付添い屋・六平太 朱雀の巻 恋娘 (小学館文庫 か 35-6)

著者 :
  • 小学館
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094062328

作品紹介・あらすじ

日本一の人情時代劇、第二部完結!

第一話 福の紙
六平太は上州から江戸見物にやってきた男三人組の名所案内をすることになった。そのうちの一人、和助が突然別行動をしたいと言い出す。江戸の紙漉かし屋に奉公していたころ、世話になった人に会いに行くと言うのだが…。
第二話 吾作提灯
御家人安藤庄助の次男、竹之助は十歳。深川堀川町にある私塾「錬成塾」に通っている。塾往復の護衛として雇われた六平太は、竹之助がまっすぐ家に帰らない日があることを知る。
第三話 恋娘
このところ、日本橋にある薬種問屋「九観堂」の娘、美緒から六平太に付添いの声がよくかかる。美緒が六平太の前で飲めない酒を飲んだり、付添いの際、出合茶屋の前をわざと通ったりするのに手を焼いていたのだが…。
第四話 おおつごもり
六平太の妹・佐和が浅草「ち組」の纏持ち、音吉と祝言を挙げることになった。同時に、七年続いた六平太と髪結い・おりきの仲に波風が立ち始める。
そして、六平太がかつて仕えていた信州十河藩加藤家は、存亡の危機を迎えていた。藩に粛正の嵐が吹き荒れ、六平太にも、負の刃が襲いかかる!

【編集担当からのおすすめ情報】
ドラマ時代劇の英雄
北大路欣也さん、高橋英樹さん、里見浩太朗さん、
松平健さん、村上弘明さん
こぞって絶賛!(コメント到着順)
書き下ろし時代小説界最後にして最強の新人!
最新刊第六弾のオビコメントは、中村梅雀さん。

感想・レビュー・書評

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  • 剣は立見流兵法の遣いて、
    人柄がよく、
    涙にもろく、
    年頃の娘に求婚され……

    江戸は元鳥越に住まいして、立見流兵法の遣いてで、信州十河(そごう)藩加藤家を出て浪人となった秋月六平太(ろつぺいた)が、口入れ屋・もみじ庵からの紹介で裕福な商家の子女の芝居見物などの付添い屋を生業とする人情物語です。

    十二年前に藩政改革に失敗して反対派に追われた浪人となった六平太は、十河藩御用達で、木場の材木商「飛騨屋」に出入りしている。そこに十河藩の守旧派で江戸留守居役・小松新左衛門が、公儀より受けた徳川家ゆかりの三河国宝徳寺の改修工事を飛騨屋から新参の武州屋に発注したことを告げに来た。
    この事が十河藩を揺るがす大騒動になる。

    武州屋は、宝徳寺の改修に必要な材木を集めることが出来ずに小松新左衛門が、飛騨屋に材木の調達を依頼してきた。そこで飛騨屋は、材木を売るのであれば藩政改革をしなければ販売できないと。飛騨屋としては、いまの十河藩の放漫財政では材木代金は支払いできないと考えての要求です。
    この事が藩主の知る所となり、藩政改革派と反対派の双方が役職を解かれ、新たに藩政改革する者達を役職につける。

    【福の紙】
    江戸へ出稼ぎに来ていた上州の百姓和助は、江戸で身に付けた紙漉きの技を生かして、上州で紙漉きだけで生計がたてれるようになった。和助が漉いた紙は「簑里紙」として上州で販売していたが。出稼ぎの時に大変世話になった、おなみさんに簑里紙を送り、売り上げの半分を手数料として渡しておなみさんを助けようと試みる。

    【吾作提灯】
    六平太の行きつけの居酒屋の亭主・吾作が、破落戸の弥治郎に殺される。その仇を取ろうとする毘沙門一家の甚五郎を六平太が抑えて、弥治郎を捕らえる。六平太は、甚五郎を人殺しにしたくなかった。

    【恋娘】
    六平太は、付添いを頼まれた娘に求婚されて、音羽に住む六平太の内縁の妻・おりきと結婚をしょうと考えていることを話すが。これがどうも上手く行かない。妹の佐和は、火消しの音吉と一緒になることが決まった。そうなると六平太は、ひとりになるそこでおりきと一緒になってと考えたが。

