- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094064261
作品紹介・あらすじ
続々重版のぽんこつロボ物語、待望の続編!
AIが日常で活躍する近未来のイギリスを舞台に、妻に出て行かれた30代のダメ男ベンと、イヤイヤ期のぽんこつ男の子ロボット・タングの旅と絆、それぞれの成長を描いた「ロボット・イン・ザ・ガーデン」。書店からじわじわと評判が広がり、13刷8万部のヒット作となった友情物語の続編が、いよいよ登場です。
ベンと元妻エイミーに女の子ボニーが生まれてから9か月。「妹」ができ「良き兄になろう」と奮闘するタング。だけどうまくいかずに癇癪を起こしたり、焼き餅を焼いたり、ベンとケンカしてプチ家出したり……。前作からちょっぴり成長した「お兄ちゃんタング」の可愛さといじらしさが満載。一方、ベンと元妻エイミーの微妙な関係は…?そして一家を脅かす新キャラロボットも登場!
面倒くさくも愛おしい、人間とロボットの「家族」の物語。装画は、前作に引き続き絵本作家の酒井駒子さんの書き下ろしです。
感想・レビュー・書評
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「ロボット・イン・ザ・ガーデン」の続編。
先にシリーズ3作目の「…スクール」を読んだので、話がテレコになってしまったが、ジャスミンがベンの家に来た時から始まるお話。
「…スクール」ではすっかりチェンバーズ家の2台目のロボットになっていたジャスミンだが、元はと言えば、タングを取り戻そうとするボリンジャーから送り込まれベンの家の位置情報をボリンジャーに発信するという役割だったのね。
平和な生活を脅かすジャスミンの存在に、ベンはタングをそばに置き続けるため、書類もライセンスもない状態をなんとかしようと悪戦苦闘。そこにエイミーが会社から解雇されるわ、生後9ヶ月のボニーはむずかるわ、もちろんタングは構いたがるわのてんやわんや。
色んなエピソードが積み重なって進む話はタングとボニーの成長を感じさせ、その仕草や口調は微笑ましく、サカナやネコの存在も心を和ませる。
困った時はこどもが解決するという場面も多々あるが、ベン&エイミーvsジャスミンの関係もそうしたタングやボニーの存在から融けていくところが良い。
この本の紹介に『面倒くさくも愛おしい』とあって、その『面倒くさい』はロボットやこどもを指しているものだと思われるが、この本で一番面倒くさいのはビルその人。
エイミーとよりを戻すとか戻せないとか、理由をつけては逃げまくる、その姿にはややげんなり。この微妙な関係(?)を描くパートは楽しめなかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「ロボット・イン・ザ・ガーデン」に続く、シリーズ第2弾…というか、前作のおわりを考えると、まさか続編がでているとは思っていなかったので、びっくりしました。
前作を読んでいなくても、登場人物の関係がわかるよう、おさえておきたい前作のポイントははさみこまれています。
しかし、天才ロボット工学者のボリンジャーの本当のおそろしさや、ベンとエイミーのもどかしい関係の素を知るためには、前作「ロボット・イン・ザ・ガーデン」を読んでから続編「ロボット・イン・ザ・ハウス」へと進むほうが断然、物語を楽しめます。
前作では突然ベンの家の庭に現れたロボット・タングの、作り主を探す旅が描かれました。
そして今回も、あらたなロボット・ジャスミンが現れるところから話が始まりますが、ジャスミンの目的は宿敵・ボリンジャーにベンとタングの居る場所を送信することでした。
しかし、このお話の主軸は、ボリンジャーにどう対抗するか!?という戦い方ではなく、ベン、エイミー、ボニー、タングという家族の育児と成長・育児だと思います。
そのなかに、あらたなロボット・ジャスミンがどう関わってくるのか?
人工知能をもったロボット・タングが、どう育っていくのか?
