「言霊の国」解体新書(小学館文庫) (小学館文庫 R い- 1-12)
- 小学館 (1998年5月9日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094023022
作品紹介・あらすじ
言霊(コトダマ)の国に「言論の自由」はない。「自分の国は自分で守る」という「世界の常識」を口にすると、「平和の敵」とレッテルを貼られてしまう。「平和」を唱えていれば努力をしなくても「平和」が続くと信じられているこの国では、「有事に備えようとする者」は「戦争を望む者」とみなされるのだ。「日本は負けるかも知れない」と本当のことを言えなかった戦時中と、いったいどこが違うのか?日本を「世界の非常識国家」にしてしまったコトダマイストたちの言論統制の実態を、井沢元彦氏が分かりやすく「解体」してゆく。
感想・レビュー・書評
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著者は『逆説の日本史』シリーズでおなじみの井沢さんで他著書でもよく言及されている日本ならではの言霊思想への問題提起がテーマ。本書は雑誌連載の総集編版。言霊思想とはオカルト的な話ではなく、簡単に言うと日本に昔からある『口にすると現実になる』から『縁起でもないことを口にしてはいけない』とか逆に『口にするだけで具体的に行動しなくても実現できる』といった良くない慣習のことだ。具体的には言霊が信じられた古代の歌集の話から昨今の平和憲法中に言葉の規定がない自衛隊の話まで歴史に基づいた説得力のある主張ばかりで面白い。
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井沢元彦の持論である「日本における言霊信仰」について綴ったSAPIOの連載をまとめた本。
この考察は山本七平の「空気の研究」と比肩して語られてもいいと思う。
91年の連載なので流石に20年後のいま読み返すのは厳しい部分もあるが(総理大臣が宮沢喜一!)、著者の主張はいまもって有効だ(残念ながら)。
所謂ネット右翼の人たちは著者の言うところの「コトダマニスト」なので、一読してもらいたい(多分、読んでも無駄な気もするけど・・・)。 -
最初は持論の展開だけかと思ったが、読んでいるうちに
PKOの派遣についての事を書いていた。
確かに自衛隊についてはその存在が不明確であり、
軍隊の言い換えだと思う。
もう、いい加減なんとかしないといけない。
時代も変わったし。 -
「逆説の日本史」で繰り返し主張されていた「言霊」文化。本書では、憲法九条問題やPKO法と絡めてその弊害をくどいくらいに繰り返し述べている。1993年の本なので、ネタが少し古い。著者の主張は、言い方が過激ではあるが、今やより現実味を帯びていると感じる。司馬遼太郎の「この国のかたち」が所々引用されていたので、読まなくちゃ。
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雑誌に連載されたものをまとめたもの。1回ごとに読むならいいけど、本になってまとめて読むと、ちょっと話がくどい…疲れた…( ;∀;)
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コミュニケーションべたといわれる日本人。その理由は、もしかしてこれか?と思わせる。