バスを待って (小学館文庫 い 12-1)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094062694

感想・レビュー・書評

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  • どちらかが先に死期を迎える時が必ず来る。そんな当たり前のことを今更悲しみ、枯れない花に手を伸ばしたのは、親が目に見えて歳をとったと実感した日からかもしれません。面と向かって会話をすることも無くなっていたのに、いなくなってから貴方に毎日呼びかけてるだなんて不思議ね。大切な人に、一人でも前を向き生きていける力、居場所を作ろう、それは不器用な男が残した何よりの『愛』という贈り物。言葉というのは空気のようなもので、短くとも無くともそこに居てくれる、それだけで涙が頬を伝うこともあるのです。
    バスに揺られながら人は何を思うのでしょう。私はいつでも苦しいです。私と同じ苦しみを全員が感じているならば、私は悩まなくていいのかもしれない、そんな考えすらどうしようもなく。笑っていても会話していても寝ていても音楽を聴いていても、心の中では涙を流している人が多いのかもしれません。きっと人生は苦難の方が多いから。バスを待ちながら、そして揺られてるひと時に優しい花を咲かせてくれる、それも本の魅力なのだと思います。着けば花は枯れる。でも私の中に残るのです。

  • どんな感情もどこか柔らかい。

  • いろんな状況でバスにのる人々の話。静かな本でした。

  • 最後はほっこりした。
    他はまあ、ふつうかなあ。

著者プロフィール

石田千(いしだ・せん)
福島県生まれ、東京都育ち。國學院大學文学部卒業。2001年、『大踏切書店のこと』で第1回古本小説大賞を受賞。「あめりかむら」、「きなりの雲」、「家へ」の各作品で、芥川賞候補。16年、『家へ』(講談社)にて第3回鉄犬ヘテロトピア文学賞受賞。16年より東海大学文学部文芸創作学科教授。著書に『月と菓子パン』(新潮文庫)、『唄めぐり』(新潮社)、『ヲトメノイノリ』(筑摩書房)、『屋上がえり』(ちくま文庫)、『バスを待って』(小学館文庫)、『夜明けのラジオ』(講談社)、『からだとはなす、ことばとおどる』(白水社)、『窓辺のこと』(港の人)他多数があり、牧野伊三夫氏との共著に『月金帳』(港の人)がある。

「2022年 『箸もてば』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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