大人にやってもらうというようではまだ自主独立の一人前とは言えないと思うからなだなあ。ここらはしかし日本人とは少し考え方が違う。日本人は、子どもはできるだけ長く、純真さを保ってほしいから、そんなことはさせたくないと思う大人が多いね。どっちがいいかなあ。」と述べていますが、するどい感覚ですね。
    『スターウォーズ』では、「だから民主主義を国の誇りとするアメリカ映画としては、共和国軍といえばそれだけだけで正義の軍隊という感じになる。」まるで歌舞伎の解説みたいですがよいですね。黒澤明の「用心棒」や「隠し砦の三悪人」の影響があるという見識はさすがですね。
    『惑星ソラリス』の解説で、「四谷怪談」「牡丹燈篭」との比較はおもしろいですね。「そう気付いたとき、じつはわれわれが怪談という薄気味の悪い文化を維持しつづけてきた理由を分かるような気がする。人類が古くからはぐくんできた幽霊とか霊魂とかいうものは人間の良心の具体物だったのだ。だから人間は、それは恐れ同時に魅き入れられるようにしてこだわりつづけてきたのだ。」と「いかに科学時代となっても、人は自らの良心を現した物を求めることをやめないだろう」と指摘している点には目に見張るものがありますね

著者プロフィール

1930年、新潟市生まれ。「映画評論」・「思想の科学」の編集にたずさわり、その後、映画評論家として活躍。日本映画学校校長を歴任。数多くの映画人を育てる。1996年に紫綬褒章を受章。アジアや中東の映画にも精通し、映画文化の世界的な貢献にも寄与。主な著書に、「日本映画史」(岩波書店)「黒澤明の世界」(朝日新聞社)「映画をどう見るか」(講談社)など多数。

「2009年 『意地の美学 時代劇映画大全』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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