ベンとエイミーの子育てぷり、タングとボニーの愛らしさが、とてもほんわかします。
前作からみると、また違った角度からの成長物語、家族物語である「ロボット・イン・ザ・ハウス」。
前作との違いに、はじめは戸惑うかもしれませんが、愛らしいタングは健在です。 -
イギリス産大人向けラノベ第2弾。もちろん萌え要素なんて無いのですが、かわいらしいロボットがそこそこ可愛らしく振舞うのと、安心して読める展開がほんわかさせてくれます。
※本著と「1984年」が手元にあったのですが、この殺伐としたご時世、つい本著の方に手が伸びました…
本著の構成は、日常を綴った短編が33篇(多いな)+エピローグ。
1篇がとても短くて、新聞とか制約のある媒体に連載してたのかな?とうがった見方をしてしまうくらいですが、手軽に読める感じが良いです。前作もそうでしたが、翻訳と思えないくらい自然で良質。イラストも素敵です。
さて、前作との大きな違いで言うと、前作は主人公?であるベンの成長・変化にスポットライトが当たっていたと思うのですが、本作では、ベンも含む家族全体の絆が作られていく過程が主題だったのではないかと思います。
ロボットのタングは、もはや「家族として受け入れられるか」ではなく、立派な家族の一員として「ペット飼いたい!」と言える立場になり(そもそもタイトルからして「家の中」に入ってる訳で!)、でもちょっと危うい立ち位置でもあったり。
Netflixあたりでアニメ化されて、世界に配信されたら面白いなぁ。こういう時期に安心して読める1冊です。 -
近未来のイギリスである日突然、庭にボロボロのロボットが居て、無職で無気力で奥さんに出ていかれそうなベンがロボットのタングと暮らして世界一周する前作の続きの話
前作でヨリを戻した奥さんと、娘と拾ったロボットのタングと4人で暮らすベンの庭にまたしてもロボットが?
前作と比べて家族が増えて家族の関係も良い中でのドタバタハートフルなお話!
特にタングがお兄さんとしての葛藤に悩む姿が微笑ましいです。 -
ジャスミンがいい
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毎日の通勤がさすがにシンドく感じる日々、
本の世界に浸るのはすばらしいことだと思う。
ファンタジーではあるけど主人公が大人なので展開は比較的受け入れやすいです。
感情を持つAIが幼児から思春期に?成長していくのが単純に愉快で、この本の中では難しくても、続巻のどこかでドラえもんを追い抜くのかもしれないと楽しみに読み進めています。
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今年の4月に読んだ「ロボット・イン・ザ・ガーデン」の続編。
今回のタングは、妹であるボニーができたからか、それとも前回ものすごい旅をしてきたからなのか、成長している。
ボニーの面倒を見たり、生き物を飼ったり。誰かの助けになろうとしたり、人を許すという難しいことができるようになった。
その一方、まだまだ甘えたい盛りなのか、間が間々は言うし、思い通りにいかないと拗ねたりもする。本当にロボットなのか?と思う程、表情豊か。
そして新たに加わったジャスミンというボリンジャー作の新たなロボット。今回のキーパーソン(キーロボット?)である彼女が弁一家を見て、何をどう思うのかが見どころ。
とにかく、みんなが可愛い。 -
前作はタングの成長していく可愛さに
やられっぱなしだった。
本作ではタングの更なる成長の過程、ボンニーの登場で
ベンのオンリーワンでなくなったタングの
ナンバーワンでいたい不安、嫉妬、
ジャスミンの登場による軋轢、後ろめたいウソや
ごまかし、それすらタングのどんな仕草も言動も、
前にも増して可愛いんだな。
そしてタングは、ベンから学んだのか
心が広くて真から優しくて前作よりさらに愛らしい。
前作は孤独な二人が旅を通して深める
友情と未熟からの成長、
本作は友人であり家族としての人間とロボット
人間同士の愛情の強まりと成長。
タングが成長しきってしまうと、愛らしさ要素が
なくなってしまうおそれはあるけど、
ぜひ続編を読んで、この家族ともう一度会いたい。
堅物な優等生で「おしゃま」なジャスミンも
自由勝手なボンニーと兄としてふるまう
タングのやり取りも物語の流れに良いいろどりを
与えてくれて、本当に心が温かくなる物語。
なんで、こんな素敵なロボットたちを
あんな人間が作れたのか、それが大いなる謎。 -
もう!タング可愛いよタング!!!
それに尽きる!!!(笑)
前作は前途多難な旅路でハラハラしたが、
続編である今作はあったか家族物語だった。
ロボットと人が対等に向き合う。
ロボットだけど唯一無二。
まだこの家族を見守り続けたい!