    【大つごもり】
    おりきは、六平太とは祝言を挙げないと言いだす。おりきは、いまのままでいたいと。お互いに好きな時は一緒に居て、嫌いになったら別れる。何も拘束されない関係でいたいと。六平太は、納得するほかなかった。
    そして六平太の息子で八王子の養蚕家に養子に出した穏蔵が、六平太に会いに来る。穏蔵は、六平太を父親ですねと言うが。六平太は、俺はおまえの父親ではない、おまえの父親は八王子にいるといって八王子まで送って行く。

    【読後】
    しばらく時代小説を読んでなくて読みたいと思って図書館に予約するが、新刊が手に入らずに色々読んだが。5作目まで読んでいた金子成人さんの付添い屋・六平太は、気軽に読めて、読後感がよく、テンポもよく、読みやすい。7作目も読んでみようと思います。

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    朱雀の巻 恋娘 ― 付添い屋・六平太シリーズの6作目
    2015.11発行。字の大きさは…小。2022.07.30~31読了。★★★☆☆
    福の紙、吾作提灯、恋娘、大つごもり、の連載短編4話。
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    【令和4年(2022年)7月に読んだ本】
    7月に読んだ本は、23冊です。
    7月に読んだ中で特に印象に残った本は、月刊たくさんのふしぎ2021年4月号「ひと粒のチョコレートに」です。チョコレートが油で出来ているて、ビックリしています。このシリーズは、私の知らないことを写真やイラストで分かりやすく教えてくれます。私にとって貴重な本です。
    皆様の応援で7月も楽しく読書が出来ました。
    ありがとうございます(⌒-⌒)ニコニコ...

    今月のベスト本は、下記の5冊です。
    ★★★★★は、今月はありません。

    ★★★★☆は、下記の5冊です。
    まるまるの毬 ――――――――――――――――― 著者/西條奈加
    https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/4062936879#comment
    ナヌークの贈りもの ――――――――――――――― 著者/星野道夫
    https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/4097270605#comment
    ぽつぽつぽつ だいじょうぶ? ――――――――― 著者/しもかわらゆみ
    https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/4061333216#comment
    ひと粒のチョコレートに ー 月刊たくさんのふしぎ ――― 著者/佐藤清隆
    https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/B08WS992GC#comment
    六花落々 ――――――――――――――――――― 著者/西條奈加
    https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/4396634536#comment
    ※令和2年(2020年)1月から、その月の最後に読んだ本に、その月のベスト本をのせています。

  • 十河藩との因縁は士農工商の序列を凌駕する商人の金の力によって強引に解消したようです。
    相変わらずふらふらしている六平太のような生き方が若い商家の娘達には型にはまらない魅力と映るのかな、
    そんな中途半端な彼と自由度を残した付き合い方を選択したおりきさんに一票です。

  •  金子成人「恋娘」、付添い屋六平太シリーズ№6、第2部完結編、2015.11発行。福の紙、吾作提灯、恋娘、大つもごり の4話。読み応えがあり、じっくり味わい楽しみました。六平太の義妹佐和は音吉と。八重への思いをはっきり態度に表した菊次。そして、おりきは六平太に「このままがいい」と。六平太が父親と知った穏蔵は、子供心に納得して育ての両親のところへ。

  • 今回は六平太の義理の妹の再婚話。子連れの鳶の音吉とのやり取りに、周りも気が揉める。
    芸者の京の手伝いもあってどうにか話がまとまる。

    旧藩の揉め事に、無頼の頃の息子の最近の様子など、次々に悩まされる今回の六平太。

    人間らしさが前面に出ている読み応えのある回。

  • モテるのに、おりきさんとは一緒にならないの?

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著者プロフィール

一九四九年長崎県生まれ。会社勤めのかたわら倉本聰に師事し、七二年「おはよう」で脚本家デビュー。九七年、第十六回向田邦子賞を受賞。「鬼平犯科帳 」「剣客商売」「御家人斬九郎」「水戸黄門」など脚本作品多数。著書に「追われもの」「付添い屋・六平太」「ごんげん長屋つれづれ帖」「かぎ縄おりん」などの各シリーズがある。

「2023年 『小梅のとっちめ灸(三)針売りの女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

金子成人の作品

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